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【ロキだけじゃない】2020年アニバーサリーイヤーなみきとPについて語らせて欲しい


ヘッダ画像元:Tune Gate

こんばんは。今年は作曲家/ボカロPのみきとPが活動10周年ということで、きりが良いのでみきとPについて散り散りと語ってきたものをまとめようかなと思い、筆を執った次第です。『ロキ』で更にファンが増えたみきとPですが、いろんな時期のみきとPを知って帰ってもらえたら、自称古参としては嬉しい限りです。


はじめに

イチ小市民がみきとPそのものについて語るのはおこがましいにも程があるし、情報が断片的になってしまうのは避けられないので、今回は”僕”とみきとPを結びつけて自分語りの中でみきとPを振り返っていきたいなって思ってます。自己満足でサーセン。

せっかくなので、みきとPの襲名由来にもなったこの曲からどうぞ。

初期みきとP(2010~2011)

僕が初めてみきとPを知ったのは、新着順を漁っていたときにたまたま見つけた『調教LOVE』でした。

当時はこの曲をみきとPと認識しておらず、後にみきとPと認識するのは『世田谷ナイトサファリ』を聴いてからなので、体験談としては時系列が上下変わっちゃいますがここでは出来る限りみきとPの歴史順で行きます。

この時期大流行だったボカロ曲にみんなほどノレずに寂しくしてた僕にとって『調教LOVE』は衝撃的な曲だったのを覚えてます。

この曲で注意して聴いて欲しいのがベースライン。聴いた当時はベースラインは全然気にせず聴いてたんですが、こうやって振り返ると、この頃のみきとPの曲、ベースラインめっちゃこだわってると思うんですよね。

みきとPは何度かベースはジョン・ポール・ジョーンズを意識している旨を話していることがあるのですが、この曲でも個人的にはジョン・ポール・ジョーンズを感じます。R&Bのそれでもない、ポール・マッカトニーでもない、ジョン・エントウィッスルでもない、ジョン・ポール・ジョーンズを感じる踊り方をしていると思います。

その中でもこの曲は更にベースが踊ってると思います。初期みきとPの曲の中で一番スキです。

初期のみきとPの特徴は、「かっこよさの中にカワイイを詰め込む天才っぷり」に尽きると思います。

他にもカッコカワイイといえば『うぇんずでー・ぶるー』も必聴です。何様だって話ですが、非常に初期のみきとPの特徴が出ています。後に再録されたバージョンがアルバム『僕は初音ミクとキスをした』に収録されてますし、オリジナル盤も再販された同人アルバム『みきぺぢお』で聴けます。

もう1つ。みきとPスゲェやって感動しちゃう曲が『★mikiのえかきうた★』です。

カントリーライクながら、なにこれカワイイ。またこういうの作らないかな・・・

初期みきとPにおいてはe.p.『moji moji』もぜひ聴いてほしいです。個人的にトップ3に入るおすすめなので以下結構長く語っちゃいました。このアルバムから”セツナロック”と謳われるみきとPの世界観が表に出始めてきます。

収録曲の『小夜子』は、みきとPの知名度を上げた代表曲の1つなので必聴です。この曲がヒットする前は、Twitterのフォロワーは700人ほどだったと本人が語ってます。(ソースはみきらじですがどの回か忘れました。すみません)


この曲の歌詞、何者でもない、けれど何者かになろうという気も起きない頃の自分の倦怠感を見事に表してくれていて、たまに聴くとしんどくなります。みんなもそうであって欲しい。

後は、『SECRET DVD』も押さえておいてほしいです。

シンガーソングライターのmajikoさんが、歌い手当時のまじ娘さんのころに、みきとPを知ったきっかけの曲として挙げてたりします。

この曲は曲も歌詞も隠し要素がたっぷりでAメロ出だしから学校のチャイムのラインでこの曲の人物の背景を伝えてますし、2番では「喘息が出てきたな」のところでドラムの休符が不安定感を出してたり、ギターのゆっくりした1ストロークで落ち着いた様子を描いてたり、芸が細かいです。歌詞が生生しい言葉を選んでるのも個人的に凄く好きです。

言葉遊びも豊富で、サビの英語は空耳で日本語に聴こえるような語呂にしてます。空耳の方でも意味が成立するようになってます。こういう仕掛けの入れ方がみきとPっぽくてすごく好きです。

ギター馬鹿の視点からもう一つ。この曲のエロティックさは歌詞のみならず、テレキャスターのハーフトーンで作られたアタックが強いながらもクリーンなボキュボキュしたサウンドで見事に官能的に聴かせてるのが最高なんです。テレキャスってこんなエロい音出るんだって。

個人的にみきとP、かわいい曲も強いけどエロい曲作らせても強いよなって思ってます。臨場感がありながら心理的な描写でエロを作るのが上手い。

このepにのみ収録されている『東京○✕△』は必聴です。個人的に早く本人歌唱盤でもなんでも再録して欲しい曲ナンバーワンです。サブスクに無いし、このepでしか聴けないので音源買って貰わなきゃなんですが、買ってください。

最後に『若草物語』。遠距離恋愛を描いた曲です。アコースティック曲です。みきとPの作品群ではあんまり目立たない曲ですが、コアなファン(僕だけかも)にとってはみきとPを細かく語る上で欠かせない曲です。

この頃みきとPが使っているアコースティックギターは、リサイクルショップで買った2000円のものだとムック本で語ってますが、その音が聴けるのは唯一この曲だけです。Gibson J-45(1964)を買って以降は、J-45の音しか確認出来ていません。

あとは、この曲のバスドラムの音に注意して聴いてほしいのですが、切ないアコースティックの曲なのにかなりバスドラムに奥行きがあって、迫力のある音がしていると思いませんか?小径のバスドラムにデッドなサウンドで聴かせるのほうがまとまってる感じがすると思うのですが、これ、個人的な推測ですが、ジョン・ボーナムリスペクトではないかと思ってます。

わかりやすいところだと、『Black Country Woman』のバスドラムを聴いてもらうとわかるかと思います。『若草物語』はこれほどドカドカなってはいませんが、言いたいことは伝わるんじゃないかなと思います。

2019年のマジカルミライのクリエイターブースでみきとPとお話出来たタイミングがありまして、アルバムの構成は初期のLed Zeppelinにインスパイアされているというお話をいただけました。具体的にはアルバム『Led Zeppelin III』におけるアコースティックセクションの盛り込み方で、みきとPもアルバム毎に1曲はアコースティックの曲を入れるようにしてきたとおっしゃってました。

また後ほどみきとPとLed Zeppelinについて話す箇所がありますが、上記のようにみきとPがこの頃から初期のLed Zeppelinのテイストを入れていることも十分考えられるので、ツェッペリン大好きマンな私はこう考察せざるを得ないんです。

ボカロカルト期におけるみきとP(2012~2013)

この頃のみきとPと言えば、『いーあるふぁんくらぶ』がヒットしたり、数々の歌い手にカバーされた『世田谷ナイトサファリ』が登場した年ですが、みきとPのジャンルを”セツナロック”と謳い出したのもこの辺からと認識してます。

2012年にみきとPはアルバム『刹那プラス+』をリリースしました。これがみきとPのセツナロックのど真ん中だと思います。このアルバムも大好きなんですが、Spotifyでは聴けないのでCD買ってください是非。

収録曲の絆創膏のMVのイラストは横槍メンゴ先生(ニコ動での名義はヨリさん)です。後に『クズの本懐』はアニメ化されましたし、『推しの子』は現在進行系で大人気です。

『心臓デモクラシー』で再びヒットします。セツナロック期のみきとPが濃縮された曲です。ギターの音も、まさにみきとPっていう音です。みきとPの曲カバーするならまずはこの音を作れば間違い無いです。(個人的見解)

個人的には、表題曲の『刹那プラス』の歌詞が大好きで、推しておきます。
あと、すっごく芯を食わない感想だと、リフのギターパートで、フレット間を移動するじゃないですか。それが結構フレットが立った音なのが個人的にツボです。フェンダーのギターじゃないとでなさそうなフレットを感じます。

みきとPといえばこの曲無しには語れない程に有名な『いーあるふぁんくらぶ』ですが、2012年に発表されました。2ヶ月で100万再生行ってたんですね。

2012年当時は「セツナロックがみきとPじゃないのかよ」って感想でしたが、歴史順にたどっていくと、初期のテイストを盛り込んだ2012年当時の集大成的な作品とも読み取れるなと個人的には思ってます。今日においてもたくさんの方がカバーしていて感謝。いや、謝謝。

ちなみに、直前までサビの歌詞は「はい はい チャイナ ちょちょ 夢心地 いーあるふぁんくらぶ」だったそうです。生放送でデモ版の音源を流したことがあって、その際に聴くことが出来ました。

2012年、ボカロというジャンルが市民権を得たと思ったらあっという間に周りでボカロという言葉を耳にするようになってました。僕はといえば”青春時代”真っ只中だったのでこの辺を振り返ってて今非常にセンチメンタルになってます。

この頃にTwitterでボカロPの164さんが、みきとPの『世田谷ナイトサファリ』を投稿した旨のツイートをRTしたことでみきとPに出会いました。以来”みきとP”と認知した上でみきとPの曲を聴くようになり、『調教LOVE』と再び出会い、ハマりにハマって気がついたら同人アルバム全部買ってました。

初期のみきとPを追ってからこの曲を聴くと、イントロにみきとPの文脈を感じられるのですが、当時みきとPを知らずに聴いたときは他のボカロ曲(当時の流行り)と比べて圧倒的にシンプルなリードギターでぶん殴られて衝撃的だったのを覚えています。

2012年末にアルバム『ぼかろ男子 ぼかろ女子』がリリースされました。ジャケに描かれたみきとP、横顔すごく似てますよね。

このアルバムの収録曲でぜひ聴いてほしいのが、『ガリベン広瀬の勝利』です。

この頃のみきとPの曲は起承転結、特にオチをつけた曲が多く、特にガリベン広瀬は分かりやすいくらい物語が見えてきて面白いので、是非聴いてください。動画化されてないのでCDを・・・

当時の作曲観についてはインタビューでも語っています。

当時といえば、『サリシノハラ』が話題になったのですが、この辺が気になった方はググってもらったほうが早いと思います。当時全然興味無くて追えてなかったもので。本人歌唱バージョンがめっちゃ好きなので聴いてください。アルバム『ぼかろ男子 ぼかろ女子』の一番最後に収録されています。

個人的には、当時『夕立のりぼん』を毎日のようにリピートしてたので紹介しておきます。4曲目に収録されています。

ボカロブーム真っ只中、だんだん激化してカルトチックになってきた2013年に、アルバム『僕は初音ミクとキスをした』がリリースされました。

ちなみにこのアルバム特典、僕はシークレット当てました。ていうか今も特典版買えるんですね。(21/7/19修正現在)

Spotifyでも配信されているので、聴いてもらいやすいかと思います。

EXIT TUNESからデビューすることになったアルバムで、これまでの同人時代の曲がまとまって入ってる構成ですが、『小夜子』とかは微妙に音色が違ってたり、新しく『contry mom』とか収録されてなかったりするので、個人的には同人アルバムも全部押さえておいてほしいです。

表題曲はボカロPとして初めて自身を書いたと本人談で語ってますが、後に出すアルバム『みきうた』で本曲のアコースティックバージョン収録の際に泣いてしまったというエピソードがあるほど思い入れのある曲だということが伺えます。

本人談では、これまで自身についての曲を書いてこなかったのは、みきとPとして活動する前の時代、自身をテーマにした曲ばかり書いていて、それを批判されたことが発端だと語っています。(確かみきらじのどこか)

アルバム収録曲ではありませんが、この時期に出した『戦慄!! ムカデ競争』は初期みきとPの回帰といっていいでしょう。初期みきとP大好き人間としては発表当時めちゃくちゃ嬉しかった覚えがあります。

2013年11月に出た『朱色の砂浜』はアルバム収録されてませんが、ライブで結構な頻度で演奏される程の代表曲なので必聴です。

ありさんによる歌唱バージョンも押さえておいてほしいです。GUMIに対するリスペクトが半端なさすぎてもはやGUMIにしか聞こえないほど。こっちはアルバム『みきうた』に収録されています。

『みきうた』リリースで初めてリリースイベントが開かれたのですが、筆者は残念ながら当時2014年3月くらいまでインターネットと断絶する生活を送っていたのでこの辺は全然追っかけられてませんでした。

みきとP顔出し(2014~)

2014年11月に発表されたアルバム『Good School Girl』の特典DVDにて、みきとPは初めてその顔を披露しました。その前からEXIT TUNES ACADEMYという歌い手とのライブでは顔を出していましたが、僕は件のライブに行ってなかったのでこのとき初めてご尊顔を拝みました。

アルバムを語る前に、この時期にみきとPが投稿した『夜のいきもの』の歌ってみたを紹介させてください。2014年当時めちゃくちゃリピートしてました。後のアコースティックライブでもこの曲のカバーを披露してますが、それもいいんだわ。『夜のいきもの』は今日もカバーされてる方いますが、みきとPとの相性が良すぎてこれを超えるカバーを見つけられる自信がないです。する必要はないんですが。

他にも、当時発表した曲で、収録曲では無いもののワンマンライブで割と演奏されるくらいには本人お気に入りらしい『ふつーの魔法少女でごめんなさい。』も紹介しておきます。この頃のミクDarkを使ったみきとPの曲結構スキです。

アルバム『Good School Girl』ですが、大好きなアルバムなので以下長くなります。

このアルバムは同人時代からのキャリーオーバー無しのフルアルバムとして 2014年に発表されました。

頭曲の『まとい』のMVで初めて実写MVが使われました。正直、過去に他のボカロPが実写MVあげたときに結構数批判的な意見が多かったのを見てきたのでヒヤヒヤしてましたが、それは杞憂に終わりました。映像作品としても素敵です。ファンの間では早くライブで演って欲しい曲として毎回挙がる曲だとか。

追記:ボカコレライブにて『まとい』が演奏されました。歓喜。

2曲目に収録されている『バレリーコ』は、当時ニコ生でGUMIのMIDI入力している模様を放送してました。GUMIはガ行が苦手だというお話もしていて、ちなみに当時同じくボカロPの164さんはガ行は初音ミクに喋らせてたというエピソードがあったりします。

この頃からドラムの打ち込み風景を写せないことを仰ってて、どこかのメーカーと新作のモニターでもさせてもらってるのかなって勝手に嬉しくなってたのを思い出しました。

3曲目の『You Are エイビー』は動画化されてないものの、個人的にかなりスキな曲なので紹介させてください。

当時のみきとPのA&Rのトニーさんも、この曲と『東京駅』を特筆して語っていたのを記憶してます。

『You Are エイビー』は他の曲と比べると構成自体はシンプルですが、当時聴いたときみきとPが今後作るシティポップの可能性を感じてすごく興奮してました。本当何でも作れてしまうみきとPすごい。

次曲の『文字恋』は、バスドラムに着目して聴いてほしいです。この曲、心拍数の増減をバスドラムで表現してるんです。初め気づく前は「なんかチャーリー・ワッツみたいな打ち方してんな」くらいにしか思わなかったのですがこれ、歌詞とリンクしてると気づいた瞬間脳汁ブシャーッでした。

『エンドロールに僕の名前を入れないで』は、みきとPが「久々にボカロっぽい曲をつくった」とコメントしていますが、たしかに僕も'12,'13年のボカロックの匂いを感じます。

この曲にもマニアックなエピソードがありまして。ミキシング、マスタリングを担当した友達募集Pが試験的にBurgin McDanielのKomit CompressorというAPI 500モジュールのコンプレッサーをこの曲のシンバルに歪ませるために使用したという話をしていたことを覚えています。ムック本の対話にも残ってますが、友達募集Pは当時みきとPとともに楽曲に新しいエフェクトを試験的に盛り込むということをしていたそうで、改めて聴くと、シンバルの音がかなり細かい砂粒状が流れるようなサーサーと持続した音になっているようにきこえると思います。後のアルバム『MIKIROKU』でも、トラックのコーラスエフェクトにロータリースピーカーエフェクト(有名なのは『Let It Be』のギターソロなんですがストーンズの『Let It Loose』も挙げておきます。)が多用されているのは友達募集Pによるディレクションだというエピソードがあったり、みきとPと友達募集Pとの連携の一端が見えやすいのもこの曲のスキポイントでもあります。

『しゃったーちゃんす』は個人的にメッチャクチャ好きな曲です。

アコースティックライブでみきとPはよくこの曲を演るんですが、その際に使用するリズムマシンTR-330がいい音で、これに合わせて弾くみきとPのアレンジが最高なんです。音源化されていないのが惜しい。このリズムマシン、友達募集Pからの借り物だそうですが、現在でもスタジオ取材の際に写っているので借りパクなのでしょう。僕も追体験のためにTR-66というリズムマシンを買いました。ライン出力で音を出す点とリズムパターンが多い点は異なりますが、みきとPが使用するBOSA NOVAモードがこの機種にも搭載されているので問題ありません。リズムが揺れまくるのでみきとPごっこ以外ではあまり用途が無いです。

表題曲『Good School Girl』はこれまでのみきとPの集大成といえる曲だと思ってます。

mikiの歌唱、ちょっとラフなロックチューンなところは初期のみきとPらしさがありつつ、曲の作りこまれ方は今のみきとPで、これぞみきとPの曲だ!と当時感動していました。感動してばっかです。

他にも『柑橘ネコぱんち』はボカロPのやいりさんイチオシだったり、『同級生』で聴こえてくるミクの歌い方は、みきとPとkeenoさんのベロシティーの編集の仕方が異なるので2人ミクがいるみたいで面白いといった聴きどころありなので是非聴いてください。

ライブ全盛期のみきとP(2015~2017)

2015年、2つのシングルの発売を経て本人歌唱アルバム『MIKIROKU』がリリースされました。

このアルバム書下ろし曲の『Telephone Juice』、かっこいいの中にかわいいを詰め込む天才っぷりが再び見られたのに加えて、この世界観にしてドラムがバッチバチにかっこいいです。ポップなのにリズム隊、キーボードはメッチャかっこいいこのギャップ。最高。

この頃に出した全部1人で演った動画も是非。僕の中での3大”1人で何でも出来ちゃうマン”は、プリンスケヴィン・パーカー、そしてみきとPです。

2015年で特に語りたいのは何より、MIKIROCK BYPASS vol.1の開催です。みきとPの初めてのワンマンライブでした。当然僕も行ってきました。当時のライブレポートと本人ブログ記事を載せておきます。

開始まで会場で流れてた曲、Led Zeppelinばっかりだったのが面白かったです。

上のライブレポートに載ってないものとして語っておきたいのが、登場から頭曲の演出です。

青く薄暗い中で『Black Mountain Side』とともにメンバーが登場し、そのまま『ねぐら』を始めたんですが、薄暗い中での『Black Mountain Side』は真夜中を彷彿とさせて、その後に『ねぐら』で夜明けのような演出ともに始まったんです。夜更けと夜明けを表したこの演出は5年たった今でも未だに覚えてるくらいには最高でした。

2016年はvol.2,3も開催、他にも多数ライブ出演というまさにみきとPライブ全盛期な時代がやってきます。

この時期にヴィレヴァン限定でミニアルバム『愛島雑貨店』を出しました。今はAmazonでも買えます。

おすすめは『さよならはきえない』です。『夏の半券』のアンサーソングとして登場しました。

おすすめとしては別として、是非語りたい収録曲が『Hoi』です。すみません。また長くなります。

この曲から初期のLed Zeppelinの匂いがしてたまらないのです。

『Living Loving Maid』と『The Lemon Song』を聴いてから『Hoi』に戻ってきてもらえませんか?余裕のある方はLed Zeppelin IIとIIIを通しで聴いてもらいたいです。

当時、『Hoi』を聴いたとにすっごく馴染みがあったんですが全然正体がつかめずにいました。今年2020年になって、正体が初期のツェッペリンなのではと発見したんです。(末期のツェッペリンのテイストもちょっとある。)もしかしたら違うかもですが(いい加減ツェッペリンと紐付けるのやめろって言われそう)、2020年で1番の発見でした。

2016年8月の頭に開催された『ぶらりナンとかカンとかアコースティック、夏。』~京都編~(以下、ナンカン)について話したいと思います。

会場は京都のSOLE CAFEという場所で、後のみきとPのアコースティックワンマンはここで開催されるようになります。収容人数は50人程で非常に小規模なライブでした。このライブはmajiko(当時は"まじ娘")さんとのライブだったので、あっという間にチケットは売り切れてしまい、僕は同年の東京編のチケットが取れなかった程です。一瞬でした。

まじ娘さんの透き通る歌声に、みきとPのときに力強く、繊細なメチャウマアコギ(みきとPはアコースティックギターになると物凄く上手くなります)に酔いしれていました。

昼の部、夜の部の2構成だったのですが、どちらも頭で披露した『文学少年の憂鬱』のカバーが個人的に最高でした。音源化して欲しい。majikoさんの声が儚くて思い出しても泣いちゃう。

このライブでは先程語った『さよならはきえない』と『夏の半券』が昼の部、夜の部で分けて披露されました。『夏の半券』は当日変更して盛り込んだというサービスぶり。『さよならはきえない』はまじ娘さん、『夏の半券』はみきとPによる歌唱でした。

ちなみに、このライブで初めてアコースティック版『しゃったーちゃんす』が披露されました。TR-330とともに演奏するやつです。

当時、グッズにシングルカットのLPがあって、B面の『福寿草』のまじ娘、みきとPカバーが最高すぎるんですが、このLPでしか音源化されていません。もしどっかで見つけたら迷わず手にしてください。

この時期にみきとPによるマジカルミライ2016のテーマソングが発表されました。

贔屓しているわけでは無くて、マジカルミライのテーマソングでは一番スキです。コールアンドレスポンスがわかりやすかったり、オーソドックスなEDMで構成されていてみんなノリやすい工夫がされており、ライブ曲として最高だと思ってます。

深海少女』程ではありませんでしたが、長いことマジカルミライのステージで採用されたことがこの曲のツヨさを証明してると思います。

追記:『39みゅーじっく!』の制作期間、2週間だったそうです。凄。(2016/07/29(金)ニコラジ金曜日より)


2016年9月にワンマンvol.2が開かれました。すみません。ライブレポートは見つけられませんでした。会場の曲は当時みきとPがマイブームだったジェイコブ・コリアーが流れてました。(後日ジェイコブ・コリアーのBlue Note公演行ったツイートをされててめっちゃ羨ましかったです。僕も早くに知って行きたかった。)

せっかくなので、vol.1から恒例になった打ち上げイベント「みきうち」について。

vol.1のみきうちでは、各出演陣と直接話す機会が設けられた今考えたらとんでもなく貴重な時間だったんですが、(僕も当時友達募集Pと音の話をしてた記憶があります。)vol.2ではみきとPクイズが催されました。

景品は『ぼっち幸福論』のMVのGibson SGに使われているステンドグラス模様のギターストラップでした。残念ながら獲得は出来ませんでした。(同じストラップ持ってんだけどね)

みきとP曰く、ストラップを買った動機はジミー・ペイジの影響ではくてジミ・ヘンドリックスの影響だったそうです。ジョン・レノンでもなかった。TシャツはThe Beatlesだったのに。

10月にもSSW16というイベントでアコースティックで出演していたり、6月は海外イベントに出演していたり、2016年のライブ参加数が半端なかったです。

間髪入れずに、12月にもvol.3を開催しています。'17年1月の神戸開催という2部構成という豪華っぷり。どっちも行ってきました。

ちなみに神戸編のゲストだった影縫 英さん、当時まだ就職先が決まってないことをライブでカミングアウトしてたんですが、どうしてそう芯を食わないことばかり覚えてしまってるんだろうか。

影縫 英さんの『少女ふぜゐ』、最高なので是非。

このライブをきっかけに初めて神戸まで行ってきました。

電車の高架下にあるライブハウス太陽と虎で開かれたのですが、東京編とは異なって今まででずっと演者との距離の近いハコでした。当時神戸まで遠出して本当に良かった。

神戸はみきとPゆかりの地で、『いーあるふぁんくらぶ』の元ネタになった中国語教室や元町中華街、『朱色の砂浜』の舞台になった明石の須磨海岸も行ってきました。まさに聖地巡礼でした。

2017年は神戸遠征以外は気を病んでそれどころじゃなかったんですが、幸い(?)みきとPが出演した大きなイベントはマジカルミライ2017のライブ出演くらいでした。

実はこのライブで『僕は初音ミクとキスをした』のアコースティックアレンジが披露されて我々ファンは大歓喜だったという思い出があります。

2017年の投稿動画でおすすめは『セカンド・キス』です。個人的にみきとPの曲で最もブラックミュージックの気があると思うのですがどうでしょう?大好きです。

ロキ以降のみきとP(2018~)

2018年の初め、『ロキ』が発表されました。

ニコ動の子作品は3000以上も在るようです。

3/11に大阪でネクライトーキー、majikoの3マンライブ、2/23にはアコースティックワンマンがありました。こちらも京都SOLE CAFEでした。みきとPワンマンでしたが、ロキブームもあってチケットは完売。

10月にアルバム『DAISAN WAVE』がリリースされました。アルバムの中身自体は、これまでアルバム収録されてなかった楽曲をまとめたキャリーオーバーの比重が高いですが、音源化を待ちに待っていた曲も多数ありました。

おすすめは『愛の容器』です。みきとPの愛猫まちさんの歌ですが、MVはあえて解釈を変えて描かれています。

さすがデビューアルバムに『僕は初音ミクとキスをした』というタイトルをつける人だ。意図してか気まぐれか、たまに攻めたことをするのもみきとPっぽいです。

あとは『信じる者は救われない』は昔の音色を意識して音作りしたというエピソードがあったりします。ギター周りも昔と同じくPOD Farmを使ったとか。


2018年、みきとPはこれまで以上に”時の人”でした。

12月にはYouTube FanFestにmajikoさんと出演しています。正直メッチャクチャアウェイで不安でしたが色んなYouTuberとコラボしてて、場の主導者になっていて安心しました。キズナアイのゲームチャンネルが100万人行って表彰されたゆかりもあってか、『ロキ』ではキズナアイとミライアカリが出演しています。最高だ!!!!!!

間髪入れずにMIKIROCK BYPASS vol.4が開催されました。

少女レイの踏切音の演出、赤いライトを左右音に合わせて交互に光らせて踏切を彷彿とさせる演出が最高でした。

2019年、2度目のアコースティックワンマンももちろん行ってきました。京都SOLE CAFEです。

2019年は各所への楽曲提供が続いており、特筆することが無いのが正直なところです。3月にロングインタビュー特集が掲載されてます。

9月にmajikoさん、キタニタツヤさん、みきとPの3マンライブGreen House Liveがありました。Tokyo FM主催で、配布されたタオルははるまきごはんさんのイラスト、MCは高橋みなみさんという豪華っぷり。

このイベントに書下ろした『Green Shower』は必聴です。

みきとPの音源では初の'80sライクなアレンジの曲です。

2020年もまた、肥大に肥大したVtuber界隈に楽曲提供を果していますが、限界オタクからするともっともっと表立った活動をしてほしかったというのが正直な感想です。C○VIDのせいもありそうですが。

後に、結婚、第一子誕生の報告がされ、2020年の活動の大人しさ?については納得できました。

2020年の発表曲の中では『だいよげん』がイチオシです。

みきとPの最新情報、2016年以降のニュースも下記HPで確認出来ます。

まとめ

これまでいろんなところで断片的に語ってきたものを1つにまとめられたなという感じです。11,000字超えちゃいました。(2021/1/1時点12,000字超えました。)

今回提供にはあまり触れずリリースされたアルバムを中心に振り返っていきましたが、時期ごとの色があって面白かったです。

2014年とか、ちょうど音圧戦争真っ只中だったのもあってか他のアルバムよりもラウドネスが高めで、なんか時代だなって思っちゃったりします。

やっぱり、こうやってみきとPの活動をたどっていくと、昔ほどの頻度でやってほしいとは言わないものの、表立った活動が恋しくなっているのが正直な感想です。

個人的には、女性グループ(2~4人)のプロデュースとかやって欲しいなって思ってます。

2016年からmikitoという名義でアイドルに曲をおろしたりした実績がありますし、(名義はコンペ用なのかな?)純粋にオールみきとPで構成されたなにかしらに興味があります。

これを書いてる現在、もうすぐ年が開けますが、来年のみきとPも全力で見守って行きたいです。

追記

みきとP公式でBoothが設立され、同人時代のアルバムを買うことができるようになりました。

最後までありがとう御座いました。



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