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初めての「ロースラー」、殺し屋ワイン。

先日の「奥州平泉 義経旅」で中尊寺のふもとで見出したるは、岩手のベテランワイナリー、エーデルワインのフラッグシップ店。
レンタカーを運転するのでテイスティングはできないながらも、ここでしか会えない貴重なワインを選りすぐって根城に手配したる中から、本日はこちらをチョイス。

「シルバー ロースラー2018」。
ロースラーとは聞いたことのない品種だったゆえ、日本で開発されたものかと思いきや、オーストリア原産とは驚きである。

昨日から解凍していた塊肉が思いの外サシが多すぎたので、さっぱり洗い流してくれそうかと外観で独断して選び出したのだった。

外観は、黒に近い極めて濃厚な紫。
青みの入り方が山ブドウ系に似ている所感がするが、オーストリア原産とな。

香りをとってみると、ドライプルーンの甘く濃厚な香りに酸味のあるカシス、ダークチェリー、少しドライハーブや木樽のニュアンス。
テンプラニーリョのような少し野生みのある香りに胡椒のスパイシーさ。

味をとってみると、最初に包まれる豊富な酸味と中盤にかけて意外にもミディアムライトなボディに驚くが、少し物足りないかと思われた瞬間、後半から現れるタンニンは非常にボリュームが大きく粗削り。
口中と喉に苦味とアルコール感を残してフィニッシュ。
不思議な体験である。

サシの多すぎるローストビーフの脂を洗い流す渋み、ざらざらしたタンニンがピーマンの苦味とシンクロ、などは予想がついたが、真骨頂は実はお肉専用醤油と合わせた時であった。
通常の醤油より少し甘めな味わいがロースラーの甘味を引き出し、歓喜して盛大に手を繋ぎ合いつつ、その裏でタンニンがそっと脂を抹消する、華やかで目立つお嬢さんとワイルドなおじさん二人組の殺し屋名コンビ。
合わせる料理の甘みがカギかあ。

そう思った私はチョコレートに合わせてもみたが、まあ…なんというか、特筆すべきこともなく、まあまあである。
強いて言うならダークよりミルクチョコの方が良い。
まあまあ、と言いながらチョコクッキーまで食べてしまう、アルコールで満腹中枢が破壊されがちな私。

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