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東京女子医大存続のための緊急行動への賛同のお願い 2

令和5年2月2日 東京女子医大卒業生の皆さまへ

 私達至誠会員有志一同は、「女子医大を復活させるOGの会」として、至誠会員の皆様に、令和5年1月15日付で「東京女子医大存続のための緊急行動への賛同のお願い」(以下「賛同のお願い」といいます。)をお送りしました。その反響は大きく、東京女子医大の現状を憂う至誠会員の皆様から、多くのご賛同をいただきました。
 本書面では、「賛同のお願い」の結果、私達が行動を起こした理由、メディアとの関係、現経営陣の問題点、東京女子医大の復活などについて、皆様からいただいた声を踏まえつつ、お伝えするとともに、改めて緊急行動をお願いする次第です。
 
1 「東京女子医大存続のための緊急行動への賛同のお願い」の結果
⑴多くのご賛同
 「賛同のお願い」の反響は大きく、東京女子医大の現状を憂う至誠会員の皆様から、多くのご賛同をいただきました。令和5年1月30日現在において、ご賛同者は合計1058名に上ります。私達が声を上げる前から、東京女子医大の現状を憂いている方が多くおられました。別記事【「賛同書」を受けて私たちに届いた声(1月20日時点)】で、賛同者の声の一部について、個人情報を捨象した形でご紹介させていただきました。 
 
⑵長らく女子医大に貢献してきた名誉教授2名の称号剥奪
 一方で、「賛同のお願い」を送付したことによる東京女子医大の対応は、残念なものでした。「賛同のお願い」には、東京女子医大に貢献した名誉教授2名も賛同者として名を連ねています。
 大学側はこれを問題視し、臨時理事会において、本人への何の確認もなく、名誉教授の称号を剥奪するとの措置を講じました。
 民主主義社会においては、言論の自由が認められるところ、言論には言論で対抗すべきであり、特に学問の自由を重視する大学関係者には、そのような対応が求められます。言論による解決を放棄し、異論を排除する対応は残念でなりません。
 これでは、大学経営陣の意に反する意見を言うことができなくなってしまいますので、現状を変えていく必要があります。
 
⑶学内至誠会緊急集会
 大学内では、令和5年1月18日15時30分から、学内至誠会緊急集会が開催されました。しかし、開催の通知は前日であり、議題の提示がないにもかかわらず、欠席者は必ず白紙委任状を出すことを求めるなど、事実上の強制参加と言わざるを得ないものでした。
 学内至誠会緊急集会は、病院の診療時間中に開かれ、通常業務への多大な負担を課すものでした。このような対応は、多様性を尊重すべき教育者としても、患者を優先すべき病院経営者としても、残念であると言わざるをえません。
 
⑷至誠会員への文書送付
 東京女子医大の経営陣からは、卒業生に関する文書も送付されていますが、現理事長の業績として、新校舎の建築や建物の耐震補強等が挙げられています。
 しかしながら、これまでと同様、職員大量離職、患者の減少、受験生の減少傾向などの、東京女子医大を維持するに最も重要な点をはじめ、東京女子医大で現在生じている現象の原因の分析及びその対策といった説明がなされないままです。

2 私達が行動を起こした理由
 私達は、東京女子医大の卒業生であり、至誠会員でもあり、東京女子医大関係者からのお話やマスコミ報道等で、その現状を知り、現状に心を痛めていました。
 そのような中、東京女子医大の現状を憂慮した7人の教授らから大学に添付の質問書・提言書が提出されましたが、経営陣からは、これらに真摯に向かい合っているのかが見えてきませんでした。他大学卒を含む教授の方々が東京女子医大の現状を憂慮し、行動しているにもかかわらず、卒業生である私達が行動しないわけにはいかないと思うように至り、至誠会として声を上げるべきであるとの結論に至りました。
 東京女子医大をはじめとする医療、教育機関において、最も重要なのは、医療や教育を提供する人材であることに異論はないと思います。現在、東京女子医大からは、職員の大量離職など、人材の流出が続いています。東京女子医大は、最先端の医療を提供するなど他の医療機関では得難い経験ができるため、質の高い人材が集まり、自由闊達な校風の中、質の高い医療や教育の提供でき、最先端の研究が推進できることが、大きな魅力でした。しかし、現在の東京女子医大ではそのような魅力が失われているように感じます。
 これは、「賛同のお願い」でお伝えしたように、ここ数年の入学志願者の減少傾向、卒業生が東京女子医大を研修先に選ばなくなり、職員数や患者数も減少の一途を辿っていることからも明らかです。
 大学内の職員からは、令和4年度内に更に多くの退職者が出るとの悲痛な訴えもあり、東京女子医大の現状を見ると、現実化する可能性が高いと感じました。このまま状況を放置しておけば、かつての東京女子医大の輝きは失われるばかりか、人材流出により、いわゆる人手不足倒産に至っても不思議ではありません。
 東京女子医大の最大の財産である人材流出を防止するとともに、東京女子医大の輝きを取り戻す最後の機会と考え、声を上げた次第です。

3 メディアとの関係について
 経営陣からは、私達が週刊誌報道を真に受けているとのご批判がありましたが、残念ながら、経営陣から納得のいく説明がなされていないのは事実であり、少なくとも大学関係者や至誠会員に、丁寧に説明するべきと考えております。
 なお、「賛同のお願い」では、問題点をお伝えするために週刊誌報道がなされている事実にも言及いたしましたが、私達は特定のメディアとの協力関係にありません。
 
4 現経営陣の問題点
 現経営陣の問題点として、職員の信頼を失い、人材流出が止まらないことが挙げられます。人材がいなければ、医療も教育も成り立ちません。
 人材流出により、人員不足が深刻化し、赤字も拡大しています。令和4年11月時点における収支差額は以下の通りであり、3病院のいずれも1月あたり6億円以上、令和4年4月から11月までの8か月で約47億円という巨額の赤字を計上しています(コロナ関連等補助金等を除く)。令和3年の同時期と比較しても大幅に悪化し、状況は悪化の一途を辿っています。

 そして、現経営陣に対して、意見を述べた者は、排斥されてしまい、意見を述べられない環境となっています。これは、経営陣に異論を述べた名誉教授が、一方的に名誉教授の称号を剥奪されたことからもお分りになるかと思います。

5 東京女子医大の復活について
 私達は、東京女子医大の復活の為に最も重要なのは、人を大切にする組織にすることだと考えています。組織の活力は人で決まると思います。
 一人一人の職員を大切にして全員の力を集約することで、人材の流出が止まり、安全安心な患者さんへの医療提供が可能となり、かつての東京女子医大の輝きが取り戻せます。
 短期的な目標としては、人材流出を防ぐとともに、流出した人材を呼び戻したり、必要な人材を招聘したりして、取消となった特定機能病院の復活を目指します。
 ゆくゆくは、世界に誇る教育機関、医療機関、研究機関を目指すべきと考えています。
 そのためには、健全な経営が大前提であり、まずは、至誠会と東京女子医大の理事長の兼任というガバナンス・コンプライアンス上問題がある状態を一刻も早く是正し、東京女子医大と至誠会での相互監督が可能な適正な距離感を構築するとともに、東京女子医大に対し、人材を大切にする組織とするよう働きかけていきます。
 
6 緊急行動のお願い
 「賛同のお願い」を受け、現経営陣は、報道をはじめとする現状の問題に関しては説明済みであるとの見解をとっているようです。
 しかしながら、学内向けの説明に終始し、私達が知る限り、至誠会員に対する説明など、対外的な説明はなされていません。至誠会員の皆様から届いた声からも、説明があったとの声はありませんでした。納得する説明が行われているのであれば、学内職員からの質問書・提言書が提出されたり、人材流出が生じたりするはずがありません。
 私達は、東京女子医大の現状に憂慮し、至誠会員の皆様の声を東京女子医大の経営陣に届かせることで、東京女子医大の現状を改革するための一助としたいと考えております。
 現在、東京女子医大において、日々、現場で奮闘している職員を励ますためにも、至誠会員の皆様のご協力が必要不可欠です。
 私達の活動を受け、東京女子医大や至誠会の現状に疑問をもった至誠会社員が、社員総会招集請求を行いました。議題は、東京女子医大の理事を兼務している至誠会の理事3名の信任を問うものであり、理事3名の解任及び新理事6名の選任を求めるものです。
 至誠会定款第18条及び19条及び法令により、10分の1以上の社員の請求があった場合には、理事長(会長)は、臨時社員総会を開催しなければなりません。
 至誠会員のうち、特に一般社団法人至誠会の社員の方は、現状について、ご自身でも確認いただき、その是非をご判断下さい。至誠会社員でない皆様も、本年4月に行われる予定の社員選挙により、自らの意見を反映させることができますので、決して母校と至誠会の現状に無関心であることなく、他の至誠会員の声や東京女子医大の内部にいる職員の声を真摯に聴くことにより、ご自身でも母校の現状を把握し、声を上げていただくことを望みます。
 本書面へのご賛同、ご意見がある方は、以下の返信用メールアドレスよりご連絡ください。既にご連絡いただいている方でも、新たにご意見等がある方は、ご連絡いただければ幸いです。
 「賛同のお願い」添付の賛同書をご返信いただいていない方については、すでにお送りしている賛同書をご返送いただく方法でも構いません。皆様からいただいたご意見については、個人が特定できない形で公表させていただくこともある点については、ご了承ください。

返信用メールアドレス:2023.joshi.idai@gmail.com

以上

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