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【研究成果審査】公立はこだて未来大学大学院 首位合格体験記~前半~

こんにちは。Joshです。
公立はこだて未来大学 システム情報科学研究科 複雑系情報科学領域に「研究成果審査」という枠で合格しましたので、その体験記を後輩たちのために記しておこうと思います。


なぜわざわざ書こうと思ったの?

この試験方式に関する情報が不足しているからです。
これまでの受験者は私を含め3名であり、私が2人目の合格者である模様です。事務局やボスに相談しても困惑されました。
そのため、情報を記録しておくことが望ましいと考え、この文章を作成するに至りました。

注意

前例が少ないことから、大学の対応がマニュアル化されておらず、来年度以降は全く異なる流れとなる場合があります。
以下に記載する情報は、2023年時点のものであることをご留意ください。
加えて、次の内容が全て正しいと保証できないということにもご留意ください。

【概要】「研究成果審査」について

「研究成果審査」とは、B4までの実績を、筆記試験に代えて受験できるという試験方式のことです。
そのため、ここで獲得した点数は筆記試験の点数(450点中の200点)と同等のものしてカウントされます。
また、一般入試の枠内での試験なので合格しても辞退が可能です。
他大学院試を控えており、未来大の筆記試験の勉強に時間を取られたくない!という方におすすめかもしれません。

何を提出するの?

一般には、上記の通りです。
詳細は後述しますが、私は別の書類も提出しました。これが意外と面倒なのです。

研究計画書みたいにテンプレはあるの?

ありません。
私は自分で作りました。気が向いたら、制作したwordファイルをテンプレ化して追記しておきます。早急に欲しい場合は声をかけてください。

【出願】研究成果審査提出物

私の研究成果審査提出物一覧

  1.  研究成果審査に係る提出物のリスト

  2. 研究成果審査提出物に関する補足

    • 研究成果審査提出物をアップロードしたGoogle DriveのURL & QRコード

    • 研究成果審査提出物をアップロードしたNotionのURL & QRコード

  3.  研究成果審査提出物に記載されている学会の概要と学会参加に関する証明書類

  4. 研究成果における志願者負担部分に関する提出書類

  5.  研究成果審査提出物①の成果品(論文やポスター)

  6.  研究成果審査提出物①の要約と説明

  7.  研究成果審査提出物①の出席証明書

  8.  研究成果審査提出物②の成果品(口頭発表をした際の動画)

  9.  研究成果審査提出物②の要約と説明

  10.  研究成果審査提出物②の出席証明書

  11.  研究成果審査提出物③の成果品(論文やポスター)

  12.  研究成果審査提出物③の要約と説明

  13.  研究成果審査提出物③の出席証明書

  14.  研究成果審査提出物④の成果品(論文やポスター)

  15.  研究成果審査提出物④の要約と説明

  16.  研究成果審査提出物④の出席証明書

  17.  研究成果審査提出物⑤の成果品(論文やポスター)

  18.  研究成果審査提出物⑤の要約と説明

  19.  研究成果審査提出物⑤の出席証明書

太文字の内容は、募集要項には提出が要求されていない内容です。私が事務局の方と話し合いながら、提出ことが望ましいであろうと考えられる内容をまとめた結果、上記に落ち着きました。
以下、各々について大雑把に説明します。

研究成果審査に係る提出物のリスト

以下の様に書類を書きました。

【ちょっとした工夫ポイント】
院試で自分の研究を紹介する際、一番大変なことは何でしょうか?
次のような声が多いと思われます:
1. 専門外の先生にも理解してもらえるよう、専門用語を避けなくてはならないこと。
2. 簡潔に、しかし興味深く説明しなくてはならないこと。
そこで、ちょっとずるいのですが、「要約」を提出せよと言われていましたが、「要約と説明」と内容をそれとな~く拡張し、解説を加えちゃいました。
また、これを5回にわたって行うことで、一部の専門単語及び概念の説明を済ませました🤫
これにより、避けきれない専門用語を使用しながらも、極力分野外の方でも概要を把握できるように努めました。

研究成果審査提出物に関する補足

以下の様に書類を書きました。

めっちゃ細かいけど…
・不測の事態に備える
・正しい説明よりも、該当する文章に適した表現に変更する
というのはこの文章に限らず有用な場合があります。
今回で言えば、
・2つの場所にアップロードしておいた点
・Notionの説明が本来あまり本質的ではないが、今回の文章においては「データ共有」程度が適切であると考えてそのように表現しておいた点
が挙げられるかなと思います。
そんなにうまい文章を生成できたとも思えませんが、他の文章でもこんな感じの配慮をしておきました。

研究成果審査提出物に記載されている学会の概要と学会参加に関する証明書類

次のような流れで書類を書きました。

  1. 何の学会に出たのかをリスト形式で列挙

  2. 各々の学会についての概要を列挙

    1. 正式名称

    2. 日時

    3. 場所

    4. 主催

    5. 企画説明

    6. 学会リンク

    7. 学会参加に関する証明書類について

「学会参加に関する証明」は、真剣に考えると意外に面倒です。
憶測ですが、本来求められているのはこの記事(自撮りで「出張証明」に!学会のパネルが「合理的すぎ」と話題)にあるような、学会出席の証明のような気がしています。
…が、そんなの今更ないので、学会の発表者リストに自分の名前が書いてあるということを示す程度で提出しました。(そして許されました。)

なお、具体的には次のような書き方をしました。

「(学会名)の出席者リスト」という書類を添付する。この資料のXXに「Josh」と私の名前が記載されていることから、私が発表したことを確認することができる。なお、こちらの資料はこちらのリンクの講演検索の「タイトル」に、「(タイトル)」と記入し検索することからもご確認頂ける。

研究成果における志願者負担部分に関する提出書類

ボスと相談し、文章を作って、サイン+印鑑を頂きました。
印鑑必須資料は先に済ませた方が良いです。

研究成果審査提出物の要約と説明

ここからが本番です。
提出物について、A4、2ページでまとめます。

まずは形。

左上は、次の「研究成果審査用シール」を張るので空けておきます。

次に中身。要約を書きます。
背景や結果は残し、メソッドや解析手法などを削りました。
先述の通り、最後になんとか余裕を作り、あまり使用を避けることのできない専門用語やその概念についての情報をまとめました。

【実績】提出物のレベル

私は、次のような流れで学会発表を行っており、ここでの成果を研究成果審査提出物としました。

  1. 国内学会, 口頭発表&ポスター発表, B2.

  2. 国内学会, ポスター発表, B2.

  3. 国際学会, ポスター発表, B3.

  4. 国際学会, ポスター発表, B3.

ジャーナルへの投稿はしておらず、学会論文のみの実績です。
あとは、所属している公立はこだて未来大学による「未来大学賞」と、所属している財団による「国際学会研究発表 最優秀賞」は頂いていました。
(ここまで自由に研究したり発表を経験することができたのは、主に研究室パワーと複雑系メンバーによる支えのお陰であり、全てが私の力ではありません。

過去の2名については、どこまで書いてよいのか分からないため濁しますが、
合格された方は、私の実績とほぼ同等の実績で提出(1つは賞を取っていたらしい)。
不合格だった方は、外部発表のしていないデザイン作品を提出したようです。

私の実績は、これはそこまで驚くべきほどではありません。
外部の先生に実績を聞かれ答えたところ、「2つの国際学会の片方がいわゆるトップカンファレンスだとか…」でないと某大学の院試の推薦型には太刀打ちできないとまで言われたことすらあります。
そのため、もし外部の院試の推薦型も考えているのであれば、上記のレベルに留まらず、ジャーナルへの投稿やトップカンファレンスを狙われることをお勧めします。
(なお、必修単位取得や院試勉強、プロジェクト学習、TOEFL、TOEIC、研究室訪問といったものが入ってくるため、優先順位を予め制定しておきましょう。重要度の高いものが危うくなった場合には、研究等の中核以外のタスクをすぐに捨てられるようにした方が良いと思われます。B4までは研究が必須ではないため、囚われすぎるのは危険です。)

一旦お休み

疲れちゃったので、終わります!
この段階でも出さないと一生パブリッシュしない気がするので出しちゃいます。

次回予告

【試験1日目】研究成果審査、【試験2日目】面接、(B1から研究を進めることのメリットデメリット、B1から研究を進めるための工夫)

追記(2023年12月13日)

なんか、首位合格だったみたいです。

点数が書いてありますね。
TOEICの換算点数は満点でした。そのため、「研究成果審査+面接」で308/350=88%だったということが分かります。
及第点は超えていますが、42点引かれていたのでその理由を考えて、次の面接につなげたいです。
なお、公式ページに配点が記入されていたので取ってきました:

募集

そうそう、コーヒーおごってくれる人募集してます!笑
※情報はないと思ってください。

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