COVID-19ワクチンについてデマを流すためにカナダでのデータが悪用されています。

ワクチン後天性免疫不全症候群(VAIDS)は存在しませんが、COVID-19ワクチン接種後にカナダで蔓延しているという記事やSNSへの投稿があります。これは誤りです;この主張は、予防接種がコロナウイルスのオミクロン株への感染を防ぐ効果が低いという政府のデータを誤って伝えているのであって、ワクチンが免疫系にダメージを与えるということではありません。

「カナダ政府、三種混合ワクチン接種者の74%がVAIDSに罹患していることを認める」と、AFP通信が虚偽と誤解を招く主張を助長しているとして繰り返しファクトチェックしているウェブサイトである《The People's Voice》が2023年10月1日付記事の見出しに書いています。

この報道は、デマサイトThe Exposeが冒頭で次のように書いている別の記事に基づいています: 「カナダ政府のデータは実に恐ろしい。トリプル・ワクチン接種者が《AIDS》を発症し、COVID-19で死亡する確率が非接種者の5.1倍になっていることを示唆している」

➡ここで、「読む価値無し」と判断してもOKではありますがwww。

2023年10月6日付の《The People's Voice》の記事のスクリーンショット
2023年10月6日付の《The Expose》の記事ののスクリーンショット

更に、彼女の主張の記事やスクリーンショットは、RedditTikTokInstagram、Facebookといった複数のプラットフォームで、フランス語も含めて拡散されました。ブレグジット党の政治家Jim Fergusonは、以前はTwitterとして知られていたXでこの主張を強調しました

これらの投稿は、世界中の保健当局が死亡や重病を防ぐために推奨し続けている COVID-19ワクチンに関する誤った情報の氾濫の最新版となっています。

「これらの主張はデマです」とカナダ保健省はAFP通信に電子メールで寄せられた10月5日付の声明で述べています。

後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる慢性疾患です。

カナダ公衆衛生局(PHAC)は10月10日、mRNA接種は免疫反応を引き起こすために生きたウイルスを使用せず、ウイルスベクター接種は「デリバリーシステムとして無害なウイルス(この場合はアデノウイルス)を含む」だけなので、「COVID-19ワクチンがAIDSを引き起こすことはあり得ません」と述べています。

「現在までのところ、COVID-19ワクチンによるAIDSの報告はPHACに提出されていません」、とPHACは電子メールで述べています。

VAIDSとは?

第三者機関の専門家は、VAIDSは実在の病気ではないと述べています。

AFP通信は2021年、《America's Frontline Doctors》というグループが「ワクチン後天性免疫不全症候群(VAIDS)」という言葉をデマ記事に掲載したことを最初に報じています

当時、テキサスA&M医科大学のJason McKnight臨床助教授はAFP通信に対して次のように語っていました:「ワクチン後天性免疫不全症候群やVAIDS等というものは存在しません」

2023年であっても見解は変わりません。

「VAIDSは存在しません」とイーストカロライナ大学のRachel Roper教授(微生物学・免疫学)は10月5日付の電子メールで述べています。

「世界中のあらゆるデータが、COVID-19ワクチンは命を救い、死亡を増加させないことを示しています」

記事はデータを誤って解釈しています

その主張を裏付けるために、論文は、オミクロン変異体が広く出回った2022年1月と2月にカナダで発生したCOVID-19の症例数、入院数、死亡数に関する政府データを分析しました。

カナダのデータが示しているのは、COVID-19ワクチンの有効性は時間の経過とともに低下し、初回接種のオミクロンに対する効果は低いということです。

PHACは2022年1月に発表した声明(アーカイブはこちら)の中で、「2回接種では感染に対する防御効果は低いかもしれませんが、2回接種の一次接種シリーズでは入院に対する防御効果は依然として高いことを示唆しています」と述べています。

「喜ばしいことに、最近のエビデンスによりますと、3回目の接種により、オミクロン変異体による感染と入院の両方に対する予防効果が向上することが示唆されています」

更に最近になって、PHACは10月10日付の電子メールでAFP通信に対し、ワクチンが免疫系を抑制する可能性があるという報告を国際規制当局や他の保健当局から受け取っていないと述べています。

「COVID-19ワクチンは世界中で数十億回接種されており、実世界のデータからは、COVID-19ワクチンを接種した人は接種後に免疫不全に陥ることはないことが強く示唆されています」と、PHACは述べています。

カナダでは、生後6カ月以上の人にmRNA COVID-19ワクチンの一次接種が推奨されています。5歳以上には1回目のブースター接種が推奨されています。

「ブースター接種により、重篤な疾患に対する予防も含め、更なる予防効果が得られます」とカナダ保健省はそのウェブサイト(アーカイブはこちら)で述べています。「しかしながら、予防効果の持続期間は現在の所不明であり、ブースター接種の絶対的な利益は、前回のブースター接種による予防効果の残存と、地域社会における循環性疾患のレベルに依存します」

ワクチンの誤報に関するAFPの報道については、こちらをクリックして下さい。

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