見出し画像

日本は、日本よ!

今朝は、ラジオから、

マイナンバーに他人の情報がひも付いているケースが新たに1000件前後在ることがわかり、さらに、マイナンバーに障がい者手帳をひも付けする作業の約2割にミスが見つかり、中には単純な担当者の作業ミスも在るという。それをもってしても、秋までの総点検で乗り切ろうとする頑迷(固陋)になっている姿勢には驚きを禁じ得ない。……もはや何がデジタル敗戦で、どこを変えたいのかすら解らない。為政者からすれば、とにかく世界におくれをとりたくない、日本は世界に比肩する国家だといいたいのかもしれないが、日本は日本だ。最近は、サミットに全ての照準を合わせるがごとく拙速に決めすぎることが多かったように、私は、感じる。

日本の哲学者・和辻哲郎(1889~1960)が著した『風土』に拠ると、「風土」は単なる自然現象ではなく、その中で人間が自己を見出すところの対象であり、文芸、美術、宗教、風習などあらゆる人間生活の表現が見出される「自己了解」の方法であるという。

この規定を基に和辻は、具体的な研究例として1.モンスーン型2.砂漠型3.牧場型4.ステップ型5.アメリカ型(4、5は後から加えられた)という分類を確立し、それぞれの類型地域における人間と文化のあり方を把握しようとした。

「それぞれの類型地域における人間と文化のあり方を把握しようとした。」和辻のあり方を今の「風土」など無視し、比肩するばかりが目標(目的か?)の為政者にもみてほしい。もやは「和魂洋才」ということばすら枯れ果てているが、否、だからこそ、日本には日本のやり方があって良いのだと、私は、思う。

前回、世界共通の基準(DSMなど)を導入することをある意味合理化する日本の精神医療の流れについて触れたが、日本独自の療法には、1919年に森田生馬により創始された精神療法である森田療法が在るが、森田は薬を使わず、いわば「思考」の形の変容を療法の主軸としている。しかし、現代の精神医療の現場では、やはり、欧米由来の対症療法(≒薬物療法)との融合や欧米由来の薬物療法が中心となっている。それぞれの類型地域における人間と文化のあり方を把握しようとした和辻のように、日本独自の精神医療を展開した森田のように、日本には日本のやり方があって良いのだ、と、私は、考える。

ここまで読んでくださりありがとうございます。今日も「頑張りすぎず」頑張りたいです。では、また、次回。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?