Rock 'n' Roll Suicide

こんにちは。自分の好きな曲を紹介します。

皆さんはDavid Bowieというアーティストの名前を知っている人もいると思います。2016年1月に亡くなった時にはニュースになっていたはずです。

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この人、キャッチーな曲をたくさん作るわけでもないし、楽器がとても得意なわけでもないです。一言で言えば、音楽やファッションで常に時代の先を行き、自分を貫き通すことができたからこそロックスターとして世界に名を轟かせたんだと思います。

今日のnoteの題名になっている「rock 'n' roll suicide」という曲はボウイが1972年にリリースしたアルバム「ジギースターダスト」というアルバムの最後の曲です。

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アルバム自体も素晴らしいのですがその中でもこの曲、とってもいい曲です。タイトルはさておき。ほんっっっっっとにしんどい時に聴くと泣きます。

何故こんなに感動するのか。理由が二つあります。
一つは曲の構成です。ボウイにはありがちなのですが、前半は穏やかにしっとりと歌い後半は時に伸びやかに、時に鬼気迫る声で歌い上げます。恥も外聞をないというほど必死に。ぼくはその構成に感動します。ただ、もちろん構成だけに惹かれているわけではないです。
二つ目は歌詞です。当然ですよね。
じゃあどんな歌詞があるのでしょうか。少しだけ例を紹介しようと思います。

Time takes a cigarette, puts it in your mouth
You pull on your finger, then another finger, then your cigarette
The wall-to-wall is calling, it lingers, then you forget
Ohhh, you're a rock 'n' roll suicide

ほんとうに訳すのが難しいところです。自力ではとても無理。ここのサイトを手がかりに訳を理解しようとしました。 

https://la6cathedrale1engloutie8.hatenablog.com/entry/2018/07/30/233113



平たく言えば、(多分)この人は思いつめている。それでこの人はタバコを吸うんだけど間違えて指を口に入れてしまう。部屋中では呼び声が聞こえる。あぁ、あなたはロックンロールの自殺者だ。

マジで何言ってるんだ!?ってなるんですけど、ここってわりと歌詞の深い中身ってよりも心理描写の一例だと思うんですよね。絶望している時って、夢遊病みたいになると思うんです。無気力で、心ここにあらずみたいな。周りのことなんて全然気にならない。だからこの主人公は、タバコを吸うのに間違えて指を入れる。
考えても無駄だし、考えたところでなんのこれっぽっちも良い方向性になんかにならない。周りはヒステリーになってる。なんか自分のせいにされている。生きてる意味なんて、ないかもしれない。誰も俺のことなんて、必要としない。

これ全部、自分も経験したなあって思うんですよね。この絶望感と、虚無感。だからこそ、自分は深く共感するんです。

ここまでは後ろ向き(と自分が解釈している)んですけど、曲の後半になるとおまえうそだろ!?ってくらい雰囲気が変わります。後半の歌詞、抜粋します。

Don't let the sun blast your shadow
Don't let the milk float ride your mind
You're so natural - religiously unkind

Oh no love! you're not alone
You're watching yourself but you're too unfair
・You got your head all tangled up but if I could only make you care
Oh no love! you're not alone
No matter what or who you've been
No matter when or where you've seen
***All the knives seem to lacerate your brain
I've had my share, I'll help you with the pain
You're not alone **

太字のとこだけ拙く英訳(意訳?)します。
・お前は頭がこんがらがっちゃってる、だからおれにできることはお前を気遣うことだけだ。
*(お前は)周りのものすべてがお前の方向に攻撃してきているように見えている。おれもそういうことがあった、だからその痛みをおれも担う。

ボウイ、このアルバム出した時はまだ25歳。絶望を歌詞にして、その時に思った感性をそのまま豊富な語彙をもってして言葉に表現している。そして前を向き、同じような苦しみを持っている人たちに語りかけている。ちょっと常人じゃないなと思います。

そして彼は繰り返します。

you're not alone.
just turn on with me,you're not alone.
Let's turn on with me and you're not alone
Let's turn on and be not alone
Gimme your hands cause you're wonderful
Gimme your hands cause you're wonderful
Oh gimme your hands.

お前は素晴らしい。だから手を出してくれ。と言える強さ。ここ、本当に泣けます。

一つ目に言った曲の構成、そして二つ目に言ったストレートすぎてもはや眩しいくらいの強いメッセージ。向き合って聴けば聴くほど、この曲に出会ってよかったなと思います。

こんなに長くなっちゃいました。もし興味を持った人がいたら、是非聴いてみてください。

https://youtu.be/9jg4ekLG9Zo

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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