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世界一の美容技術やサービスレベルを誇る日本が、福祉社会における訪問美容ビジネスの世界モデルを築く土壌に/全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)

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NPO法人 全国福祉理美容師養成協会(ふくりび)
理事長 赤木 勝幸

謹んで新春をお祝い申し上げます。
 2020年は、理美容業界にとっても、大きなパラダイムシフトが起こった1年でした。対面接客を基本とする我々の仕事にとって、最もコアとなるサービスとしての会話や接触を、長期にわたり制限された中、厳しい経営判断を余儀なくされた方々も多いと思います。

 大企業で急激に進んだリモートワーク等の新しい働き方は、我々の業界では置き換えが難しいものも多く、特に福祉理美容の対象者となる、高齢者やがん患者などは重症化リスクが最も高いため、介護施設での訪問理美容が一時的に中止されたり、がん患者向けの専門美容室ではサービス利用控えが起こったり、また、病院内での相談会などの立ち入りはいまだ再開できずにおります。

 しかしながら、介護施設等においては、長期面会制限が続く中で、他の訪問型サービスを再開できずにいる状況でも、真っ先に理美容サービスを再開された施設も多く、また、在宅訪問理美容の依頼も増えており、フレイル(虚弱)予防としても改めて理美容の力が持つ価値を感じていただけた1年であったとも言えます。

 そして昨年は、100歳以上人口が初めて8万人を超え、団塊世代が全員70代となりました。第一次ベビーブームと言われる人数の多い団塊世代が一斉に介護が必要な状況になり、介護施設や職員の数が足りなくなり、社会保障費用も急増すると言われています。
人数が多いだけではなく、おしゃれへのニーズや価値観もこれまでの高齢世代とは大きく異なっており、より質の高いサービスを求める世代だとも言えます。

 団塊世代が20歳の時に流行っていたものはミニスカートとパンタロン!
 当たり前のように、今まで美容室やエステサロンでレベルの高いサービスを利用していた方々が福祉理美容の対象者となることで、訪問理美容のサービスレベルやメニュー展開、価格などにも変化が出てくるという見方もあります。

 また、日本人女性の9人に1人が乳がんに罹患するというデータも発表され、抗がん剤治療などにより、髪や肌爪などに悩みを持つ方々も増えています。
 対面での相談や情報提供が制限される中、YouTubeで元SKE48でがん治療経験者である矢方美紀さん出演のアピアランスサポートのレクチャー動画(#あぴサポチャンネル)を配信するサービスを開始、ZOOMなどを使った遠隔地からの医療用ウイッグ製作のカウンセリングも増えています。

 2020年は理美容業界にとってこれまでの当たり前を再考する1年となりましたが、2021年、昨年の学びを糧に、世界一と言われる美容技術やサービスレベルを持つ我々が、高齢者率世界NO.1のわが国で、世界のモデルとなるような高齢化課題の解決の一端を担っていけると信じています。