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プロ用化粧品メーカーの(株)コスメティック・アイーダが自己破産申請

 映画や舞台演劇の特殊メイクでも使用されるプロ用化粧品メーカーの(株)コスメティック・アイーダ(神谷文夫社長)が2月2日(火)、東京地裁に破産申請を提出し、保全管理命令を受けたことが、大手企業リサーチ各社の発表で明らかになった。負債総額は債権者約200人に対し26億1570万円に上るという。

 申請代理人は篠田憲明弁護士(三宅坂総合法律事務所)、保全管理人には嵯峨谷厳弁護士(嵯峨谷法律事務所)が選任された。

 (株)コスメティック・アイーダは、美容メーカーへのOEM生産を行なう他、映画やテレビ、演劇などの特殊メイクを長年手掛けていることから、「見栄えがする」「落としやすい(落ちにくい)」といった機能面でのノウハウの蓄積もあり、この強みを生かして、10年ほど前からナショナルブランドで美容室専売品にも参入。ユニークな商品展開に一定のファンもついていた。

 同社にとって不運は、2011年の東日本大震災で宮城県に構える主要工場が被災したこと。補助金などを得て17年には新工場を立ち上げたものの、そのために多額の負債を抱えていた。ここに新型コロナウイルスの感染拡大の影響で化粧品需要が大きく落ち込んだことが追い打ちとなった。

 私的整理での再建の道を模索していたが、巨額な債務がネックとなって調整がつかず、自己破産の申請となった。今後は保全管理人の下、事業を継続しながら、スポンサーへの事業譲渡を目指すとしている。