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次世代型顧客体験サービスで示す美容業の可能性/タカラベルモント サロンフォーラム 2021
理美容総合メーカーのタカラベルモント(株)(吉川秀隆会長兼社長)は、これからのサロンづくりを提案するオンラインイベント「タカラベルモント サロンフォーラム 2021」を4月5日(月)~9日(金)の5日間限定で配信した。
同社は3月8日(月)~10日(水)に、代理店や業界ジャーナルに向けた2021年の営業戦略の発信として「タカラベルモント セールスフォーラム2021」をオンラインで配信。そこで掲げた内容をサロン関係者向けに再構成し、2部構成でサロン繁栄のヒントを提案した。
第1部の冒頭であいさつに登場した同社・吉川朋秀常務取締役は、「世の中が変わる時にこそチャンスが生まれる」と述べ、コロナ禍における生活者の心の変化により、理美容サロンを取り巻く環境が大きく様変わりしていることを示唆。「変化をしっかり読み取り、新しい価値観でのサロンづくりをお手伝いしていきたい」との姿勢を表した。
創業100周年に向けた取り組みを説明する吉川朋秀常務取締役。
また、今年10月に同社が創業100周年を迎えることにも言及。昨年10月に策定した「美しい人生を、かなえよう。」という新パーパス(企業目的)のもと、事業への取り組みを進める中で、創業100周年の記念事業として9月の開催を予定していた「TWBC(タカラ ワールド ビジネス コングレス)」については中止決定を報告し、「そこで行いたかったことは、別の機会に何らかの形で発信していきたい」との意向を示した。
2021年に取り組むサロンサポートの詳細については、同社マーケティング担当の小笠原紗葵氏が説明を行った。小笠原氏は、同社が例年実施している生活者アンケートのデータから、前年に増して人々の心に「ストレス感」「マンネリ感」など気分の落ち込みが蓄積されていることを指摘。それを解消する消費マインドとして、店舗に出向いての新たな体験価値を求めているとし、さらに気分転換を図る場として、理美容サロンが上位に挙げれているというデータも示した。
その上で、理美容サロンのサービスを非日常体験として設計する「ビューティアクティベーション」を提案。「コース」「ショート(時短)」「ホーム(ケア)」「イベント」「メンテナンス」の5つの組み合わせにより、「お客さま目線でサービス・メニューをつくり上げることが大切なポイント」とヒントを投げ掛け、それを独自に実践しているサロンの事例を映像で紹介した。
ヘアサロンが気分を行動の上位にランキング。
第2部のパネルディスカッションでは、顧客体験型のサービスを展開する異業種経営者とサロン経営者が、顧客体験サービスを設計する着眼点と、体験価値を高める要素について意見を交わし合った。
異業種代表として、国内外に14店舗のフラワーブティックやスクールを展開するフラワーアーティストのニコライ・バーグマン氏が出演。ヘアサロン経営者からは兵庫県で4店舗の美容サロンを経営するPacific Dazzle統括マネージャーの栗本貴也氏、埼玉県で6店舗の美容サロンを展開する(株)ガロ社長の荒木万里子氏が招かれた。
ディスカッションはタカラベルモント(株)執行役員の中尾 裕氏のナビゲートにより進行。各ショップの特徴的な「体験価値サービス」について、顧客に認知されるまでの時間や、そのための工夫など話題を掘り下げ、成功の秘けつを引き出した。
パネルディスカッションの様子。
バーグマン氏は、ショップの象徴である季節の花を箱詰めにした「フラワーボックス」をはじめとするさまざまなサービスについて「サプライズの演出が大事。戦略ではなく、お客さまのために考えたサービスが、結果的に利益に結び付いた」と常に顧客本位の発想から生まれてくると説明。栗本、荒木両氏も「お客さまを飽きさせないよう常に変化があること」「お客さまと一緒になった店づくり、過程を見せること」など、自店の事例と照らし合わせながら、お客さま目線で考えることの大切さについて同調した。