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blog カヒミ カリィ ”小さなカケラ”

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小さなカケラ vol.16 / この頃しみじみと思う「特になし」 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.16 / この頃しみじみと思う「特になし」 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

年が明けてから何度か雪の日が続いて、しばらくの間、窓の外は銀世界が広がっていました。都会は雪が積もるとすぐに除雪しますが、田舎は誰にも踏まれずに残っている場所も多く、そこにまた新しい雪が積もり重なります。

我が家の裏に普段誰も気に留めないような小道があるのですが、その深雪の上には動物達の小さな足跡だけがずっと遠くまで続いていて、庭に置かれた沢山の植木鉢に積もった雪がアイスクリームのようにモコモコ

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小さなカケラ vol.15 / クリスマスツリ-の森で深呼吸 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.15 / クリスマスツリ-の森で深呼吸 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

気付けばもう師走も半ばですね。今年は日本もアメリカも暖冬になりそうだというニュースを聞きましたが、ここペンシルベニア州は先月からどんどん寒くなり、今朝の気温は何とマイナス6度、庭に置いてある小鳥用の水がカチカチに凍っていて驚きました。

昨年は、秋とは思えないような暖かい日が続いた後にガクッと気温が下がる事が何度かあり、庭の植物の中には種を付けるチャンスを逃して枯れてしまったものも結構あったので今

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小さなカケラ vol.14 / 宙へと消えたオッポサム カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.14 / 宙へと消えたオッポサム カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

皆さん、お元気でお過ごしですか?今年も茹だるような猛暑続きの夏でしたが、やっと暑さも和いで秋らしくなってきましたね。こちらランカスターは、昼間はまだ暑くなる事があるものの、朝夕は10度前後まで下がる日が増えてきました。気付けば日も短くなってきて、平日は朝6時に起床するのですが窓の外はまだ真っ暗です。部屋の電気をつけて、起きた気がしないなぁと思いながら寝ぼけ眼で娘のお弁当を作り、そろそろ家を出る7時

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小さなカケラ vol.13 / グラウンドホッグと私 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.13 / グラウンドホッグと私 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

例年にない猛暑が続いていますが、皆さんお元気にしていらっしゃいますか?

こちらもやはり昼間はうだるような暑さですが、夕方になると数十分だけバケツをひっくり返したかのような雨が降る日が多く、日暮になると暑さが段々と和いできます。薄暗い庭に出ると濡れた草の香りがうっすらと漂い、虫の合唱の中でホタルの光がふわふわと飛んでいるのを見かけると1日の疲れが癒されていくようです。昔、浅草で買ってきた吹きガラス

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小さなカケラ vol.12 / 春に三日の晴れ間なし カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.12 / 春に三日の晴れ間なし カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

先日、朝からポカポカと春らしい穏やかなお天気だったので、少し先延ばしにしていた庭の手入れをする事にしました。雑草を取って土を耕したり、冬から小屋で育てていた苗達を外に出したり、植木鉢の整理をしたりなどしていたらあっという間に時間が経ち、気付けばもう娘を迎えに行く時間です。
午後になって気温はまた上がり、早足で歩いているとうっすら汗をかくほどに。今年初めての麦わら帽子をかぶり、タンポポでいっぱいの帰

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小さなカケラ vol.11 / うとうと春の朝寝坊 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.11 / うとうと春の朝寝坊 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

皆さんお元気にしていらっしゃいますか?
長い冬もやっと一段落して少しずつ春の萌しを感じられるようになってきましたね! 肌寒い日はまだ続いているものの、このところ朝の日差しや鳥のさえずりが心地良いからか、グッスリと眠れて夜が明けてもついウトウトとしてしまいます。
今年は春の訪れが特別貴重に感じて、道端で小さな芽や蕾を見つける度に何だかホッとした気持ちになっています。
今冬、アメリカでは一世代に一度と

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小さなカケラ vol.10 / 新しい朝、芳しい菊の香りと共に身体のストレッチ カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.10 / 新しい朝、芳しい菊の香りと共に身体のストレッチ カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

新春とは名ばかりの厳しい寒さが続いていますが、皆さんお元気にしていますか?年も改まり、お仕事や勉強にも新たな気持ちで精進されておられる事と思います!

アメリカは年明け早々に仕事や学校が始まってしまったのですが、我が家は簡単なお節やお雑煮を用意したりのんびり書き初めなどをして、日本らしいお正月を満喫しました。引越をしてから、少し遠くのアジア系食材店まで足を伸ばさないと和食材が手に入らなくなったので

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小さなカケラ vol.9 / 師走の空とカラス達 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.9 / 師走の空とカラス達 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

年の瀬も押し迫り寒さが本格的になってきましたが、いかがお過ごしですか?

先日、鳥の声が騒がしいなと思って外に出てみると、空に今まで見たことがないくらい沢山のカラスが一斉に飛んでいて驚きました。遠くに見える木の枝々を良く見ると、葉々だと思っていた影は全てカラスで所狭しと並んでいます。

不思議に思って調べてみると、この時期になるとカラスは集団となって一つの寝ぐらを共有するのだそう。多くは数百羽から

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小さなカケラ vol.8 / そろそろ枯葉の下で冬支度 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.8 / そろそろ枯葉の下で冬支度 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

皆さん、お元気にしていらっしゃいますか?
 

ペンシルベニアはすっかり秋も深まり、朝夕は息がうっすら白くなることも。日差しはまだ暖かいけれど、じわじわと冬の気配を感じる今日この頃です。

アメリカはこの季節になると、家々の玄関先にハロウィンの大きなカボチャやクリサンテマムという可愛らしい小菊を飾る習慣があります。街路は秋風に吹かれ飛んできた赤や黄色の枯葉が何層にも重なり、まるで絨毯のよう。早朝に

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小さなカケラ vol.7 / 秋は新しい春への種まきの季節 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.7 / 秋は新しい春への種まきの季節 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

長いと思っていた夏も過ぎてみるとあっという間に感じます。

今年の夏はとても久し振りに帰省して、家族や親友達と大切な時間を過ごす事ができました。

気付けば海外暮らしも長くなって、フランスに住んでいた時期を含めると約20年になるのですが、3年間も帰省出来なかったのは初めてだったので、飛行機から降りた瞬間から嬉しさに胸がドキドキするほどでした。

こんなに長く離れていると、頭の中にしっかり入っていた

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小さなカケラ vol.6 / 種の不思議 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.6 / 種の不思議 カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

庭のジギタリスが最近、種を付け始めました。
ジギタリスの英名はFoxglove(フォックスグローブ)、
その由来は妖精がキツネにジキタリスの花を
手袋として贈ったというお伽話からだそう。

春から夏にかけて草丈が1mを超えるので存在感がありつつ、
どこか可憐で素朴な雰囲気もあって大好きな花です。

初めてその種を植えたのは一昨年の秋でした。

ジギタリスは種を蒔いてから翌々年にやっと花を咲かせる

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小さなカケラ vol.5 / お引越とティンカーベル カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.5 / お引越とティンカーベル カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

無事にお引越が終わり、同時に娘の夏休みもスタートしました!
まさに猫の手も借りたい数週間で、段ボールの山に囲まれながら荷ほどきや家具の移動などで慌ただしく過ごしていました。アメリカの家事情は日本と違うところが多く、お引越をするたびに面白いなと思うので、今回はそのお話をしますね!

まず、引越の度に毎回思うのは壁のことです。日本では壁紙が使われている物件が多くて、引越し時に不動産屋さんが張り替えの手

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小さなカケラ vol.4 /  引越と呑気なグラウンドホグ カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.4 / 引越と呑気なグラウンドホグ カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

つい先日までジャケットを重ねないと肌寒いくらいだったのに、先週から日差しが暑くなり、Tシャツ一枚でも汗をかきそうなほど急に夏らしくなってきました。

やっと長い冬が終わって春がきた!と喜んでいたのも束の間、あと2週間ほどで娘の長い夏休みが始まります。季節の移り変わりがとても早く感じるのは、やはり歳のせいでしょうか。子供の頃は1週間がとても長くて退屈だったなぁと思い、なんだかあの頃の時の流れを懐かし

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小さなカケラ vol.3 / ユキヤナギのバスケット カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

小さなカケラ vol.3 / ユキヤナギのバスケット カヒミ カリィ_ミュージシャン、文筆家

零下が続く長い冬もやっと終わり、あちらこちらで植物が芽吹く姿を見かけるようになりました。娘の学校は家から徒歩で15分ほど。朝夕とも、学校へ向かう時は急いでいて辺りを眺める余裕がないのですが、家へ戻る道はその分じっくりと、道端の植物を観察しながらノンビリ歩くのが毎日の楽しみです。

特にこの季節は成長振りに目が離せません。数週間前、クロッカスやスノードロップ、ヒヤシンスなどの芽が、土中からニョキニョ

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