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英語に似ていないドイツ語単語【3】

こんにちは!
今回は、「闘う」というドイツ語の単語を見ていきたいと思います。

Kampf 【戦い、闘い、格闘、競技】

こちらの単語に相当する英語は「battle」や「fight」ですが、全然形が違いますね。

Kから始まっているのでゲルマン系の単語かと思いきや、
実はこの単語はラテン語の「campus」から来ています。

そのため、英語の「campus」や「camp」「campaign」と語源的に関係があるということです。

確かに、「Kampf」と「camp」は形がよく似ていますよね。

「campaign」まで来ると、「戦い」という意味があるのも納得。

ラテン語の「campus」は「野原」という意味ですが、そこから「戦場」という意味が出てきました。

ドイツ語の「Kampf」は、もともと「決闘」という意味の「campus」から出て来たそうです。

ちなみに、英語の「battle」「fight」を見ていくと、
battleはフランス語「bataille」に由来し、これも元々は「フェンシングの練習」という意味のラテン語「battuālia」から来ています。

こん棒や野球のバットを表す「bat」や「combat(戦闘)」もこれらの単語と関係しています。

一方で「fight」ですが、これと語源的に関係しているドイツ語は存在しており、「fechten」がこれに当たります。

今、ちょうど「フェンシング」の話が出て来たところですが、
この「fechten」はまさに「フェンシングをする」という意味の動詞です。

この「fechten」にも「戦う」という意味はありますが、「kämpfen(Kampfの動詞形)」とは違い本当に刀や武器を持って「戦う」方の意味になります。

この「fechten」の名詞形は「Gefecht」なので、これが「fight(名詞)」と語源的に対応する単語と言えるかもしれません。

ドイツ語の「ch」と英語の「gh」の対応もここに見られますね。

なお、「戦い」というとドイツ語には他にも「Schlacht」という単語があります。

この単語は「殺害、撲殺、虐殺」という、おどろおどろしい意味を持つ昔のドイツ語「slahta」から来ています。

この殺伐とした意味と、「ch=gh」の対応を見ると、思い浮かぶ英単語は

「slaughter(畜殺)」(名詞、動詞)

です。意味の上で対応しているドイツ語単語は、Schlachtととても形が似ている「Schlachtung(名詞)」や「schlachten(動詞)」です。

「slaughter」は古ノルド語由来なので、「Schlacht」と直接の関係にあるわけではないですが、同じゲルマンの遠い親戚と言うことはできそうです。

なお、slaughterと関わりのある英語の動詞「slay」はドイツ語の「schlagen」と語源的に関係があります。

「schlagen」は「打つ」という意味で今では使われていますから、「battle」の語源に「打つ」という言葉があるのとも似ていますね。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

Bild von Ryan McGuire auf Pixabay


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