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外国語の学び方

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外国語に興味のある方、外国語の勉強法について悩んでいる方に対して、耳よりな情報を紹介しています。
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#ドイツ語

【ドイツ語】前置詞「auf」いろいろ

今回はドイツ語の前置詞「auf」の色々な意味を見ていきたいと思います。 はじめに「auf」は、語源の上では英語の「up」に相当します。 ドイツ語の方言に「uf」(ウーフ)という言い方が残っているように、昔は「au」の二重母音は「u」という長母音でした。 「uf」のほうが「up」に似ていますよね。 英語の「up」も「up the stairs」のように前置詞として使うときはありますが、どちらかというと副詞のイメージですね。 ここが英語とドイツ語の、似ているけれどズレている

【ドイツ語】steigen ≠「登る」

こんにちは! 「steigen」というドイツ語の動詞を「登る」という意味で覚えている人、多いのではないでしょうか? 僕もその1人です。 ですが、これは「steigen」の持つ意味の一部しか表していないんです。 「steigen」の意味は、「高低差のある場所を移動する」です。 つまり、「低いところから高いところに移動する」と、「高いところから低いところに移動する」の両方を表す動詞なのです。 基本動詞の1つですが、日本語にはない概念を表す動詞なのです。 「山(Berg)

ドイツ語学習者が古英語を覗いてみると

仮定法をきっかけに英語史に興味を持ち始めました。 今回の記事は「英語史入門」(橋本功著、2005年)の受け売りです。 ドイツ語学習者として興味を持ったのは古英語(西暦700~1100年)です。 古英語は複雑な語形変化を持っており、ドイツ語との類似点が多いためです。 英語を今のイギリスにもたらしたアングロ・サクソン人の故郷が今のドイツのシュレスヴィヒとホルシュタインなので、似ているのもうなずけます。 本来なら比較するドイツ語の方も同時代のものとすべきですが、今回は現代ド

曖昧な英語

それぞれの言語に分かりにくい文はありますが、仕事柄英語に触れる機会が多いため、英語を読んでいて「ん?どっちだ?」となることが多々あります。 その多くは、コンマの有無(恐らく英文法的には不要だけれど、あった方が格段に読みやすい)や、性の不存在と言うものが原因ではないか、と思います。 英語はフランス語やドイツ語に比べてかなり単純化された言語です。 だからこそ、色々な解釈の可能性が出てきて、複雑な文になればなるほど、意味が一つに定まらないことも多いです。 ですが、ここではごく

ドイツ語を学んだ人が初めて学ぶ英語

こんにちは。 今回紹介したい言語は「英語」という言語です。 皆さんが学ばれてきたドイツ語と親戚関係にある言語ですが、どのように違うのか、見ていきたいと思います。 英語はドイツ語ととても近しい関係にありますが、 ドイツ語と大きな違いがあります。 それは、「格」と「性」がないということです。 厳密にはドイツ語の1格、2格に相当する2つの格がありますが、 2格は単純に名詞の後に「's」という形を使うだけで、名詞一つひとつについて覚える必要がありません。 3格と4格は、名

画像的なドイツ語、映像的な日本語

こんにちは! 投稿の間がとても空いてしまい、失礼いたしました。 今回は、ドイツ語を学ぶ際によく感じることを書こうと思います。 誰かから聞いて、私もよく思うことですが、 日本語では「~になる」というように、変化の過程に注目する表現が多いのに対し、 ドイツ語にはそういう表現はあまり使われません。 文法的に可能だとしてもです。 分かりやすい例は、「信号」でしょうか。 私がずーっと「これドイツ語でどう言うんだろう」と思っていた表現が、 「信号が赤に変わった」です。 ドイ

単語を覚える

このテーマでもう既に何回か記事を書いていますが、今回も改めて。 語学学習において単語学習は避けて通れないものですが、 単語ってなかなか覚えられなかったりしますよね。 私も受験生時代は英単語を覚えるのが本当に苦手でした。 その後もそうでしたが。 ただ、その後に学んだ韓国語やドイツ語では、 意外と早く覚えることができました。 もちろん、今でもなかなか覚えにくい単語や表現はありますが。 違いは何だろう?と思ったのですが、 恐らく、「自分事として見ているかどうか」なのかなと。

文法について

以前も文法について書いたのですが、今回も少し。 最近は、文法については殆ど考えなくなりました。 以前は、文法書を読んだり問題集を解いたりするのが大好きだったので、「文法は大事」と考えていたのですが、 今は、「ネイティブが使うのを見よう見まねで覚えれば良いかな」という心境です。 いちいち文法で説明しようとすると腑に落ちないことがあるし、極論、「こういう使い方すればネイティブには伝わるんだな」と思えば自分の中で納得してしまうからです。 昔から分析系より暗記科目の方が得意だ

語学上達のカギは自己評価

イギリスに行くと、何故か毎回緊張する。 それは、飛行機を降りてボーディング・ブリッジを渡るときから始まる。 目に入る広告や看板、そのすべてが英語の1言語表記だからだ。 イギリスなんだから何を、と思うかもしれない。 だが、英語を公用語としない国では、その国の公用語に加えて英語、更にはもう1つ外国語を書き添える場合が一般的だ。 仮にその地の公用語を話せなくても、英語が話せる。 相手もネイティブではないから、ブロークンはお互い様。 多少の発音の悪さや文法の間違いも見逃して

【英語】句動詞の考え方

僕はドイツ語の方に重点を置いているのですが、最近は英語の方をよく勉強しています。 英語には「句動詞(phrasal verb)」と呼ばれる動詞があります。学校英語では「熟語」と呼ばれるものの中に含まれることが多いです。 look afterとか、pull outのように、動詞と前置詞/副詞から成り立った動詞のことです。 英語とドイツ語は兄弟の関係にあるため、ドイツ語にもこの「句動詞」に近い表現があります。 「分離動詞(trennbares Verb)」と呼ばれるもので

【語学】間違えてこそ学ぶ

僕は元々がとてもネガティブ思考な人間なので、思い出も良いことよりも悪いことの方を長く強く覚えてしまいがちです。 でも、こういう自分の性格が、却って役に立つこともあるんだなと思うことがあります。 それは、語学の勉強です。 語学に限らず、何を勉強するにしても言えることかもしれないのですが、自分の知識や能力の至らない点を一番分かりやすく伝えてくれるのが、「失敗体験」です。恥ずかしい間違い、悔しい失敗をすることですね。 むしろ、成功体験よりも、失敗体験の方が、後まで長く記憶に

DeepLを用いた語学学習

こんにちは! 自動翻訳サイトの質はますます上がっており、特に「DeepL」の質は非常に高いです。訳出される文章も、そのまま訳として利用できるレベルのものがあります。 知らない言語で記事を読めるようになったのもDeepLの大きな恩恵です。「読めるだけの語学力が欲しい」と思っていた言語については、労力と時間の大幅なコストダウンに繋がっていると感じます。DeepLが無ければ、一体、僕がロシア語のニュースを読むことができる日はいつ来たのだろう…。 「DeepL」の良いところは、

語学の中の「アハ体験」

こんにちは! 今回は、以前書いていた「英語に似ているドイツ語」「日本語に似ているドイツ語」の続きで、ドイツ語を勉強しているときに出会い、個人的に「なるほど、そうだったのか!」と思った単語を書いていこうと思います。 英語の場合は何故かピンと来ないのに、ドイツ語で意味を覚えると「あー、そういうことだったのか!」と思う単語は意外とよくあります。それは、もしかすると、英語がカタカナ語として日本語に定着してしまい、その元々の意味をあまり考えなくなっているからなのかもしれません。 ち

私の外国語読書の最終的な目標

こんにちは! 今回は、語学学習の中での「リーディング」に関して、僕が立てている最終的な目標について記事を書こうと思います。 僕の理想としている最終的な目標は、「縁側に寝そべりながら洋書が読めるレベルに達する」です。 別に縁側である必要はなく、ソファーや喫茶店など、どこかリラックスできる場所で構いません。 10年以上前、まだ僕が大学生だった頃に読んだ、ラテン語とギリシャ語についての本に書いてあったエピソードを、うろ覚えながら記憶しています。 京都大学の学生(だったはず)