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外国語の学び方

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外国語に興味のある方、外国語の勉強法について悩んでいる方に対して、耳よりな情報を紹介しています。
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#英語学習

【英語】「as such」≒「therefore」?

「as such」という表現を私の電子辞書にあるジーニアス英和大辞典で引くと (1)そういうものとして、それなりに (2)それ自体で(は)【主に否定文】 (3)厳密な意味での;というような御大層な代物【主に否定文】 という意味が並びます。 例えば、 というように、「such」は前に出てきた名詞を受ける形で使われます(この場合は「practical nurse」)。 これが学校英語で学ぶ範囲ですし、実際オックスフォード英英やケンブリッジ英英、コリンズ英英などを見ても、大

【英語】曖昧母音の勉強を曖昧にしない

英語の発音を再勉強している中で、「え!この単語、こうやって発音するの?」とびっくりするものはたくさんあります。 そしてその多くは、曖昧に発音される母音にあります。 ずばり、「ə」と「ɪ」です。 「e」を上下逆さにした「ə」は「曖昧母音」と呼び、この文字の名前が「シュワ」と言うので、この曖昧母音自体も「シュワ」と呼ばれたりします。 唇や舌をある特定の形や位置に動かす必要なく、完全にリラックスさせた状態で発音する音で、「ア」とも「エ」ともつかない音です。 一方の「ɪ」は

【英語】インフルエンザと「the flu」

こんにちは! 今、日本でも、私の住んでいるドイツでも、コロナやインフルエンザがとても流行っています。コロナ禍が一応の終りを迎え、人の往来が再び増えている中、病気の往来も増えてきています。皆様もどうぞご自愛ください。 最近英語の冠詞について、もう一度勉強しています。 冠詞に関して、以前、次の2つの本にとても感銘を受けました。 ただ、最近英語史関連の本、つまりは英語の専門家の本を読んでから改めてこの本を読んでみると、「ん?」と思う場所がいくつか見られます。 全体的には読みや

【英文法】sheepの複数形は?

皆さんに質問です。 「1頭の羊」は「a sheep」。 では「3頭の羊」は何というでしょう? 「1匹の魚」は「a fish」。 では「5匹の魚」は何というでしょう? 「sheep」や「fish」に複数形はないと習ったのは私だけでしょうか? 何でも、群れをつくる生き物には単数と複数の概念がない?とか何とか。 ※※※ さて、冒頭の質問の答えです。 「3頭の羊」は「three sheep」。 「5匹の魚」は「five fish」。 何だ、やっぱり複数形はないじゃないか

【英語】定冠詞のキホン(1)

英語の定冠詞には色々な使い方があります。 この記事ではその中でも特に重要な2つの使い方を紹介します。 ずばり、 「同じものの中で、ある特定のものを際立たせる」 「異なるものの中で、ある特定のものを際立たせる」 です。 ここから先は「the orange」という言葉を例にして、それぞれの使い方を順に見ていきたいと思います。 ①同じものの中での特定1つ目は、「同じものの中で、どれか特定のものを際立たせる」です。 上のように、たくさんのオレンジがある場面を想像します。 実際

ドイツ語学習者が古英語を覗いてみると

仮定法をきっかけに英語史に興味を持ち始めました。 今回の記事は「英語史入門」(橋本功著、2005年)の受け売りです。 ドイツ語学習者として興味を持ったのは古英語(西暦700~1100年)です。 古英語は複雑な語形変化を持っており、ドイツ語との類似点が多いためです。 英語を今のイギリスにもたらしたアングロ・サクソン人の故郷が今のドイツのシュレスヴィヒとホルシュタインなので、似ているのもうなずけます。 本来なら比較するドイツ語の方も同時代のものとすべきですが、今回は現代ド

【英語】「名詞の複数形+名詞」の正体

英語で複合名詞、つまり「名詞+名詞」等のような組み合わせを作る時、原則として最初の名詞は単数形を使います。 tennis court teamwork shoelace trouser press 上のように、複合語は単語によって分かち書きしたり一緒に書いたりします。また、普段はペア扱いで複数形を使う名詞(shoeやtrouser)も、1番目に来た時には単数形を使います。 ちなみに、英語の複合名詞の作り方(品詞の組み合わせ)はた~くさんあるのですが、今回は「名詞

英語は簡単と言うけれど

新年明けましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いします。 僕のNoteでは、ドイツ語を中心に、英語を含むその他のいくつかの言語に関してあれこれ理屈っぽい記事を多く投稿しています。 語学は感覚と理論のバランスが大事だと思うのですが、 理屈っぽく考えたくなる癖は治らないと諦める年齢になりました(笑)。 主に、難しいと言われているドイツ語について「実は難しいばかりではありませんよ」という記事を書いたり、 逆に、簡単と言われる英語について「実はそうでもありませ

「順接の『が』」と語学学習

「順接の『が』」とは、 ①昨日大阪に行ってきたんですが、凄い人でしたよ。 ②折り入ってお話したいことがあるのですが、今お時間宜しいでしょうか? ③お忙しいところ恐縮ですが、暫くお待ちいただけますでしょうか。 など、前段と相反する内容が後に来ない「が」のことです。 ちなみに英語では③を除き、順接の「が」の訳に「but」は使えません。 (なお、③で使える「I'm sorry, but…」の「but」は逆接の「but」とは別のもののようです。) この「順接の『が』」、文章では

冠詞攻略の道は長い

語学学習の最初に習うのに、最後まで攻略できない壁。 日本語学習者にとってそれが高低アクセントだとしたら、日本人が英語やドイツ語を学ぶときの壁は「冠詞」ではないでしょうか。 冠詞は、単に不定冠詞と定冠詞という冠詞だけの話にとどまるものではなく、「無冠詞(冠詞をつけない表現)」や「数(単数・複数)」の問題にも広がるので、なかなか厄介です。 しかも、色々な説明はあるけれど、結局のところ「感覚」が占めている部分が多いので難しいのです。 英語の冠詞について書かれている本をこれま

【語学】たかが構文解析、されど構文解析

 日本の英語教育は、読解に重点が置かれています。そして、読解をスムーズにするために、詳しく文法事項を学んだり、5文型を学んだり、構文解析をしっかりやったりします。  しかし、僕が学んでいる言語のうち、構文解析を丁寧にすることができる言語は、英語しかありません。  それでも、今では英語よりもドイツ語の方が得意です。  では、ドイツ語はどのように学んだかというと、一つひとつの文法項目を、何度も練習問題を解いたり声に出したりして、身体に慣れさせていったのです。  その時、構

【語学】語学は現地で学ぶべきか?

「学びたい言語の母語話者が住む国で言語を学ぶべきか」というテーマはよく耳にするものだと思いますが、個人的には「行けるなら絶対に行ったほうが良い」と思います。  ただここにも落とし穴があって、「その国に行けばみんな語学が上達する」というのは正しくありません。実際、ドイツに何十年も住んでいるけれどドイツ語が一向にうまくならない、という人は少なくありませんし、留学したからと言って必ずしも語学が上達するとは限りません。  ただ、その国に行くことで、「語学の上達スピードを速める機会

発音について

外国語の発音が上手に越したことはない。 だけれども、発音が通じないのではと恐れるあまり喋れなくなるのは一番良くない。 たまに、外国語なんてブロークンで言い、発音が悪くても、単語を並べるだけでも、相手に通じれば良いんだ、と言うことを耳にすることがあるが、自分はそうは思わない。 日本語を話す外国人と会話したことのある人なら経験があるかもしれないが、クセのある発音はネイティブ側が「これはこう言いたいのかな?」と一つひとつ考えながら自分の頭の中で音を調整している。 つまり、ネ

英語をアンインストールしたい

こんにちは。 もうすぐ32になるのですが、英語を勉強し始めて実に19年が経とうとしています。あと少しで英語20周年ですね。恐ろしい。 英語は20年という時間の長さに比して、実際の英語力は遅々として向上しません。本当にどうしようもない。もう、アンインストールしたいくらい。 というのも、僕が「使える外国語」を身に着けるために行ったアプローチが、受験勉強までに学んだ英語のアプローチと大きく異なったためです。 何が違ったのでしょうか? まず第一に「発音」です。これは本当に強