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【助産師解説】仕事復帰、母乳はあげたい! 夜間授乳のコツと昼間の工夫

仕事と母乳育児の両立は、復帰するママが抱える不安のひとつだと思います。
仕事復帰しても母乳育児を続けたいママに、コツや起こる可能性のあるトラブルや対処法を説明します。


仕事復帰後の母乳育児のメリット・デメリット

まずは、母乳育児を続けるにあたってのメリット・デメリットと対策をお伝えします。

仕事復帰後の母乳育児のメリット

母乳育児のメリットは、たくさんあります。

①栄養補給
ママの免疫がたっぷりな母乳は、赤ちゃんを風邪や胃腸炎などから守ります。保育園で集団生活が始まると、風邪や胃腸炎が流行ったりすることもあるので、大きなメリットといえるでしょう。
また、離乳食が確立していない赤ちゃんでは、母乳は必要なカロリーやタンパク質などの栄養素をとる手段になりますね。

②ママと赤ちゃんのスキンシップ
授乳は赤ちゃんとママの身体が密着するので、自然にスキンシップの時間がとれます。ママも赤ちゃんも環境の変化でストレスを感じることと思いますが、癒しの時間になるでしょう。

③精神的な安定
授乳中に赤ちゃんと触れ合ったり、目で見つめあったり、乳首を吸われることによりオキシトシンというホルモンが活性化されます。
このホルモンの作用により、ママは安らいだり、幸せを感じたり、満たされた気分になるといわれれいます。仕事復帰後、環境に変化によりストレスを強く感じることもあるでしょうから、オキシトシンを味方にするのも良いでしょう。

仕事復帰後の母乳育児のデメリット

デメリットまでとはいきませんが、仕事と母乳育児の両立に悩むママが多いので、どのようなことが起こるかと対処法を紹介していきます。

自分の時間が減る
ミルクであれば、哺乳瓶を持って1人で飲めるようになる子もいますが、授乳は赤ちゃん1人ではできません。
ママも家事などの手を止めて授乳する時間をとる必要があります。
周囲の人を頼ったり、時短の家電なども頼って授乳の時間が負担なくつくれると良いですね。

乳腺炎のリスク
授乳を続ける限り、乳腺炎のリスクがあります。
熱が出たり、おっぱいが痛かったりすると、仕事に影響が出てしまうこともあるかもしれません。特に、復帰後は急に授乳の回数が減る可能性があります。
復帰前から、お昼の授乳回数を徐々に減らしたり、復帰後2-3日は搾乳などのセルフケアを行うと良いです。

寝不足になる
夜中の授乳が癖になっていると、仕事復帰後は昼寝ができず寝不足になる可能性があります。寝かしつけに授乳をしていると、夜中に目が覚めたり、睡眠が浅くなったタイミングで頻回に授乳を求めることがあります。
ママが辛ければ、夜中の授乳の時間を決めたり、寝かしつけの方法を見直してから復帰されると良いと思います。

仕事復帰後の母乳育児の続け方

仕事復帰後、どのように母乳育児を続けていけば良いかを説明していきます。
基本的には、仕事中のみ母乳があげられないだけで、仕事以外の時間や休日はママが辛くなければ、いつでも母乳を与えて良いのは変わりません。

昼間ミルクで夜母乳だけの場合

母乳は、出した分だけ生産されるようになっています。
仕事に復帰すると、昼間の授乳はできません。
最初はパンパンに張ることがあると思いますが、徐々に昼間の生産量が少なくなり落ち着いてきますが、少し搾乳すると楽になります。

昼間も母乳をあげる場合

赤ちゃんを預ける保育園によりますが、冷凍母乳を飲ませてもらえる保育園があります。
仕事の合間や家で搾乳した母乳を、母乳パックに入れて冷凍保存して保育園に持っていきます。赤ちゃんに、母乳中心の育児をしたいママにはおすすめの方法です。
日中も搾乳できれば、乳腺炎のリスクも減らせます。
しかし、母乳パックのコストがかかることや冷凍の母乳パックを溶かさないように保育園に届ける手間、搾乳する手間などデメリットとなります。
赤ちゃんにミルクを使えない場合を除いては無理せず、ママの体調やお気持ちを優先させてくださいね。

搾乳の方法

仕事復帰後、授乳の回数が減ることで乳腺炎になるリスクがあります。
おっぱいが張って辛い時や痛い時、熱を持ってる時は搾乳するのもひとつの手です。
先程、説明した冷凍母を準備する場合は搾乳することは絶対に必要です。搾乳方法は手でする方法と器械を使う方法があります。

手で搾乳する

手で搾乳する場合の方法を説明します。
おっぱいがパンパンに張ってる時は、ほぐしてから搾乳しましょう。まず、親指と人差し指で英語のCの文字を作ります。
親指と人差し指の腹を乳輪に当てます。力は入れずに、優しく背中の方へ押し当ててください。2.3回ほぐしたら、向きや位置を変えて同じようにほぐします。この時、母乳を出そうとしないでください。
自然に母乳が溢れてきて、徐々にむくみがとれていきます。
パンパンだったおっぱいに指が入るようになってきたら、次は親指と人差し指をくっつけるような向きでおっぱいを圧迫しましょう。
この時に、指がおっぱいの皮膚を擦らないように注意してください。
指の位置は変えずに、圧迫するだけです。力は必要ありませんよ。

搾乳機で搾乳する

搾乳機には、電動と手動があります。
電動は、手動よりもコストがかかりますが、ママの負担が減ります。
Wポンプで両方のおっぱいを同時に搾乳できるので、搾乳にかかる時間は半分になります。手動は安価で軽量で持ち運びも楽にできます。
搾乳の回数や期間が長くなる場合は腱鞘炎になることもあります。
搾乳機を使うと、母乳が出づらいママもいます。その場合は、手搾りがおすすめです。

搾乳した母乳の保存方法

冷凍保存の場合は、搾乳した母乳は母乳パックに入れて、冷凍庫へ入れましょう。冷凍保存した母乳は、3ヶ月の保存が可能といわれていますが、家庭用の冷凍庫は開閉が頻回で温度が変化しやすいため、なるべく早く使用するようにしましょう。長くても1ヶ月以内に使いきるのが安全です。

解凍する時には、電子レンジは使わず、冷蔵庫で解凍するか流水で溶かして解凍しましょう。解凍した母乳は、お湯で湯煎して温めてから飲ませます。
冷蔵保存の場合は、搾乳した哺乳瓶にラップや乳首+キャップをするなどして清潔にに冷蔵庫へ入れましょう。
24時間以内に飲ませるようにしてください。この時も、湯煎で温めてから飲ませてあげましょう。

夜母乳だけの場合のよくあるトラブルと対処法

職場を復帰するにあたり、授乳を夜だけにすることによって、起こる可能性のあるトラブルと対処法を説明します。

乳房の張りすぎ

日中、母乳を与えなくなったことにより、おっぱいがパンパンに張ってくることがあります。特に、数日は張りやすいです。
日中、母乳を出さないことに慣れれば、母乳の分泌が減ってくるので徐々に落ち着いてきますが、母乳を貯めることで乳腺炎になるリスクがあります。
熱感や痛みがあったりする場合は、少し楽になる程度まで搾乳をしましょう。

ママの睡眠不足

夜中の授乳が癖になっていると、夜中に頻回に授乳を求められることがあります。仕事復帰後も夜中の授乳を継続することで寝不足になる可能性があります。

母乳育児を含めた仕事復帰に向けての準備

今までとは異なる環境で仕事復帰するので、不安があると思いますが復帰前にしておくと良い準備を説明します。

職場との話し合い

働き方について、職場と予め確認しましょう。
コロナ禍で、在宅ワークできる企業が増えましたね。とはいえ、出社が必要な場合も多いです。
復帰後、負担なく母乳育児を継続するために職場に搾乳の必要性を伝えておくと良いでしょう。乳腺炎などのトラブルを防ぐために搾乳をする必要があることを知らない人もいます。母乳を保存したい場合は職場の冷蔵庫や冷凍庫が使用できるかの確認もしておきましょう。

家族との話し合い(家事、育児の分担について)

仕事へ行く時間や帰ってくる時間などを考慮して、夫婦が1番ストレスなく仕事が続けられるように家事や育児を分担しましょう。どちらか片方だけに負担がかかることがないようにしましょう。

仕事と育児の両立の心構

赤ちゃんのお世話をしながら、以前と同じように働けないのは当然のことです。
そして、育児も家事も仕事復帰前にと同じようにはできません。
手を抜いたり、楽できる時は楽をして、頼れる人をたくさん頼りましょう。

仕事復帰に伴う夜だけ母乳に困ったら専門家に相談を

仕事復帰にあたって起こるおっぱいのトラブルに困った時は、早めに助産師に相談しましょう。ママの希望する形で母乳育児が継続できるように支援してくれますよ。
家の近くに助産師に聞ける場所がない、忙しいのでオンラインで相談したい、そんな場合は、24時間助産師にLINE相談ができるジョサンシーズのベーシックプラン活用や、いざという時に心強い低月齢ベビーシッタープランをご活用ください。

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