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【助産師解説】母乳を増やす方法9選! 母乳不足の赤ちゃんのサインも解説

大体のママは妊娠中から、完全母乳や母乳中心の育児がしたいなど、赤ちゃんの栄養方法を決めている方が多いです。今回は、思い描いていた授乳ができないママや母乳育児がなかなか軌道に乗らないママに向けて、母乳が増えるコツをお伝えしていきます。


母乳不足の原因

母乳不足の原因は様々で、必ずしも原因がわかるわけではありません。
これから説明するのは、よくある母乳分泌が低下しやすい原因です。

①分娩時の状況:
出血が多かったり、癒着胎盤などで胎盤が子宮内に残っているケースでは母乳分泌が遅れることがあります。

②授乳間隔:
5時間以上の授乳間隔があくとおっぱいに母乳が貯まっている時間が長くなり分泌が低下してしまいます。頻回授乳または、搾乳を取り入れて、母乳が貯まらないようにしましょう。1日に8回以上の授乳ができると良いでしょう。

③吸啜ができていない:
授乳の姿勢が悪かったり、赤ちゃんが傾眠傾向であったりと理由は様々ですが、上手に乳首を咥えられていないと母乳育児に必要不可欠であるオキシトシンとプロラクチンの分泌も少なくなってしまいます。上手に吸啜ができないと母乳が出ないため、母乳が貯まってしまい分泌が減ってしまいます。

④疲労やストレス:
慣れない育児での疲労や寝不足などが原因になることもあります。リラックスして息抜きをしたり、横になって休む時間も作りましょう。

⑤食事制限:
出産後に早く体重を戻そうとダイエットを始めてしまうと母乳が出なくなってしまうことがあります。

母乳分泌の仕組み

妊娠中から、母乳を作る準備は始まっていますが、プロゲステロンとエストロゲンという妊娠継続に必要なホルモンによって母乳の分泌は抑制されています。
出産後にプロゲステロンとエストロゲンは急激に低下していきます。

そして、赤ちゃんがおっぱいを吸うことでプロラクチンという母乳をつくるホルモンが活発になり、母乳がつくられます。

最初は、母乳がでなくても「赤ちゃんがおっぱいを吸う」ということを繰り返すことにより、母乳の分泌が促されていきます。

また、赤ちゃんがおっぱいを吸うことでオキシトシンというホルモンも活発になります。オキシトシンは、作られた母乳を出す役割があります。

つまり、赤ちゃんに頻回に授乳をすることが母乳を増やす秘訣になります。

母乳不足のときの赤ちゃんのサイン

母乳は、目に見えないので足りているかな?と不安になるママは多いと思います。母乳不足のサインを知っておきましょう。

体重が増えない

母乳が不足している時には、赤ちゃんの体重が増えないまたは増え方が乏しいことがあります。赤ちゃんは産まれてから1度体重が5%程度減りますが、哺乳量が足りていれば生後4-5日を過ぎた頃から1日20-30g程度の体重増加が見られます。体重が増えていることが哺乳量が足りている1番確実な目安になります。

赤ちゃんの排泄量が少ない

哺乳量が減るので、尿量と排尿回数が減ります。排便も見られなくなってしまいます。排尿回数が1日6回以上あるか確認しましょう。

脱水症状

肌や唇の潤いが見られなくなります。活気がなく、ぐったりしていたり、発熱が見られることもあります。

母乳不足のよくある誤解

母乳量が足りているか不安なお母さんが母乳について、よく誤解されていることが5つあります。


1つ目は、赤ちゃんがよく泣くからといって母乳不足と判断することです。
新生児のうちは、2時間程度で母乳を欲しがることも多くあります。頻回に授乳することで母乳は増えやすくなります。
また、授乳時間も10分ずつなどと決める必要はありません。短くても長くても、母乳不足との関連はありません。

2つ目は、食事が母乳の質や量に影響することです。
母乳が増える食事やハーブティーなどは医学的根拠はありません。
和食がすすめられることがありますが全世界で母乳育児は行われていますし、関係ありません。
ただ、バランスの良い食事はお母さんの体調を整えますし、温かい飲み物や汁物は血流を良くしてくれますのでオススメします。

3つ目は、哺乳瓶からミルクをよく飲むことで母乳不足だと判断することです。
授乳後にも泣きやめず、明らかに授乳量が足りていない場合もありますが、赤ちゃんは吸啜反射があるので授乳量が足りていてもゴクゴク美味しそうに哺乳瓶からミルクを飲むことがあります。
哺乳瓶の乳首は、おっぱいよりも長く柔らかいため、スムーズに飲めることが多いです。

4つ目は、おっぱいが小さいと母乳が出ないことです。
おっぱいの大きさは母乳の分泌量に関係ありません。
おっぱいの脂肪の量と母乳をつくる組織の量は何の関係もなく、個人差です。

5つ目は、母乳が搾れないことで、母乳の分泌が悪いと判断することです。
搾乳の方法が適切ではないことも考えられますし、母乳が十分に出ている方でも搾乳だと出ないこともあります。
授乳量と同じくらい搾乳できるわけではありません。

母乳を増やす方法9選

母乳を増やすことが期待できる方法を説明します。どれも、次回の授乳から取り入れられますので、ぜひ試してくださいね。

母乳を増やす方法1: 頻回授乳

頻回に授乳をすることで、プロラクチンとオキシトシンの分泌が増えるので、母乳量が増えてくることが期待できます。

母乳を増やす方法2: 正しい授乳姿勢

授乳の姿勢が悪いだけで、上手におっぱいを飲みとることができないことがあります。
上手におっぱいを飲みとれないと、プロラクチンとオキシトシンの分泌につながらず母乳量を増やすことができなくなります。
また、上手に母乳が飲めないことで、おっぱいの中に母乳が貯まったままになってしまうと、母乳の分泌が抑制される原因にもなります。

母乳を増やす方法3: 血行をよくする

シャワーを当てて、肩周りから温めて血行を良くしましょう。赤ちゃんの抱っこや慣れない育児で肩こりも辛いですよね。肩を回して凝りを防ぎましょう。母乳は血液から作られますので、血流を良くするイメージです。

母乳を増やす方法4: 昼寝をする

明確なエビデンスは無いですが、疲れや睡眠不足も母乳分泌を低下させる要因になるといわれています。
赤ちゃんが寝ている時は、ママも横になって休む時間をつくりましょう。
とはいえ、中々睡眠時間を確保するときが難しい時期もあると思います。そんな時はジョサンシーズの低月齢から利用できる助産師のベビーシッターもご活用ください。

母乳を増やす方法5: ミルクを足しすぎない

母乳不足が心配なお気持ちもわかります。しかし、ミルクを足しすぎてしまうと授乳の間隔があきすぎてしまい、頻回授乳ができなくなってしまいます。また、母乳の飲み方がわからなくなり混乱を起こすこともあります。

母乳を増やす方法6: こまめな水分補給

母乳はママの血液から作られます。
水分不足では、母乳をつくる水分も減ってしまいますから、十分に水分をとってください。
特に、出産は出血も伴っていますし、悪露にも水分が取られます。喉の渇きを感じたらすぐに水分をとりましょう。

母乳を増やす方法7: 母乳を空になるまであげる

おっぱいに母乳が貯まり張ったままの状態にしておくとFILという乳汁産生抑制因子によって母乳の分泌量が減ってしまいます。
母乳が空に近いところまで赤ちゃんに飲みとってもらうと、更に必要な母乳量を作れるようになります。

母乳を増やす方法8: 授乳ができないときは搾乳しよう

さまざまな事情で直接授乳ができないことがあります。
直接授乳ができなくても、搾乳で母乳を出すことができれば母乳量を増やすことが可能です。
搾乳中はリラックスした環境で行いましょう。
母子分離状態の時は、赤ちゃんの写真や動画を見たりしながら搾乳をするとオキシトシンも分泌されやすいのでオススメですよ。

母乳を増やす方法9: 専門家に相談しよう

母乳を増やすために、効果的な授乳や搾乳ができているかはご自身では判断が難しい時も多いと思います。
そんな時は、健診や助産院で助産師に相談してみましょう。
ジョサンシーズでも助産師と気軽にLINEチャット相談ができるサービスがありますので、ぜひご覧ください。

まとめ | 母乳育児は周囲の協力を

母乳は、出産すれば誰でも十分に出ると思われていますが、実際は効果的な授乳が行われていないと母乳量を確保することが難しいです。
正しい授乳姿勢がとれているか、赤ちゃんが母乳を飲めているか、ご自身での判断が難しい場合は、助産師に早めに相談することをおすすめします。
また、母乳育児は周囲の方のサポートがあって実現できるものです。
周囲の人をたくさん頼ってくださいね。母乳で我が子を育てたいママの希望が叶うように応援しています。

■ジョサンシーズ            
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