トレーニング第3回「足腰を鍛える具体例」

おはようございます。佐藤です。
今回は具体的に目的別のトレーニングの考え方と盲点についてお話したいと思います。

最初に「足腰」についてお話します。

「野球には足腰が大切」とよく言いますが、おそらく明確な定義はなく、人によって異なると思います。そこで目的別に「足腰」を分解して、それぞれに必要なトレーニングについて考えてみたいと思います。


足腰を鍛える具体例

まず投手に必要な「足腰」とは、ひとつは片足で発揮する筋力や可動域であると思います。特に大切なのが、軸足の股関節内旋(股関節を内側に捻る動き)の可動域、踏み出し脚の殿筋群(お尻)の筋力です。

具体的に話すと、足を上げてから前方に体重移動する際に、軸足の股関節を内側に捻らなければ(膝が前方を向くような動き)、スムーズな体重移動ができずに、上体を前に突っ込ませてしまう。その結果、体重移動ができずに過度に腰が反ってしまうことがあります。

強化法は、静的ストレッチング→動的ストレッチング→筋トレ、という流れが良いかなと思います。

まずは静的ストレッチングで対象の筋肉(股関節の外旋筋)の柔軟性をつけ、柔軟性のついた状態で動的ストレッチングを行ない、ダイナミックな動きに落とし込みます。そして筋トレを行なえば、柔軟性がついた状態でより広い可動域で筋力を鍛えるということになります。

ただ内旋の可動域不足については筋肉の柔軟性だけでなく、ストレッチでは解決できない股関節の骨の位置によっても制限を受けることがあり、この場合は医師や理学療法士にアドバイスを求めるといいと思います。

もう一つ、踏み出し足のお尻の筋肉ですが、足が地面に着いた時、膝の位置を安定させるのがお尻の筋力です。ここが足りないと、膝が内側や外側、前方に移動してしまい、うまく地面からの力をもらえずに、不効率な力の使い方をしてしまいます。このお尻の筋力は球速と関連があるとされています。この筋力を上げることは非常に重要です。

具体的な方法論としては、両足でのスクワットやデッドリフトが基本となり、そこからランジやブルガリアンスクワット、片脚デッドリフトといった片脚での強化エクササイズを行ないます。

これが安定してできるようになれば、今度はスプリットジャンプ(ランジ動作のジャンプ)、片脚ジャンプというように瞬発的な動きにレベルアップしていきます。

動き自体はそんなに難しくないかもしれませんが、膝の位置が安定しないなどのエラー動作が出やすいため、ここを修正できるかがキーポイントとなります。

▽参考までにトレーニング例の動画は次のページから

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