見出し画像

すずめの戸締まり

(以下、大いにネタバレあり、
思ったこと感じたこと取り留めもなく書きます)

2022.11.11
オープンゲートの日

新海誠監督の新作「すずめの戸締まり」
行ってきました。

とてもとても良かった。

新海監督の、願いと祈りのこもった作品なのかなと。

あの時、あの時代、そこで生きていた人達、土地、そういうものへの鎮魂歌かな。

「君の名は」「天気の子」に続く三部作の最後にふさわしい。

「君の名は」は、過去に遡って救うこと、生まれる以前からの縁とか運命とか繋がりとか、

「天気の子」は、今ここ、何よりも自分の気持ちを大事にすること

がテーマだったのかなと私は思っていて。

そこに続く

「すずめの戸締まり」は、今現在から未来に生きて行く私達への応援なのかな。
怖がらないで、きっと何があっても光はあるよ、みたいな感じかな。

そしてあの未曾有の震災を11年後の今、干支が一巡りするくらいになってようやく向き合えるタイミングがやってきたのではないかと。

それを今回テーマにあえて持って来たのは、記憶へと、忘却の彼方へと閉じて行きつつあるものを、一旦開いて受け止めておこうという感じだったのではないでしょうか。

あの時の傷が癒えてない人、恐怖がこびりついている人には辛いかもしれない。

そこに大きな批判があるかもしれないタブーへの扉を、監督は覚悟を持って開いたのだと思う。

未来へ進んで行くために。
進んで行くための力にするために。


映画を見ながら、やたらと

「とおかみえみため」
「十種神宝」

がずっと頭に浮かんでて、今はそれ関係を調べている。

まあ、新海監督のこの三部作は、スピ的に凄く興味深かったので、

作品公開ってなって、キャラクター紹介で、

主人公の名前が

「岩戸」「宗像」

って分かった時、これは神様系だなと思ったわけで。

岩戸神社、宗像大社。

すずめの旅の始まりが宮崎だったのでまさにでしたね。

公開日が11月11日なのも、監督狙ってたのかなと。
宇宙ポータルが開く日、次元上昇の日、
数秘的に1は始まりとも言われてて。

地震や災いをもたらす「ミミズ」は、龍脈かな、とか。
日本は、昇龍と下り龍の2体からなる龍体とも言われてるし。

何も知らないから出来ちゃうんだが、要石を簡単に抜いてしまう怖さ。

廃墟にはそんな伝承も途絶えてるんだろうなと。

それから、閉じ師の草太さん!
黒髪長髪泣きぼくろのイケメンさとイケボに一目惚れしました(笑)

期待度がめちゃくちゃ高まってました。

ゲスト声優ってあまり好きではなかったのですが、

すずめも草太さんも、全く違和感なし!
とてもお上手な演技で、すんなり作品に入り込めた。

草太さん、ほとんど椅子なのに、イケボだからこそ最後まで観れた。

もっと顔見たいんだが。

草太さんの、祓詞

「かけまくもかしこき日不見(ヒミズ)の神よ
遠つ御祖(みおやや)の産土(うぶすな)よ
久しく拝領つかまつったこの山河(やまかわ)
かしこみかしこみ謹んでお返し申す」

大事な言葉だと思った。

監督が言われてたように、家建てる時、地鎮祭を執り行なうのに、廃れて行くときは何もしてない。

まさに。

祈りとか言霊とか、日本人はずっと大事にしていた。

現代は忘れがち。廃れていく。

とても重要なのかなと。

人間が大地から、地球から、日本という土地に先祖代々、お借りして生きているものを、感謝してお返しする。

大事なのは、そこにあった人々の暮らしや営みを想像すること。
それをしてから鍵をかけるのです。

毎年どこかで災害が起きるこの日本で生きている、災害とともに生きるには、生かされている感謝は忘れてはいけないのかな。

すずめが、死ぬのは怖くない、生きるか死ぬかは神様次第的なこと言ってたけど、それはあの震災を通って来たからこその死生観で。
無意識なんだろうけど、諦念みたいなものが根底にあるんだろうな。

草太さんは、閉じ師だけでは生きて行けないから教師を目指してて。

神様事は、誰にも知られないでひっそりやっていればいいみたいな事言ってて。

凄く重要な事をしてるけど、只人の人々には気付かれるわけもなく。

そういう神事的な事してる人に以前会ったことあることを思い出しながら観てた。

すずめが環さんに何も言わなかったように、分からない人、理解できない人に分かってもらえるように説明したりするのって凄く難しい事だから。

溢れる思いを伝えること、伝えきれないから黙ってしまうことってすごく分かる。

感覚、ニュアンスで感じてる事を、言語化するのすごく難しいなって。
言葉に出来るほとよく落とし込めてないからでもあるんだろうけど。

すずめの事、最初はヒロインだし、選ばれた特別な力を秘めた子なんでしょって思ってた。
常世に行って戻って来れたとか、普通じゃないし。
加えて、一本足の欠けた椅子は何故?

それはあの震災を経験してたからだったとクライマックスで現在のすずめと一緒に理解出来た時。
小さなすずめもあの経験をして死んでてもおかしくなかった。常世に迷い込んだくらいに。
奇跡的に現世に戻って来れてたから。

あの時、そういう経験した人、きっとたくさんおられるのだろう。
すずめがお母さんに全く会えなかったように、こちらに戻って来れなかった人も…

過去の幼いすずめを救ったのはお母さんではなく、明日のすずめ。

過去現在未来は、今ここにあって、違う次元、パラレルワールドも同時に存在してるとも聞くから。
きっとそういう事なんだと思う。

あと、ずっといいなって思ってたのは、草太さんが最初から最後まで
「すずめさん」
ってさん付けで呼んでたこと。
ピンチとかギリギリの時も、呼び捨てにしないの。
年下だから、「ちゃん」付けでもなく。

品の良さとか、育ちの良さとか。
人への敬意とかを感じた。

監督も、実際そうなんだよねって思って。
他人に対する優しさやリスペクトを常に忘れないでいる丁寧な人だなって感じる。


とりあえず、取り留めもなく。


次は、IMAXで観たいし、舞台挨拶やライビュも観たいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?