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【じょんそん文庫 vol.001】センスは知識からはじまる 編

世の中にはたくさんのデザインで溢れていて、中には「なんだこれ?」みたいな一見アートのような難しいデザインもあったりしますね。そういうものに限って、著名なアートディレクターやクリエイティブディレクターの方の作品だったりします。

私の場合、そのような作品を見ては、こういったものを作れる人って直感やひらめきに冴えた先天的な才能を持つ数限られた人だけなんだろなあとずっと思っていました。

でも、そうでもなかったんです。水野 学さん著書の「センスは知識からはじまる」を読んでそう思いました。

今回はそんな私の考え方をガラリと変えた「センスは知識からはじまる」についてお話したいと思います。

『この本ではどんなことが書かれているの?』

この本は、プロローグからはじまり、Part1〜Part5に分かれています。

Part1:センスとは何かを定義する
Part2:「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代
Part3:「センス」とは「知識」からはじまる
Part4:「センスのよさ」で、仕事を最適化する
Part5:「センス」を磨き、仕事力を向上させる

まずは、「センス」とはどういうものなのかについて定義し、その「センス」を磨く方法、また事例を用いて「センス」を活かした具体的なアウトプット方法について書かれています。

本書で水野さんは、「センス」とは、ひらめきや直感ではなく、さまざまな知識を蓄積することによって『物事を最適化する能力』であると述べています。

つまり、多くの知識を増やせば増やすほど、あらゆる問題に対して適切な方法を提案できるということです。どんな人でも努力次第でセンスを身につけることができるってことですね。

また、たくさんの知識を増やす前提として、「普通」を知ることが一番大切だと述べています。「普通」という定規を知ることで、「いいもの」も「悪いもの」も判断することができるようになるということです。

結果として、ありとあらゆるものを作り出せる可能性がたくさんあるということですね。

『この本のおすすめポイントは?』

この本を読んで、私がよいと感じたところをおすすめポイントとしてご紹介します。そのポイントが以下の3つになります。

・根拠をもとに、読者の目線に立った説明で非常に分かりやすい
・事例を出し、水野さんのならではの「センス」のアウトプット方法を知ることができる
・知識や技術的な話だけではなく、社会人として仕事力を向上させる方法を学べる

今まで、私はこのような自己啓発本を読むのが苦手だったのですが、この本は読者と同じ目線で丁寧に書かれているので、とても読んでいて心地がよく、すらすら読むことができました。

この本を通して、センスを磨く方法を学べるのはもちろんなのですが、個人的に共感できたところがとても多かったです。特に共感した内容は以下の文章です。

このところ僕がしきりに思うのは、年上の人を誘えるか誘えないかは、センスのありなしを試すテストのようなものだということ。年上の人を気軽に誘うことができる人は、実のところ、わずか一割程度かもしれません。ちょっとした勇気がいるためでしょう。(中略)けれども経験豊富な人生の先輩と時間を過ごせば、面倒くささを上回る収穫があります。人生の先輩が持っている知識、知恵、経験といったセンスのかたまりを自分の中に吸収できるチャンスです。(中略)僕はお酒の場が大好きで、相手が年上であれ年下であれ、話を聞くのが大好き。とりわけ経験豊かな人生の先輩たちとの会話は、多くの気付きを吸収できる場です。

この水野さんの考え方にめちゃめちゃ共感しました。びっくりするくらい私の考え方と同じで驚きました。

私もいろんな先輩とお酒を飲むことが大好きで、よく後輩に「じょんそんさんって、なんでそんなに自分の時間を費やしてまで、いろんな人と飲みに行こうって思えるんですか?」と言われたことがありました。

たぶん私にとって飲みの場は、大切なコミュニケーションの場であって、自分自身を成長させるチャンスだと思っています。

昔はクライアントの人でも気軽に飲みに誘ったりしてました。相手の意見や本音を聞いてから仕事した方が圧倒的に無駄な工数もかからないし、お互いが気持ちよく仕事できるじゃありませんか。

やはり、何かを作るにしても、人と一緒にお仕事するにしても、まずそのモノ・人を知ってあげることが一番重要だと私は思っています。(ちなみに、博報堂のアートディレクターの小杉幸一さんもお酒の席で相手を知る場を必ず作っているとのこと)

どんなモノ・人とでも「知りたい」という好奇心から、結果的に自分自身のセンスを磨くことができると思います。

参考文献
水野 学(2014年)「センスは知識からはじまる」朝日新聞出版

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