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武漢ウイルス研究所の疑惑

 新型コロナウイルス発生の中心地となった中国武漢の外れに位置する武漢ウイルス研究所が新型コロナウイルスの発生源であるという疑惑が今米国で取り沙汰されている。

 同研究所は2015年、病原体レベル4(P4)の最高水準の安全性を確保した実験室がを完成させた施設である。
米紙ワシントン・ポストとFOXニュースは匿名の情報として、新型コロナウイルスがこの研究所から誤って流出したと報じた。
 ワシントン・ポスト紙が入手した外交公電からは、当局らが特に重症急性呼吸器官症候群(SARA)に類似したコウモリコロナウイルスの取り扱い時の安全対策の不備に懸念を示していたことが明らかになあった。
FOXニュースは同施設でコウモリ由来のウイルスに感染したものが武漢の住民に感染させた可能性があると伝えた。
 しかし、中国の科学者らは、新型コロナウイルスが武漢の野生動物市場で売られていた動物から人へと感染した可能性が高いとしている。

 科学者らは、新型コロナウイルスの起源はコウモリであると考ていて、そこからセンザンコウを経由して人に感染した可能性があるとしている。
 だが今年1月、英医学者ランセットに発表された中国科学者チームの論文では、最初の感染者と初期に感染が確認された41人のうち13人が、ウイルス発生源とされる武漢の野生動物市場とは繋がりがなかったことが明らかにされた。
 中国を代表するコロナウイルスの研究者の一人で、武漢ウイルス研究所P4実験室の副所長でもある石正麗氏は、新型コロナウイルスがコウモリ由来であることを初めて示した研究チームの一員だ。
 米科学雑誌サイエンティフィック・アメリカンのインタビューに応じた石氏は、新型コロナウイルスのゲノム配列は自身の研究所がこれまでに収集・研究した小ウモリコロナウイルスのいずれとも一致しなかったと応じた。
 英ロンドン大学キングスカレッジのバイオセキュリティー研究所、フィリッパ・レンツォス氏は新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所から流出した証拠がないとする一方、野生動物市場が発生源だとする説にも確固とした証拠がないと指摘。

2020/4/25