『non poster』
広告を目にしない日はない。
何をそんなに主張しなければいけないのか私にはわからない。
わかっているのは主張していることと主張していないこと、どちらも大事なんじゃないかということ。
人は、主張する人だけが人として認識されるのだろうか
主張できない、しない人もまた、人であることに違いはない。
風景はどうだろう
人以外の自然は常に成長してそこにたたずむ、流れる。
人も同じではないのだろうか。
キャンバスに描かれる人のようなシルエットは、主張しきれない人々だ。
その人々は街の片隅で見る広告のように壁に貼り付けられている。
広告の周りには、風景のような色彩がまとい、空間を埋める。
まるで自然の流れのように。
ポリスチレンフォーム キャンバス
アクリル絵具 透明水彩絵具 2020
追記 2020/7/26
一つだけ物質感が強い子がいる。
鉛のようなヒトガタは重い印象があり、意志の堅さをイメージする。
ヒトガタに入る色彩は周囲の色彩と混じり、堅調ななかどこか軽さを感じる。
人の意志は揺るぎない強さを持っている。
変わらない強さと周囲の空気、色彩に反映される心を、この作品は持っている。