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元祖平壌冷麺屋note(100)

元祖平壌冷麺屋本店の3代目店主の妻であり、4代目の母であるオモニの3回忌。

冷麺屋一族とオモニの友人たち、総勢50人ほどが集まった。

アボジが挨拶の時に、城山三郎「そうか、もう君はいないのか」を読んだ話をしていた。あと7年は頑張って生きようと思う、と話していたアボジは明後日、古希を迎える。息子(ボクのこと)が今日、誕生日であることも蛇足ながら話された。

今朝、娘を学校まで送る道、振り返った娘の顔が、ウェハンメ(外祖母)にそっくりだったので、ドキっとした。母の幼少時の写真を見たことがあり、やはり娘にそっくりだった。妹の幼少時の顔にもそっくりだったし、当たり前だけど、妻の幼少時にも瓜二つだ。

ウェハンメとオモニの物語は、娘が主人公となって、続いているのだった。

「白鯨」の語り手、モビー・ディックを追い続けた捕鯨船に乗っていたイシュメールが、終わりのない物語こそ本当の物語だと語っていたように、生きている人間が、生きること、語ることを止めない限り、物語にも終わりは来ない。

ちょうど2年前、オモニが天国へ旅立つ5日前。最後のLINEが届いた。

2020年11月15日
「誕生日おめでとう🎂」14:58
既読15:04「こちらこそ、生んでくれてありがとう」
(娘の写真)
(家族写真)

今朝、「パパおめでとう」と書かれたメッセージカードと、娘の写真付きペンダントを妻からプレゼントされた。

「誕生日とは、アボジオモニに感謝する日なんやで」とアボジは、よく子どもたちに冗談を言っていた。

今は、その意味が、よく分かる。






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