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元祖平壌冷麺屋note(92)

娘といつものドニエへ。モーニングスナックを食べ終えて、夢枕獏の「白鯨」を序章だけ読む。

となりの席に、今井紀明さんとパートナーさんがいらしたので、「はじめまして」のあいさつをする。娘さんの音楽会までの時間つぶしに来られたらしい。うちも明日、音楽会なんですよ、と話をして、娘が冷麺屋のカードを手渡した。

今井さんは、認定NPO法人D×Pを10年前に立ち上げ、孤立した10代の若者たちの新しいセーフティーネットを紡ぐための活動をされている。

「水道筋読本」でつながったご縁だと思い、ほんの少額ながら寄付をした。

娘も冷麺屋に終日出勤。ハルベと冷麺スープの仕込みの仕上げを手伝い、開店前に学校の宿題を終える。

年下のお客さんと友だちになり、お絵かきをしたり、スプラトゥーンの本を見せたりして遊んでいた。ご年配のお客さんは、しきりにお利口さんだねえ、と褒めてくれていた。

帰り道、岡女へ。子連れ客が多く、5組中4組がお子さん連れだった。近くの3歳の男の子連れのお客さんは、子どものフェンシングの習い事の帰りで、ご友人が「岡女さんは、小さな子どもを連れたお父さんもいたりするので、子連れでも入りやすいよ」と勧められて、来るようになったらしい。

それ、きっとボクと娘のことですね、と笑った。

男の子と娘は、たちまち友だち同士になり、男の子はフェンシングの技を披露してくれた。敷居が高くないので、うちの娘もフェンシングを習ったらオリンピックは夢じゃないですよ、とやんわり勧誘を受けた。

好きなことを、楽しんで続けられるのは良いことですね、と返した。

同時に、声をかけられる事もなく孤立していく若者が多い、という現実にも思いを巡らせたのだった。



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