"創作"と"安穏"は対極にいるなって話

jon-YAKITORYです。
ここ1,2年、僕は自分のメンタルを安定させようと努めて心の安定・コンニャクのような折れないメンタルを手にしていたのですが、
最近は20代前半の頃のような創作マインドで、何かに嫉妬したりへこんだり燃えたりという感情を取り戻そうとしています。

なんとなく戻りつつあるなという実感があり、若くなったようで少し嬉しくもあるんですが、日々の暮らしが幾分しんどくなるのは事実。

なんでそんな感情を取り戻そうとしているかってことを、今日は捌いていこうと思います。
断面こんな感じ～～～～～！！！！！(これを言いたいだけ説)

＊ここで書くことは「見られなきゃしょうがないじゃん」ということとは別軸の、創作って何だろうって話です。あしからず。

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"メンタルの安穏"、"大人の余裕"はある意味「無感動」

そもそも、メンタルを安定させようとしていたのは色んなことに嫉妬したりへこんだりする自分が、まるで余裕のない人のように思えていて、もっと大人になりたいと思ったからでした。

「秒速でブチ抜く！！」とか「マーケティングで市場を制する！！」みたいなマインドでマウント合戦をして、弱い人を置いてけぼりにするような戦いにもう参加したくなかったってのもあります。

仏教の本を読んだり哲学を勉強したりして、「こんな考え方もあるよね」という肯定力みたいなものを身につけていき、徐々にメンタルは荒波から穏やかになって去年なんかはほとんど"凪"でした。

メンタルが安定しているので激烈に負の感情になることがなく、生きやすくはなったのですが、同時にプラスの感情にもなりづらくなってしまっていました。
メンタルの安穏を目指すということは、ある種"無感動"になるということに近いのだと思います。

考えてみれば、穏やかメンタルの頂点であるお釈迦さまは、穏やかにニコッと笑いかけることはあっても、好きなバンドの新譜が出て「ｯｯｼｬｱ！！！！ヒャッホー！！」とガッツポーズしたりしません。

創作は煩悩や葛藤から出る

無感動になった自分は、創作が出来なくなっていました。
いや、厳密にいえば作ることはできるのですが、激烈な感情のジェットコースター、葛藤の荒波の中から作られる"奇跡の120点"みたいな作品が出来ないのです。

95点くらいの曲なら出来はするんですが、突き抜けた120点は作れない。
安穏のメンタルで生きやすくなったとしても、これでは辛いのです。

もちろん、大人の余裕から作られる作品というのもあるし、または個人の作品ではなく「職業作家」として作る為にはある種そういった激情というのは邪魔になると思うのですが、
個人的な好みで、僕は葛藤や迷いの中で突っ走るような"人間の業"みたいなものを背負っている作品を美しいと感じて自分も作りたいと思っています。
正しい使い方かどうかは知りませんが、そういうのに触れると「文学だなあ」と思うのです。

フェチとも言えますね。
だからこそ数年前に「自分は職業作家に向いてない」と思って作曲家になることを諦めたのですが。

ともあれ、そういう作品ってやっぱり無感動なままじゃ作れないんですよね。葛藤がにじむ作品を作る為には、やっぱり自分が葛藤していないとウソになるんですよね。

"嘘"というのもひとつポイントで、僕はそういう"業"のある作品が好きなくせにメンタルを凪にし肯定力を高めたとして、僕という人間がどういう人間かを他者視点で見た時、とても嘘くさく中身のないやつっぽく見えるんだと思うんです。

「そうやって表面だけで判断するんじゃなく、ちゃんとそうじゃない中身を理解してほしい」というのは一見まっとうで純粋な意見のようですが、実際はただのエゴなわけです。

だって自分を理解してほしいのは誰だって同じだから。自分だけわがまま言ってあまのじゃくな事してもしょうがないわけです。

人に優しく、己には呪いを

話が逸れましたが、人の心を揺さぶるような会心の一撃を入れる物というのは、悟りとは反対の"葛藤"や"迷い"や"悲しみ"、"怒り"や"決意"や"哀愁"が表現されている物なんじゃないかしらと思うのです。

ある種、"あるあるネタ"みたいなもんですよね。人間である以上最も普遍的なあるあるです。

もちろんハッピーなものもありますし僕も好きですが、今の時点で作りたいと思うものは葛藤のさなかにいる人に「わかるわぁ・・・」って言ってもらって心を軽くしてあげられるものなので、そっち方面に考えが偏ってるのはあります。

じゃあ以前のように戻るのかっていうと、それはそれで成長がない気もします。
なので、創作上では渇き、私生活は穏やかに、というスイッチングがしっかりできるようになれればいいなあと思っています。
あとは、自論やこだわりをしっかり持つけど決して人に押し付けない、自分にのみ課す呪いをしっかり構築する。

今から来年以降にかけて、これらが自分の抱負になると思います。

がんばりやーす。