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アパレル製品の資源循環・リサイクル

皆様こんにちは!
今、もっともDXとサーキュラーエコノミーに熱い男、健一です!
静脈産業のニュースを紹介しています。
今回はアパレル製品や繊維などの資源循環・リサイクルについて取り上げたいと思います。
2023年から経済産業省が「繊維製品における資源循環システム検討会」を発足し、繊維の資源循環を推進する動きをしております。
日本では年間約80万tの衣類が廃棄され、約66%が焼却・埋め立てされており、リユースは20%(海外輸出含む)、リサイクルは14%となっています。
繊維からまた繊維に戻るリサイクルはほぼされておらず、様々な課題が点在しています。

検討会の趣旨

繊維製品分野に関しては、特に欧州において、環境配慮対応や人権デュー・ディリジェンスなどのサステナビリティに係る取組が急速に進展している。2022 年 3 月には、欧州委員会が、2030 年までにリサイクル繊維を大幅に活用すること等を目標とする「持続可能な循環型繊維戦略」を公表している。 こうしたグローバルな動向を踏まえ、我が国の繊維関連企業が、今後需要拡大が 見込まれる海外市場においても競争力を維持・確保していくためには、繊維製品の 資源循環システムの課題を整理し、必要な施策を講じていくことが重要。 繊維製品の資源循環システムを確立するためには、大きく「回収」「分別・再生」 「製造」「販売」の 4 つのフェーズで異なる課題が存在しており、それらを並行的に解決していくことが不可欠。 本検討会では、こうした状況を踏まえ、国内における衣料品の回収方法、回収した衣料品の分別と繊維から繊維へのリサイクル・再生技術、製造時の環境配慮設計、 販売時における消費者への理解促進等について議論し、課題解決の方向性を整理する。

第1回 繊維製品における資源循環システム検討会 設置要項

欧州では持続可能な社会実現のため、自動車を始め様々な環境規制を2030年ごろを目処に施行しようとしています。
ファストファッションが主流となっている日本でも資源循環に向けた取り組みを加速させ、国として検討会を発足し各サプライチェーン上の課題解決に向けて動き出しました。

検討会のメンバーについて

第1回 繊維製品における資源循環システム検討会 委員名簿

繊維製品の資源循環システムをめぐる 現状と課題

今回は特にリサイクルに関してのお話をピックアップしていきたいと思います。
国内繊維産業の現状については下記のように記載され、日本では約20万人の従業員がいる市場となっています。

繊維産業のサプライチェーンは下記のようになっています。
繊維としての質・評価が高い一方でファストファッションが主流となり、実際に我々が来ている服は海外からの輸入されているのが多いとされています。

「繊維製品の資源循環システムにおける課題」について下記がわかりやすく記載されています。

まず衣服は様々な素材構成でできており、これらをリサイクルことは簡単ではありません。
リサイクルの原理原則は「単一素材化」が必須というところにあります。
例えば衣服によっては「ファスナー(金属)」や「ボタン(プラスチック)」などもありますし、厳密にいえば「染料」や「添加剤」などもリサイクルに影響を与えます。
しかも衣類の表記にはナイロンやポリエステルといった表記はあるものの、上記素性表示はされておらず、リサイクルするためには大きな壁が存在しています。
また、リサイクルをしていくとコストが高くなってしまうため、価格上昇が発生するところも課題とされています。
最近ではユニクロや大手アパレル店舗で店頭回収を実施しているところもよく見ますが、店舗回収は店側の負担も多い割に量を集めることが難しいのが実情です。

衣類の分別作業は全て手作業で行なっており、非効率かつ高コストになってしまいます。また現状は「繊維to繊維」にする技術は未成熟なため、多くはウエスといった機械の清掃や自動車整備に使用される服取り布に活用される形になっています。

基本的にデザインや機能性の観点から様々な素材構成でできており、リサイクルされやすい設計になっている衣服は非常に少ないのが実情です。また、リサイクル繊維の素性評価や表示、認証等の仕組みも未成熟な点があげられています。

リサイクル材を使用した製品はコストがかかっており、通常の製品に比べて高くなる傾向になります。
繊維系のリサイクルを推進するためにも消費者に対する理解が必要となってきます。

次回は繊維リサイクルに関連する技術や取り組み等についてご紹介していきます。

参考資料
【経済産業省】
繊維製品における資源循環システム検討会
繊維製品の資源循環システムをめぐる 現状と課題
【環境省】
サステナブルファッション

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