見出し画像

JOMONの価値観

JOMONの価値観について、タイムマシンでもないかぎり、正確なことを知るすべはないが、想像することは自由にできる。JOMONの価値観の想像を膨らませるために、JOMONとの遺伝的関連が強いアイヌ文化について見聞を深めることは有意義だと考える。

アイヌ文化の代表的儀式として、熊の霊送りの儀式 イヨマンテがある。熊穴から子熊を捕獲、丁寧に家に連れて行き、大きくなるまで大切に育て、大きくなったら、村の内外から人を集めて大きな祭りをひらき、丁寧にお送りする儀式のことである。ちなみに儀式で重要な供物のイナウは、男性のみがつくることを許されているそう。

公益財団法人 アイヌ民族文化財団のWebサイトでは「アイヌの人たちが行う「クマ祭り」は多くの人びとに知られています。しかし、その本意とするところは、毛皮や肉などをアイヌの人たちに届ける役割を果たすために、アイヌモシリを訪れたクマの"霊"をそれが住む世界へ送り帰すための儀礼です。したがって、正しくは「クマの霊送り」です。霊を送るにあたっては丁重な儀礼が行われ、そして盛大な饗宴とおみやげが伴います。アイヌの人たちにとって、アイヌモシリに生起する事象がもつ"霊"をその世界へ送り帰すことは、とても大切な儀礼となっています。それがアイヌの人たちのくらしに密接であればあるほど、盛大かつ厳粛に行われます。」と紹介されている。

つまり、アイヌの人たちは、自分たちに食料や毛皮を届けるために、自然の神様(カムイ)が動物の姿になってやって来てくれる。だから感謝を示すために丁寧に儀式を行なっていると。

これは現代のお祭りの風習に繋がっているものと思うが、最近のお祭りはイベント化していて、自然の神様に感謝するという本来の目的が忘れ去れているように感じる。

アイヌの人たちは、動物以外にも、自然界のあらゆるものをカムイと呼び、感謝を捧げていたようである。

JOMONの人たちも、自然への感謝、動植物への感謝、物や道具などへの感謝、そして人への感謝を捧げていたに違いない。

公益財団法人 アイヌ民族文化財団
https://www.ff-ainu.or.jp/index.html