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リファレンスって何?

こんにちは、縄文アソシエイツのnote担当です。今日は、転職プロセスでときどきご質問いただくリファレンス(レファレンス、リファレンスチェック、バックグラウンドチェックとも)についてです。

言葉の意味そのものはGoogleで検索して貰えればすぐ出て来ますが、転職に当たって、候補者の面談での説明や、職務経歴書などの記載に誤りや過大な部分がないかも含め、候補者の仕事ぶり、人柄などをよく知る人間からヒアリングを行い、候補者の適性を確認するというプロセスになります。ヒアリングを行うのは、企業の人事部などが直接行うこともあれば、ヘッドハンターや人材紹介会社が間に入っていれば、その担当者が実施することもありますし、世の中には、リファレンス専門の会社もあったりします。

上記の説明を聞くと、興信所や探偵をイメージして、裏で勝手にこそこそ聞きまわられるのは気味が悪いと思う方もいるかと思いますがご安心ください。今は、必ず候補者の事前の同意を得て、候補者の指定した方からのヒアリングが普通です。どういう方をご指名いただくかというと、通常は、前職の上司や、現職の同僚など指名することが多いようです。

とはいえ、どんなことが聞かれているの?と気になる方もいると思うので、リファレンスのヒアリングの際に、よくある質問・確認内容をお話しさせていただければと思います

① 経歴・職務内容の確認
これは日本だとまだ稀なものの、海外では少なくないのが、職歴や学歴などに明確な虚偽を書く人がいたり、これはグレーな領域ですが、自分の仕事の成果をかなり膨らませて職務経歴書に書いたり、面接でアピールする人もいることは事実なようです。ついては、リファレンスでは、通常、職務経歴書に記載の経歴や職務内容、または面接等で実績として口頭で語った内容について、周囲の認識からも齟齬がないかは必ず確認しています。

では、もし万が一齟齬があった場合はどうするかというと、それが明確な虚偽か、過大な説明かのどちらかにもよりますが、候補者本人にも誰から指摘があったかは伏せた上で(それもあり、通常は複数名からリファレンスを取得します)、改めて候補者から確認を取った上で、企業側にも報告するという形になります。悪意のない、ちょっとした入社月の間違いや、数字や時系列の勘違いなどであれば問題にならないことが多いようですが、明確な虚偽ということになるとアウトになります。

② 候補者のお人柄や仕事ぶりなどの質問
これはネガティブチェックというよりは、候補者を後押しできるような推薦コメントを得ようとしているという方が正しいのですが、候補者が自らアピールすることはなかなか難しい、面談だけではどうしてもチェックしきれない、普段のお人柄、コミュニケーション能力、マネジメント能力、インテグリティ(誠実さ)など、一緒に働いた方にしか見えづらい能力、資質についても積極的にヒアリングし、企業側にその評価を伝えることにより、オファーの実現やその条件アップに繋がるようにしています。

なので、以前に転職した際など、リファレンスを取ったことでのポジティブな効果を知っている方は、逆に、企業側が面接などで自分の能力や実績は高く評価しているが、マネジメントのスタイルや(例えば、プレイヤー時代の実績があり過ぎると、マネジメントになってもパワー系ではないかという印象を企業側に与えてしまうことがあるようです)、現職での評判を気にしているなと思うと、そこが心配であれば、リファレンスチェックを是非やってみてくださいと自分から積極的に提案してくることもあります。

③ハラスメントの有無などのチェック
これも少しネガティブな話になってしまいますが、自己申告をすることは通常あり得ないハラスメント系の出来事が過去無かったかも念のためお聞きすることが多いです。金銭面や異性関係のトラブルなども同様になります。

ただ、疑惑も含めて、少しでもその手の話が出てきたら100%アウトという訳ではなく、ニュートラルにお聞きして、候補者にも必ず事実確認をしています。逆に、著名な経営者だとゴシップでそういう記事が出ることもありますが(著名でなくとも、5chで書き込まれた不正確なコメントが何年経っても検索結果に出てきてしまうという時代でもあります)、内容が事実無根に近く、総合的に関係者各所に話を聞いて、その後、裁判などでも客観的な事実としては認められないという判断が出ている場合などで、むしろ採用に当たって問題ないことを客観的に意見として出すために聞いているケースもあったりします。

上記以外にも、お聞きしていることはいろいろあるのですが、あまり長く書くのもなんですので、今回はここまでにしたいと思います。ただ、所謂ネガティブチェックとして、痛くもない腹を探られるようで不快なだけであり、できる限りやりたくないが、無事済んで安心という類のものでは必ずしもなく、むしろ面接では伝えきれない自分の強みや、ネットや週刊誌上にある不正確な書き込み、記事を訂正する機会として、ポジティブな部分もあるとお考えいただけると、この投稿を書いた甲斐がある感じでしょうか?

リファレンスというと身構える方もいると思いますが、経営幹部の転職プロセスではいたって一般的であり、今後、日本でも海外のように転職の際にMustになっていく可能性が高いと思います。

リファレンスは、ネガティブサインというよりは、ヘッドハンターの視点では、企業側がその方へのオファーを真剣に考えているというポジティブなサインだったりします。あまり警戒し過ぎることはなく、ぜひ前向きにとらえていただければと思います!

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