韓国のタイ人入国拒否とイスラエル=ハマス紛争の関係
タイ人が韓国入国を拒否されるケースが多発し、去年末から話題になっています。
私のタイ人の知り合いも韓国・大邱(テグ)の空港で入国拒否されました。
トランジットをする際、荷物を受け取るためだけに入国する必要があったのですが、拒否されたそう。チケットを買いなおしたりしてかなり大変だったと聞いています。
バンコクにいると貧困を目の当たりにすることは少ないですが、タイ北部や東北部出身にはまだまだ貧困層が多いそう。そのため北部や東北部出身のタイ人が大邱のように小さな空港から入国しようとすると、不法労働目的と判断され、入国できないことが多いようです。
私の知り合いはタイの超有名大学を卒業し、誰もが知っている一流企業で働き、海外旅行も頻繁にしているような人です。パスポートをチェックすれば海外旅行履歴はすぐに分かりそうですが、それすらも確認せず、タイ北部のチェンマイ出身ということで入国拒否されたといっていました。ひどい話ですよね。
しかし、裏返してみると、いちいち旅行者一人ひとりの詳細をチェックしていられないほど、不法労働目的に韓国に入国しようとするタイ人が多いということなのかもしれません。
それにしても、なぜ韓国の態度が突然強硬になったのか。
昨日教えてもらって、そういうことか!とびっくりしつつ納得したのですが、これにはイスラエル=ハマス紛争が関わっているそうです。
イスラム組織のハマスに拘束されていた人質にタイ人が多く含まれていたことは有名ですが、紛争前は約3万人のタイ人がイスラエルの農場などで働いていました。政府間での取り決めがあり、合法的に働いていたらしいです。
ちなみに、タイ語の記事によると、イスラエルでの農業労働の月給は平均55,000バーツ(約22万円)なのに対し、タイでの同様の仕事だと15,000バーツ(約6万円)。
紹介料など諸々で渡航前に月給1ヶ月分強の費用がかかるみたいですが、3倍稼げるのはたしかに魅力です。
しかし、去年10月に始まった紛争でイスラエルに働きに行けなくなった。そこで、労働者たちが働く場所を求めて韓国に向かったということなんだそう。
確かに、韓国のタイ人入国拒否が話題になり始めたのが去年の11月なので、時系列的に考えてもぴったりですね。
この話は世間話でちょっと聞いたことなのですが、まさか韓国とイスラエルがタイ人労働者でつながるとは、びっくり。
世界ってどんな場所も切り離して考えられないなとか、3年暮らしてもタイのことが全然わかってないなとか、日本にはどんなかかわりがあるのかな、などいろいろ考えさせられました。
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