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ミニベロとは思えないスピード! DAHON Visc EVO

 DAHON Visc EVO 2021モデルをメルカリにて中古で購入しました。Boardwalk D7を購入してから、わずか2ヶ月での乗り換えです。

Visc EVO 2021
Visc EVOの外観(ハンドルグリップは交換済み)

乗り換えの経緯

 DAHON Boardwalk D7で通勤を始めて、乗りやすいようにカスタムを進めていたのは以前の記事の通りです。カスタムを行ったことで、乗りやすく便利になったのですが、毎日乗り続けるうちに1点の不満が募ってきました。それはスピードです。

 私が主に自転車を使用する通勤の道のりは、平坦で直線が多いこともあり、割とスピードを出しやすく、Boardwalk D7で走行するほとんどの道は、トップギヤである7速での巡航となります。その7速で走っていてもまだ余力があるため、さらにスピードを上げるには、ケイデンスを増やす必要があります。

 Boardwalk D7はクランク52T、スプロケット11〜28Tということで、52T×11Tの組み合わせであっても、全力でなければ高回転のケイデンスを維持するのはそこまでキツイわけではありません。ただ、通勤は普段着で走行しているため、高回転で漕ぐとすぐに汗が出てきます。目的地に到着後、汗で濡れた状態で仕事だったり、自宅での夕飯だったりとすると、自分的にも周囲的にもやや不快です。

 汗をかかない程度に抑えて走ることもできますが、もう少しスピードを出したい欲求が抑えられなくなってきました。そこで、高値で売れる新品のうちにBoardwalk D7を売却し、懐のダメージを最小限にするため、中古で別の折りたたみ自転車に買い替えることを考えました。
 そこで、メルカリを毎日眺め続け、いくつかの候補の中で最も早く出品されたのがDAHON Visc EVOだったというわけです。

Visc EVOの外観

 落札したのは2021年モデルで、色は「スカイグレー」です。落ち着いた青色で、他の色であるマンゴーオレンジマットブラックより好みの色だったので、すぐに入札しました。しかし、その逸る気持ちが災いし、送られてきた実物を確認すると、フロントフォークやフレームに塗装の傷がありました(ショック・・・)。スマホの写真でしか確認できなかったこともあり、パッと見た画像では気づきませんでした。

 塗装の傷は全て車体右側だったので、前の持ち主が転倒したのかもしれません。特にひどかったのはフレームクランプ(Vice Grip)の固定した後の樹脂部品(名称不明)です。全面的に塗装が剥がれており、内部の樹脂が完全に露出しています。あまりにダサいので、再塗装が必要になりそうです。

Vice Gripの上側部品の塗装が剥離しています。

Visc EVOとBoardwalk D7の違い

 それでは、肝心の性能です。Boardwalk D7と比較しつつ紹介していきます。

ディレーラー

 まずスピードという点において、Boardwalk D7と異なる最も重要な違いは、Visc EVOにはフロントディレイラーがあることです。Visc EVOはフロント2段、リア10段の20速仕様です。Boardwalk D7は7速で最も重いギアが12Tです。一方、Visc EVOは11Tとさらに重く、クランクセットもBoardwalk D7より重い53Tとなります。この組み合わせで走れば、Boardwalk D7に比べて高速巡航が可能です。

スプロケット(11-25T)
クランクセット(53x39T)

ホイール

 スピードに関係する次の大きな違いはタイヤサイズです。Boardwalk D7は20 inch(ETRTO 406)に対して、Visc EVOは20 inch (ETRTO 451)です。ともに20 inchではありますが、ETRTO表記が違います。ETRTOは「欧州タイヤ&リム技術機構」の略称で、406、451はそれぞれタイヤのビード部分を円周とした場合の直径(mm)を示します。

 つまり、406と451ではホイールの直径が違うので1回転で進む距離が異なります。同じ回転数であれば406より円周の長い451の方が進みます。回転の度にホイールの中心軸では摩擦が生じるため、同じスピードで回転を止めた場合、タイヤサイズが大きいほど、摩擦に伴う減速が生じくくなります。つまり、同じ回転数で比較すると減速されにくく走行することができるため、高速で巡航するにはタイヤが大きいほうが有利となります。

重量

 重量もスピードに影響します。Visc EVOはBoardwalk D7より1.6 kg軽量です。一般的には重量が大きくなるほど、加速しにくくなります。極端な例ですが、10 kgの荷物を抱えて走るのと、荷物なしで走るのでは、どちらが加速しやすいでしょう。当然ながら荷物なしです。車体が軽量化するほど、脚の筋肉に掛かる負担が小さくなるため、速く走ることが可能です。Boardwalk D7はクロモリフレームVisc EVOはアルミフレームであるため、その違いが重量に現れています。

 特に足回りであるホイールの重量はスピードへの影響が出やすいため、軽量ホイールへの交換はカスタムの鉄板です。Visc EVOは比較的軽量のホイールですが、いつかはホイール交換にもチャレンジしたいですね。

Visc EVOに乗ってみた感想

 Visc EVOに乗ってみると、まずは加速のよさを感じます。車体が軽くなったこと以外に、タイヤが細いこともあり、路面に脚力が伝わりやすくスピードがすぐに上がります。また、加速後の巡航に入り、Boardwalk D7の7速と同じくらいの踏み加減で走っみると明らかにスピードが出ています。しかも、さらにギアをあげることが可能であるため、さらにスピードを出すことが可能です。折りたたみ自転車でこれだけスピードが出るのであれば、文句はありません。手元の時計では、力を振り絞れば時速40 Kmも可能でした(体力がもつ一瞬ですが)。

 走りに関してはいい事だらけでしたが、折りたたみ時の扱いにやや不満がありました。Visc Evoは外折れ式なのですが、そのため折りたたんだ際のサイズが大きくなります。そこまでは想定の範囲内でしたが、それ以外に、自立させた際の荷重のバランスが悪く、ハンドル側に倒れやすいです。Boardwalk D7は内折れでハンドルポストが中央に収まるため、折りたたむと自立して倒れることはありませんでした。

 また、折りたたみ時にハンドルグリップがフロントフォークに接触するのですが、その接触した状態で、自転車が倒れると傷がつく可能性があります。前の持ち主から引き継いだ傷も、それが原因だったのかもしれません。

まとめ

 実はBoardwalk D7の購入前、Visc EVOも検討に入っていました。そのため、実物を確認したいと近隣の自転車店を複数まわったのですが、コロナ禍の自転車人気のため、どこにも在庫がありませんでした。そのため、試乗する機会なくネットでBoardwalk D7を購入しました。Boardwalk D7の外観は気に入っていたのですが、私とのミスマッチで買い換えることになってしまいました。

 それに懲りず、Visc EVOもまた試乗せずに中古で購入したわけですが、塗装の傷以外にも、中古で購入したが故の予期せぬトラブルがありました(いずれ記事にしたいと思います)。今回のことを経て、実物の確認や、試乗することが重要であることを痛感しました。

 ただそうはいっても、ミニベロであるにかかわらず高い走行性能を有するVisc EVO自体は私の満足できる性能をもっていました。これから自分好みに育てていこうと思います。


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