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Midjourney(ミッドジャーニー)の英文利用規約について

AIによる画像生成サービスを提供するMidjourney(ミッドジャーニー)の英文利用規約(2023年1月3日時点)について、翻訳をかけた上で要点をまとめていきます。
英語の利用規約原文について、こちらのリンクから確認可能です!
Midjourney Terms of Service


利用規約の要点をまとめた画像

利用規約の要点①
利用規約の要点②
ミッドジャーニーが対象物に対して有する主な権利①


ミッドジャーニーが対象物に対して有する主な権利②


コミュニティガイドライン上の主な禁止事項①
コミュニティガイドライン上の主な禁止事項②


(Digital Milennium Copyright Act)デジタルミレニアム著作権法と
テイクダウンに関連する方針について

以下からパートごとの利用規約のまとめになります。

1サービスの可用性と品質について

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

要点
・サービスのコンテンツのアートスタイルやアルゴリズム等について修正変更される可能性がある

・ミッドジャーニーは、品質や安定性、稼働時間、信頼性に対していかなる保証も行わない

・ミッドジャーニーはユーザーがサービスを利用することによって生じたいかなる損害について、ユーザー又はその下位のユーザーに対しても責任を負わない

・サービスやコンテンツは、ユーザーに対して、いかなる保証や条件もなく、現状有姿のまま提供される
📝現状有姿―そのとき存在するそのままの状態

・ユーザーはコンテンツの利用、再配布の妥当性を判断する責任と、サービス利用に関連する一切の責任を負う

・ミッドジャーニーはいついかなる理由でもユーザーのアクセスを停止、禁止する権利を有する

・ユーザーはサービスを競争的研究に使用してはならない

・ユーザーはサービスや生成される成果物をリバースエンジニアリングしてはならない
📝リバースエンジニアリングについて
ー簡単に記載すると製品を解析し、技術情報等を得ることを指します

・ユーザーは自動化ツールを使用してアクセスし、画像を生成してはいけない

・1登録アカウントにつき、一人のユーザーが利用可能で、各ユーザーは一つのアカウントのみ保有可能

・ミッドジャーニー側は利用規約違反を調査し、違法行為の疑いがあれば規制当局等に報告し、必要な情報を開示する権利を保有
📝開示することが考えられる情報について
登録されたユーザー情報、メールアドレス、利用履歴、投稿物、IPアドレス、トラフィック情報

2年齢に関する要件について
原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

要点
・ユーザーはアクセスすることで13歳以上であり、所属する国において情報提供に関する同意取得の最低年齢要件を満たしていることを認めるものとみなす。

・ユーザーがアクセスできる年齢であっても、本規約に同意する権限を有しない場合には、ユーザーの法定代理人または後見人がユーザーに変わって本規約に同意する必要がある
📝民法上有効な同意が可能な年齢は18歳からとなっているため18歳未満のユーザーは、法定代理人又は後見人が同意する必要があるとされています。

✍法定代理人又は後見人が、未成年のユーザーに使用を許可した場合、未成年のユーザーによる本サービス上での活動に責任を負うとの記載もありました。年齢に関して一般的な利用規約によくみられる条項という印象を受けました。

3ユーザーの情報について
原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

・サービス利用に伴い、ユーザーは個人情報をミッドジャーニーに提供する可能性がある
(EX)メールアドレス、ユーザーネーム、請求した情報、お気に入り登録をした情報、出力した画像、入力した文字、ユーザーがアップロードしたサンプル画像等

・両当事者は、適用されるデータ保護法を遵守することに同意するものとする

・データプライバシーやデータ移転に関する新たな契約の締結が必要な場合は、両当事者は誠実に協力をするものとする
📝個人情報についての取り扱いに関するプライバシーポリシーについてはこちらの原文をご確認ください
✍プライバシーポリシーについて学習のために今後記事にした場合は追記させていただきます。

4. 著作権と商標権について

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

📝有料ユーザーについて
ー2022年5月6日以降で利用可能となった第三期支払いプランに加入しているものを指す

ユーザーがミッドジャーニーやミッドジャーニーから権利を承継した者に対して与える権利

主な権利 
対象物を複製する権利
対象物から派生物を作成する権利
対象物を公開する権利
対象物を配信する権利
ライセンスを再許諾する権利

対象物
入力したテキスト、画像、ユーザーの指示により生成された成果物

期間 
無期限

対象地域 
全世界

使用料や実施料について
無償
*権利は独占的ではなく、非独占的
*権利については取り消しができず、ミッドジャーニーの有する権利は契約終了後も存続

📝ミッドジャーニーの保有する権利が、かなり強いと感じる方もいらっしゃると思うのですが、ミッドジャーニーに限らず、インスタ等他の画像を取り扱うサービスの規約にも似た記載が存在しました。

ユーザーの権利
この利用規約のもとにおいて
原則
ユーザーはサービスを利用して生成したすべてのコンテンツを所有

例外1
ユーザーが有料ユーザーではない場合
作品を営利目的で使用してはならないとされています

無料ユーザーが自らが生成した画像について、商用利用でなければSNS等で共有する行為は許容されるものと考えられます。

📝ミッドジャーニーは非有料ユーザーに対して、クリエイティブコモンズ4.0国際(表示―非営利)に基づいてライセンスを許可しています
クリエイティブ・コモンズ (Creative Commons) — 表示-非営利 4.0 国際 — CC BY 4.0
(2023年1月3日)

📝クリエイティブコモンズについて
―簡単に記載すると、著作権者が一定の条件下で成果物の自由利用を認める意思表示をする際に用いられる仕組みになります。
詳細については、クリエイティブコモンズジャパンのホームページをご参照ください。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは | クリエイティブ・コモンズ・ジャパン (creativecommons.jp) (2023年1月3日)

例外2
ユーザーが年間総収入100万ドル以上の企業の所有者若しくは従業員でミッドジャーニーを企業若しくは雇用主の利益のために利用する場合
法人向けのメンバーシッププランに加入しなければならないとされています
*法人向けメンバーシッププランは、最大12か月分の前払い金が含まれ、返金は不可となっています

例外3
ユーザーが法人向けライセンス契約の対象となる場合又はプライバシーアドオンを購入した場合

ミッドジャーニーは、プライベートモードが作動している状況下において、ユーザーが作成した資産が公表されないための最善の努力をすると記載されていました

📝オープンスペースで作成した画像はプライベートモードが有効か無効かにかかわらず、そのスペースにいる全員が閲覧可能
Ex)ディスコードのチャットルーム等


*ミッドジャーニー側は、画像やプロンプトが公共空間に投稿された場合は他人が使用し利用することを許可しているため、初期の設定では他人が閲覧でき、生成物についても利用可能となっていますが、プライベートプランを購入した場合は、この設定の一部を回避可能になるとのことです。



5DMCAとテイクダウンに関連する方針

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

ミッドジャーニーで生成された資産は法律上保護されている対象物等と意図せず類似する場合があるが、この場合権利を主張する人はtakedown@midjourney.comまで連絡することで請求が処理されるとのことです

📝DMCAについて
(Digital Milennium Copyright Act)
デジタルミレニアム著作権法というアメリカの法律のことを指します。
📝テイクダウンについて
簡単に記載すると、権利を主張する者から侵害行為について通知された場合に事業者がとる対象物を削除等する措置で、一定の要件の下で削除等により生じることが想定される事業者の責任が免除される仕組みとなっています。
上記記載のアドレス(takedown@midjourney.com)が通知先となっています。


6紛争解決と準拠法について

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

準拠法
カルフォルニア州法に準拠

抵触法の原則の適用は排除
📝抵触法とは複数の法律が適用される場合において、適用する法律を規律するルールのことを指します。
契約主体が複数の地域や国にまたがる場合に、適用されることが想定される法律が複数発生するケースがあります。
抵触法の原則を排除しないと、適用する法律がカルフォルニア州法でなくなる場面が生じることが考えられるため、抵触法の原則を排除するとの規定を置いているものと考えられます。

紛争が30日以内に解決されない場合
→契約締結時点で有効な米国仲裁協会の商事規則に従い、米国仲裁協会の国際紛争解決センターによる仲裁により解決される。

・両当事者は一人の仲裁人をぞれぞれ選定
・仲裁はアメリカカルフォルニア州サンタクララにて英語を用いて行われる
・両当事者は権利を保全するため差止による救済を管轄裁判所に申請可能
・仲裁人は、本契約の救済条項および制限に合致した衡平法上の救済または差止命令による救済を命じることができる。

📝英米法では債務不履行に関して、損害賠償請求以外に、契約の履行や差止請求を行う際ハードルが生じやすいため、衡平法上の救済と差止命令による救済について利用規約上明文で規定しているものと考えられます。

・仲裁裁定ー最終的で当事者を拘束
・執行についてー当事者やその財産を管轄する裁判所も含む管轄裁判所に申し立て可能
・当事者は紛争に関する仲裁人の最終判断の結果に関わらず、自己の弁護士費用等を負担する

7無期限サービス及び通信制限について

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

ユーザーが無制限プランを購入した場合
ミッドジャーニー側は、合理的な範囲でユーザーに無制限のアクセスを提供するように努める
📝ただし、ミッドジャーニー側は、品質維持のためユーザーに通信を制限する権利を留保

8支払いと請求
原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

・第三者の支払いサービス提供者を通じて、ユーザーに利用料金を請求することがある。
📝第三者のサービスプロバイダーの利用規約と抵触する場合、サービスプロバイダーの利用規約が優先的に適用
📝ミッドジャーニーは、理由を問わず、サービスへのアクセスを終了させる権利を留保
(EX)コミュニティガイドライン違反、不適切利用等

契約終了の場合
未払い料金は直ちに請求される
支払済の期間については返金されないが、支払い期間終了後課金は停止される。

9コミュニティガイドライン

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

主な禁止事項

・アダルトコンテンツ、グロテスクな表現、ショッキングな内容等の低俗、暴力的、虐待的な画像の作成、テキストの入力
✍一部のテキスト入力は自動的に制限されるとのことです。

・他人の著作物を許可なく公に転載する行為
✍自らが権利を有する創作物を共有する場合は問題ないです。
✍無料ユーザーの場合は、4の商標権著作権に関する部分で、商用利用が不可とされていますが、自己の生成した画像について商用目的でなければSNS等で共有する行為は問題ないと考えられます。

→コミュニティガイドラインに違反した場合、アクセスを禁止される場合があるとのことです。

10. 責任の制限と補償

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

主な記載事項

・ミッドジャーニーはサービスを現状有姿で提供しそれに関して約束や保証を行わない
・ユーザーはミッドジャーニーがユーザーやいかなる第三者に対してどのような損失や損害が生じても責任を負わないことを同意するものとする。

記載されていた損失の種類

・利益の損失
・使用権の損失
・営業権の損失
・データの損失

記載されていた損害の種類
・偶発的な損害
・間接的損害
・特別損害
・結果的損害
・典型的損害
📝利用規約上は様々な損害が記載されていますが、どの損害にあたるかの区別は実務上難しい場合が多く、免責される範囲を広くするため損害の種類を広めに記載されていると考えられます。
📝故意に他人の知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求や弁護士費用等請求される場合があるとの記載もありました。

11 その他について

原文はこちらをご確認お願い致します。
Midjourney Terms of Service

不可抗力条項
「両当事者は合理的支配をこえる状況によって引き起こされる範囲における不履行や遅延の責任を負わない」
EX天災、災害、テロ、暴動、戦争等

両当事者の関係に関する条項
「本契約は、両当事者の間にいかなる代理店、パートナーシップ、またはジョイントベンチャーを設立するものではない」
✍ミッドジャーニー側がユーザーの行動によって第三者に対して生じた損害について、法的責任を追及されることを防ぐために置かれている規定になります。

可分性条項
「本契約の一部が無効、違法または執行不能となった場合であっても、本契約の残りの部分は有効に存続するものとする」
✍契約の一部が法律に反するとして無効となった場合でも契約の有効な部分の効力を残存させるための条項になります。

第三受益者の不存在を明記した条項
「本契約は、明示的に記載されていない限り、いかなる第三者にも利益を付与するものではない」
✍仮にこの契約がミッドジャーニー側がユーザー以外の第三者の利益のために履行する義務を負うと解釈された場合、その第三者がミッドジャーニーに対して、履行を請求できる場合が生じるケースが考えられるため、それを防ぐためにこの規定が記載されていると考えられます。

存続条項について
「契約のうち通常人が存続を予期する項目や義務は存続する」
✍特に知的財産権やプライバシー権に関するものが存続すると記載されていました。


12. 補足条項
ユーザーが「ベータモデル」(2022/8/22のみ利用可能)または「テスト」もしくは「testp」モード(2022/8/28)を使用して本サービス上に成果物を作成する場合
ーこのモデルの使用には、Creative ML OpenRAIL-Mライセンスで説明されているライセンスと使用制限が適用される場合がある



*内容について、もし不正確な点があった場合、修正をかけさせていただきたいと考えているためお手数ですが、ご連絡いただけますと幸いです。
*今後Web3系に関連するサービスの利用規約をまとめていきたいと考えています!


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