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──サイバース軸サンダードラゴンについて


イントロダクション


 ハリファイバーという中核パーツを失ったサンダードラゴンは、烙印というパワーカード軍団の婢女として、あるいはドラゴンリンクの添え物として、屈辱の日々を過ごしてきた。

 瞬間的カードパワーの絶対的不足というサンダードラゴンの弱点をたった一人で解決してくれていたハリファイバーの穴を埋めるカードをずっと考えていたが、今回ようやくハリファイバーに追いつけるかもしれない新たなパートナーを見つけたのでこの場を借りて発表する。

12月初頭時点での構築。いわば叩き台と考えてほしい

 そう、「サイバースギミック」である。日本では斬機、イビルツインなどで使われ、海外ではエルドリッチに入ったりもした。(おそらく海外ではGが禁止カードのため、打ちどころにならない点で優秀なのであろう)

 そのサイバースギミックを、今回はメイン4枚、エクストラ2枚の形でサンダードラゴンに組み込んだのがこの構築である。

サイバースギミックの採用理由

 【サンダードラゴン】における召喚権の使途は、普通の型では孤高除獣、(太陽電池メン)、(雷源龍)の3枚に充てられることが多い。孤高除獣(以下「のけもの」)は、いわば生きた黄金櫃であり、雷族を引けさえすれば青または黒にアクセスできるという点からサンダードラゴンに基本的に採用されうるカードの1枚である。しかしながら、今回はのけものをあえて採用せずその召喚権をサイバースギミックに譲ることにした。その理由をまずは解説する。

 ★孤高除獣展開
  ・雷族+孤高除獣→リンク2+超雷+雷源

 ★混沌領域展開
  ・雷獣または雷電+混沌領域→リンク2+
超雷+1ドロー+手札にコラプサーペント

 ★闇の誘惑展開
  ・雷電+闇の誘惑→超雷+2ドロー
  ・雷獣+闇の誘惑+モンスター1体→超雷+2ドロー+リンク2

 サンダードラゴンの基本式とも言えるこの3展開だが、なにかお気づきではないだろうか?そう、のけもの展開のみ明らかに得られるアドバンテージが弱いのである。もちろんのけものは雷族であればなんでもいいという展開の要件の軽さというメリットがあるが、以前こちらの記事で解説したサンダードラゴンの構築論から考えて頂ければ、のけもの展開がサンダードラゴンにとっては“置きに入ってる”展開であることはご理解いただけるだろう。

 もちろんそれだけではない。のけもの展開の致命的な弱みとして、無限泡影やヴェーラーの直撃を喰らうと、その唯一のメリットの要件の軽さは立ち消えてしまうのである。
 
 そして何よりものけもの展開を採用しないメリットとして、召喚権が浮くことがあげられるだろう。召喚権を使うサブギミックを採用できるようになるメリットはあまりにも大きい。そこに現環境でサンダードラゴンを使う単なる愛着やロマンを超えた可能性があるとも言える。

 さて、長くなったがここからサイバースギミックの採用理由の解説である。


 レベル4以下の自己蘇生またはトークン生成効果を持ったサイバース族からこの2枚を展開し、マリガンしつつリンク3分のモンスターを場に出すこのギミック。今回採用したサイバース族は「ファイアウォール・ガーディアン」。

 

 一般的にこのギミックで使われるサイバース族モンスターは「サイバース・ガジェット」であるが、「ファイアウォール・ガーディアン」をあえて採用するメリットはもちろん存在する。
 
・闇属性なので誘惑で飛ばせる。
・闇属性なのでユニオンキャリアーになれる。
・墓地効果が優秀。
・トークンではなく自己蘇生のためリンク1を使い切ってもアナコンダになれる。
・レベル4なのでバグースカになれる。
安い!

 サイバースガジェットはマスターデュエルではまさかのUR指定を受けているため、Rであるこのカードで代用できるならそれに越したことはない。何より属性がサンダードラゴンに噛み合っている。

 さらに肝になっているのが「サイバネット・マイニング」の採用である。

  コラプサーペントやワイバースターを素引きしてしまった場合など、手札を捨てたいという場面が訪れやすいサンダードラゴンにとって、手札コストはむしろメリットとなりうる。さらに無印のサンダードラゴンという無料の手札コストが存在することを考えれば、採用しない手はない。もちろんうららの囮にも使える。

 そして何よりも、サイバースギミックを採用する最大のメリットがマリガンを行えることにある。雷鳥に標準搭載されていることからも分かるように、マリガン効果とサンダードラゴンというデッキは最高に相性が良い。領域展開や誘惑展開といったのけもの展開よりも強力な展開の可能性を上げつつ、デッキにいて欲しいカードをデッキにしまうことができる。無印サンダードラゴンの効果を使えば実質的なワンドローとしても扱える。

目指すゲームプラン

 では、サイバースギミックを採用したサンダードラゴンが目指す勝ち筋はどこにあるのか?シンクロ軸サンダードラゴンの際はサンダードラゴンに足りない無効系妨害を補うことで先攻をしのぎ切り、雷神ループによってアドバンテージを確保していくことが勝ち筋であったが、今回は少し違うゲームプランを提案したい。

 なにしろ、今回のデッキには明確な仮想敵に「烙印デスピア」を想定している。

 現時点で一強と目される烙印を徹底的にメタった先行展開がこのデッキの勝ち筋なのである。
 
 

 ユニオンキャリアー+超雷の盤面からドラゴンバスターブレードを超雷に装備する、いわゆる「バスブレ展開」。意外なことではあるが、このいかにもエアプが「最強」などとのたまいそうな脳死展開が烙印デスピアにはブッ刺さるのだ。

 烙印の除去手段は基本的に融合モンスターに頼りきりであり、バスターブレードを除去する手段はメインギミックには存在しない。さらにそこに超雷竜の耐性と打点(ユニオンキャリアーの効果でなんと3600まで上がる)が加わると、メインギミックでは太刀打ちできない。汎用カードを込みで考えうる手段として、禁じられた一滴で超雷竜の打点をさげ効果を無効にして戦闘破壊するかぐらいではあるが、守備表示であった場合はこれも意味をなさない。ライトニングストームかツインツイスターが最も現実的だろうか。

 さらにダメ押しに「魔封じの芳香」をフル採用している。これはデスピア以外にも流行が予測されるペンデュラムデッキや展開系にも広く刺さり、かつ烙印相手にもかなり刺さるため二の矢としての活躍が期待される。領域誘惑サイバースの基本3展開がドローが絡むためこのような上振れ札があるとより勝利は盤石のものになる。(ただし自分にもめちゃくちゃ刺さる点には注意が必要。それを考慮してもなお強いパワーカードである。)

細かい採用カードの紹介

  採用の是非が分かれそうなカードについて個人的な意見を書いておく。まずはメインデッキ。

・魔封じの芳香

 個人的に虚無空間や勅命がなくなったサンダードラゴンにとって、その枠を満たす唯一のカードであると感じている。(ただし現環境限定)
トップメタの烙印にはもちろんのこと、2番手争いをするであろうアダマシアなど60枚展開系、魔術師などのペンデュラム系も広く見ることができるのはこのカードぐらいだろう。

・屋敷わらし

 DDクロウと入れ替えてもいいと考えてはいる。要検討。


・勇者ギミック

 今回かなり絞った構築にしているのは、ゴミを引いてもマリガンできるギミックを採用しているからという理由からというのもあるが、勝ち筋を作りにいくのに必要な展開が最小限であるからというのもある。サイバースギミックは単体として非常に優秀だが、あくまでサブギミックであり、サンダードラゴンに自分からアクセスするのは運が必要になる。シンクロ軸におけるカオスルーラーとは訳が違う。そのため事故率を高止まりさせるでもなく、絞った構築で事故率を低減させるのが今回の事故対策になる。絞った構築はクリティカルな誘発の濃度を高めることができるというメリットもある。
 通常召喚で効果を使うモンスターが存在しない構築にも関わらず勇者を採用していないのはそのメリットを維持するために41枚に収めたいというところが大きい。ただ、もう少し回してみて考えが変わる可能性は大いにあるので要検討である。手札コストが被るのも難点の一つでもある。

 次はエクストラについて。

・双穹の騎士アストラム

 
 @イグニスターなどを見つつ、確実に3000点を決めるフィニッシャーの役割も期待しているが、ここは要検討である。バグースカと入れ替えることもありうる。もう少し回してみて決めたい。


 

 

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