機体のカラーリングについて
今回はロボの塗装や染色等の色付けにについて書いていきたいと思います。
自己流のところもあるので正しくないとこもあると思いますが参考程度に読んでいただければと思います。
なぜ色を付けるのか
愚問である
かっこいいからだ
真面目に説明すると、かわロボは自動ではなく人の手で操縦し戦うロボであるので、そこには操縦者のメンタルが介在します。
自分の代わりに戦うロボの見た目やデザイン、カラーリングはいわばユニフォームや戦闘服といえます。
それらを好みの色、形にすることは操縦者や製作者のモチベーション、戦う意思の向上につながります。
機体に塗装したところで
性能は上がらない が バイブスは上がる のである。
また、それらは相手のメンタルにも影響します。
パッと見で強そうに見せることで、相手によっては緊張、警戒、委縮してくれます。
威嚇、ハッタリを利かせるのも対人戦では有効な手段の一つです。
自分は毎回、設計の段階から機体名前とカラーリングも考えています。
カラーリングやデザインはその頃ハマっているアニメや漫画から着想を得ることが多いですが、「こんな色やデザインの機体に仕上げたい」という目標意識は製作のモチベーションの維持と向上に繋がっていると思います。
塗装のやり方
1.対象部品の下処理
パーツのバリをしっかり落とし、両面テープの残り等がないようにパーツクリーナー等で洗浄します。
両面テープ等が残っていると次の工程で面を荒らすときテープカスが邪魔になり荒らしきれません。
ジップロックにまとめてパーツを入れてパーツクリーナーを吹き込んでからシャカシャカ振ると楽。
2.パーツの表面を荒らす
オービタルサンダーに80番台程度の布もしくは紙やすりをセットし表面を荒らし、ラッカーの乗りを良くします。
これで全体がざらざらになるように面を荒らします。
自分はオービタルを当てる時に下にゴム板を敷いて部品が動きづらいようにして行っています。
あと粉が出るのでビニール袋や段ボールでその辺に飛ばないように保護
オービタルがなければスポンジやすりやサンドペーパーを使っても良いですが、ただとても疲れます。
なおオービタルは非常にうるさいです。
集合住宅棟で行う場合は時間等注意し近所迷惑にならないように注意
3.表面を荒らしたパーツを洗浄、乾燥
速乾性のパーツクリーナ等で洗浄&換装します 1.の工程と同様
4.塗装場所を準備
私はベランダに段ボールを横にして塗装ブース代わりにしてます。
そのまま塗装した部品を吊るせるように角ハンガーを用意
塗装する部品の数だけS字フックを用意します。
あと手を汚さないように使い捨てのビニール手袋を装備
※なお塗装ですが自分はベランダで行ってますが、周囲ににおい等が流れます。
ご近所さんが洗濯物等干してない時やできるだけ夜とかにするようにしています。
トラブルを避けるためにもその辺はうまくやりましょう…
5.プライマーを吹く
ここから塗装っぽいフェイズ
部品をS字フックにかけて左手で持ちながら右手でプライマーを吹きつけていきます。
両面、側面にも吹き付けるように回しながら吹いていきます。
20~30分(この辺は季節等で変わるので雰囲気で)放置し感想したら、上下をひっくり返してもう一回吹いていく。
使っているプライマーはみんな大好きミッチャクロンマルチスプレー
6.カラーラッカーを吹く
塗りたい色のラッカーを吹いていきます。
吹き方は5 と同様
おすすめのラッカー以下の通り
アサヒペン 高耐久ラッカー
こちらは剝がれずらい… らしい
アサヒペン クリエイティブカラースプレー
こちらは色の種類がかなり豊富
タミヤラッカー
クリエイティブカラー以上に色が豊富
ただし量に比べて値段が高くコストはbad
7.クリアを吹く
仕上げに上からクリアを吹きます
↑で紹介したアサヒペン高耐久ラッカーのクリアもしくはつや消しクリアをお好みに合わせて使用
やり方は5と同様
8.不用な塗装部を落とす
乾燥しきった後、組み立て時でよいですがベアリングが入ったり、はめ込み備品が入る箇所をカッターナイフ等で塗装を剝がします。
以前はマスキング等をしていましたが、剥がすのは一瞬でそんなに手間がかからないのでこっちの方法になりました。
場所によると思うのでその辺はお好みで。
なお2.の工程ですが、オービタルサンダーよりも便利なのがサンドブラスター
コンプレッサーで砂を吹き付けて材料の表面を荒らすことができます。
転勤前に埼玉の工場で勤務していた時は、現場に置いてあるこれを使ってました。
オービタルと比べてどこが良いかというと
・砂を吹き付けるので板の側面や肉抜きの梁り、ポケット加工部等も荒らすことができる
・丁寧にやればムラが出ずらい
・板物以外に丸物や複雑形状な部品にも可能
・塗装、アルマイトしたものに吹き付ければそれらを剥がせる
・オービタルと比べ疲れない(手がしびれない)
的な感じです
ブラスト後の部品は灰色で表面はコンクリみたいにザラザラです。
なお表面が多孔質っぽくなってるからか、水に濡れた状態でほっとくととすぐに錆びます。
なんで、きれいに砂をはたいて落とせばこの後の洗浄乾燥工程は不要です。
また、自分がよくやるのがビッグボアダンパーのリテーナー
ここ青色で機体色によってはめちゃ浮きますよね…
ここの部品のアルマイトを落として黒等のなじみやすい色に塗装してしまえば浮かずにまとまったカラーリングに収めることができます。
手作業でも出来なくはないけどめちゃ面倒なのでブラストある人は是非やってみて欲しい。
なおサンドブラストのデメリットは、たいていのご家庭には置けないことです。
おいてある大学や会社の方はぜひ活用してください。
染色のやり方について
染色とは
染料と樹脂パーツを一緒に煮込むことで色を付ける作業のことです。
一部の樹脂限定ですが、染料が染みている為、塗装と異なり色が剥がれないのが長所。
用意するもの
・煮るための鍋、染色液、温度計、割りばし
(臭くなるので炊事用は使わず分けること)
使用する染色液の例
SDN染色液
昔から使われている。東急ハンズやアマゾンで購入可能
プラ染め太郎
最近使っている染色液
アマゾンで購入可 ↑よりもカラーバリエーションが豊富
但し、若干臭い気もする(まあどっちにせよ臭いので誤差)
やりかたは大体買った染色液に書いてあるのでざっくりとだけ説明
1.染料を水で1:20で希釈しよく混ぜます
2.樹脂パーツを入れて70℃~80℃ぐらいで3分から12分程度煮る
染まり具合は温度と時間でも変わるので時々パーツを割りばしで挙げて染まり具合を確認
3.いい感じの色に染まったらパーツを水で洗浄し、乾燥させれば完成
温度計無しでグツグツ煮ても染まるけど、気化した液がめちゃ臭いので換気をしっかりとしながらやりましょう。
あと火を扱うのでその辺は気を付けましょう。
染色はかわロボの素材だと主にポリカ、ガラエポ、POM等に可能ですが染まり具合や色味が結構異なります。
そのあたりは実際にやっていただき実感してもらうのが良いと思います。
あと結束バンドも結構染まります。
以下は染色に関しての小技
鍋でなく、こんな感じのアルミやステンレスのバットを使えば大きい板も染めることができます。
自分は底板やシールド部でよく使ってます。
但し、特にアルミは強火で使うと穴が開く可能性があるので要注意。
蓋の替わりはアルミホイルとかで適当に。
あと、使った後の希釈した染色液に関して
そのまま捨てるのはもったいないので、冷やした後にペットボトル等で保管すれば使いまわせます。(間違ってもジュースと間違えて飲まないように)
但し、濃度は染めた部品や気化した水によって変わるので、雰囲気を見ながら染料や水を足して調整する必要があります。
他にもパーツやごく少量の部品だけ染色したい… けど鍋に張るほど染料を使いたくなくケチりたい!
というときに使えるのが100均等で売ってる小さいジップロックもどき
これに染料と水を入れ、鍋で湯煎すればごくわずかな染料で染色が可能です。
(…察しが良い方はお気づきかと思いますが、袋ごと染まるのと、しみだして湯煎してる水にも色が少し移ります。あんまりいろんな種類の色を使うと濁るかも)
また、染色液はラインナップが限られていますが、絵の具のように原液を混ぜて色を変えることも可能です。
まだ一度試した程度ですが、赤色と紫色を1:1で混合し使用し、さつまいものような赤紫に染めてみたことがあります。
あと、部品の一部のみを染色液に着けて染めることでグラデーション等をつけることもできます。
オレンジと黄色の染色を上下で分けて炎っぽくしたのが↓
染色についてはここまで
アルマイトについて
まずアルマイト処理とは何ぞやと
希硫酸内でアルミを陽極として水の電気分解を行い、アルミ表面に酸化皮膜(アルミナ)を生成させる処理のこと。アルマイト処理を行うことで耐食性、耐摩耗性が向上するほか、微細孔を持つ酸化皮膜に染料を吸着させることで、定着性の高い着色処理が可能になります。
アルミ限定ですが剥がれづらさは非常に優秀。
個人でできるアルマイトキット等が市販されています。
…が
ぶっちゃけ個人でやらずに素直に外注に出しちゃった方が楽です。
何度か学生時代にやってみた感想ですが
・色の仕上がりが安定しない 封孔処理とかコツ、技術が必要
・用意する道具が多いし薬品の処理が大変
・処理時に気化したものが明らかにやばそうな感じ
・自動車用バッテリーとか扱い怖
・時間がかかる(何度もトライしてたら徹夜)
てな感じでした。
オススメの加工先はコーケン
ここのアルパックもしくはアルマBOXがオススメです。
専用の封筒か段ボールを購入し、部品を郵送するだけの簡単手続きでアルマイトしてくれます。
17色&つや消しの有無を選べます。
硬度がupするハードアルマイトもあります。
カラーサンプルが3000円くらいで売ってるので一つ手元にあると色味がわかってとても良いです。
どんな感じか見てみたければ大会前とかに言ってくれたら持っていきます。
カッティングシート、ステッカー
前に説明した3つの他にもカッティングシートやステッカー等の手段もあります。
カッティングシートとは粘着剤付きの塩ビフィルムシートのことで、好きなデザインにカットしカッティングステッカーとしてよく使用されます。
車やインテリア用の物がアマゾンやホームセンターで売られています。
これらをパーツの上から貼り付けつことで色を足すこともできます。
利点として、ハサミやカッターで好きな形状に切ることができるので、形状に自由さがあります。
また、複数の色を組み合わせることも容易です。
自分は機体の右半分を緑、左半分を黒に仕上げたかった際に使いました。
左右をつなぐ板、上面の電装部のPPシートを黒色に仕上げたあと、半面を緑のカッティングシートを貼り付けることでセンター分けの機体に仕上げました。
また、ステッカーですが、ラジコン用のステッカ―等で模様が付いているものがあります。
機体にファイアパターンを取り込みたいときに使用しました。
また、ステッカ―ですがインクジェットプリンターで自作することができるセットがあります。
機体やプロポにロゴ張り付けたりしてます。
PPシート等のカバー
ホームセンターや100均に売っている色つきのPP(ポリプロピレン)シートですが、脚の上側や電装カバーによく使われます。
これの色つきをつけるだけでも色味を出すことができます。
なおPPですが、染色しても全然染まりません。
なので他の色と組み合わせるときの活用方ですが、
塗装が可能(凸凹した方の面にプライマーを塗るだけでヨシ)
と
カッティングシートを張れる(ツルツルした方の面に張れば結構剥がれない)
ということです。
使用した例はここまで説明した画像にしれっと含まれてるので割愛しますが、うまく使い分ければ機体のカラーリングの統一感upや表現の幅が広がりにつながります。
まとめ
機体のカラーリング方法をいろいろとまとめてみました。
他にもやり方や手段はありますので、いろいろ試してみて自分なりのこだわり等を突き詰めていってほしいと思います。
でも
色とかにこだわって完成納期に合わないの本末転倒なので
まずは色なしでもなんでもちゃんと動く機体をつくりましょうね。
ではまた。
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