ソフトバンクと伊藤忠商事、米核融合発電に出資

ソフトバンクと伊藤忠商事、米核融合発電に出資

レーザーで発電する新技術、2030年に商用化へ

ソフトバンクと伊藤忠商事は、米国の核融合発電のスタートアップ企業、ブルー・レーザー・フュージョン(BLF)に出資したことを発表した。

BLFは、独自のレーザー技術を用いて核融合反応を起こし、安定した発電を可能にするという画期的な技術を開発している。

2030年をめどに商用化を目指しており、脱炭素エネルギーの切り札として注目されている。

核融合とは、太陽の内部で起こっている現象で、水素原子の核が高温高圧の状態で衝突し、ヘリウム原子の核になるときに大量のエネルギーを放出する反応のことである。

核融合発電は、この反応を人工的に再現し、そのエネルギーを電気に変換する発電方法である。

核融合発電は、原子力発電と違って放射性廃棄物をほとんど出さず、原料となる水素は海水から取り出せるため、資源問題や環境問題を解決する理想的な発電方法とされている。

しかし、核融合反応を起こすには、水素原子の核を100億度以上の高温に加熱し、かつ高圧に保つ必要がある。

これを実現するためには、巨大な装置や膨大なエネルギーが必要であり、現在の技術ではコスト面や安全面での課題が多い。

核融合発電の実用化は、長年の夢でありながら、なかなか達成できない難題とされてきた。

そんな中、BLFは、新しいアプローチで核融合発電に挑戦している。

BLFは、青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏がCEOを務める。

BLFの技術は、水素原子の核を含む小さな球体に、強力なレーザーを瞬間的に照射することで、核融合反応を引き起こすというものである。

レーザーの照射によって、球体の内部が高温高圧になり、水素原子の核が衝突してヘリウム原子の核になり、エネルギーを放出する。
このエネルギーを回収して発電する仕組みである。

BLFの技術の特徴は、レーザーの照射時間が非常に短いことである。

レーザーの照射時間は、約1ナノ秒(10億分の1秒)であり、その間に核融合反応が完了する。これにより、装置のサイズやエネルギー消費を抑えることができるという。

BLFは、この技術を用いて、1秒間に1000回の核融合反応を繰り返すことで、安定した発電を実現するとしている。

BLFは、22年11月に創業したばかりの新興企業であるが、すでに多くの投資家から注目を集めている。

創業1年あまりで、ベンチャーキャピタル(VC)などを含め、約300億円の資金調達を行っている。

今回、ソフトバンクと伊藤忠商事が出資したことで、さらに資金力が強化される。

BLFは、今後、実験装置の開発や試験運転を進め、2030年には商用化を目指すとしている。

ソフトバンクと伊藤忠商事は、BLFの技術に大きな期待を寄せている。

ソフトバンクの孫正義会長兼社長は、「BLFの技術は、人類のエネルギー問題を解決する可能性を秘めている。私たちは、BLFのビジョンを全力で支援する」とコメントした。

伊藤忠商事の岡田和正社長は、「BLFの技術は、脱炭素社会の実現に貢献するだけでなく、日本のエネルギー安全保障にも大きな意義がある。私たちは、BLFとともに、核融合発電の普及に努める」と述べた。

BLFの技術は、まだ実証段階であり、商用化には多くの課題が残っている。

しかし、核融合発電は、人工知能(AI)の普及でデータセンターの電力消費が急増するなか、脱炭素エネルギーの切り札として期待が高まっている。

BLFは、その期待に応えることができるのだろうか。核融合発電の夢は、BLFの挑戦にかかっている。

ちなみにですが早速ソフトバンクの株を購入しました!
参考までにどうぞ😁

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