見出し画像

ep64 村境ルート探索 #10 熊の巣と言われる北部探索その①

 2024年9月15日。相変わらず酷暑が続き、本来であれば肌寒い日があってもよい時期です。高所は涼しいであろうと予想して久々のルート探索でした。

先ずはこの日の動画をご紹介します🎥

YouTube 動画

 雨予報でしたが、自称“100%晴れ男”のお陰で雨は殆ど降らず、1300メートル付近でも終始半袖短パンで行動できる天候でした。水分もかなり消費しました。

 メンバーは3名。健脚な方々なので、足に不安を抱えた案内人の筆者が迷惑をかけないか、少々心配でした。

今回はこの3名。奥山なので人数多い方が心強い
筆者(右)何故か背負子です。。


クマの巣と言われるルート

十津川村境界北部中央付近
伯母子岳から“谷瀬辻”稜線

 昨年から始めた村境トレイルの探索ですが、いよいよ大詰めとなって来ました。今回選んだルートは伯母子岳から谷瀬辻(勝手に命名した分岐点)に至る村境の稜線です。伯母子岳から暫くは山天集落近くに開く榎谷の源流奥になり、地元ではクマの巣と呼ばれている山域です。

伯母子岳へ

 スタート地点は熊野古道小辺路、三浦より先ずは伯母子岳を目指します。車一台で行ったので、友人に登山口まで送って頂きました。大変助かりました。

上野地集落から送って頂く
書家のサンちゃん有難うございます
神納川、三浦登山口に到着
ここから小辺路を高野方面に登り伯母子岳へ

 村境北の代表的な山である伯母子岳は、野迫川村と接し、西は護摩壇山まで稜線が通じ東は五條市大塔町、赤谷と十津川本流の出合いまで続ています。特に東のルートは殆ど人が入らず、ヤマレコアプリの記録では2年前に縦走された方が最終です。

 熊野古道小辺路は世界遺産登録されて20年。伯母子岳は年間を通して多くの人が往来する様になりました。

伯母子岳までしっかり登ります。
その後はアップダウンの続く稜線歩きです。
最後は谷瀬集落まで一気に下ります。
小辺路は道標がしっかり立てられています
古い道案内の地蔵には『右ハかうや-左ハせいの原』と書かれています。三浦村の地元の有志で作られた物の様です。
キノコ談義で登ります。立派なタマゴタケ
霧がかって幻想的な景色でした
まるで異世界へ通じる道の様です。
伯母子岳山頂

山天の高を目指す

 伯母子岳より東にルートを取り、次の目的地は山天の高(やまてんのたか)です。ここからは細かなアップダウンが続きます。内野集落よりよく見える場所で、下界から見上げる度に『いつかは行ってみたい』と思っていた場所でした。

 途中の山天辻までは踏み跡が残ります。ここは以前小辺路トレイルジャーニーのコースとして使われており、私も幾度か訪れたルートです。山天の高は山天辻の先にあるピークです。

山天の熊

 山天の高手前の鞍部でいきなり左前方の木が揺れました。同時に大きな枝が落下します。20メートル程先の水楢の木で、猿にしては大きな音だと感じ、思わず屈んで身構えました。

 次の瞬間、かなり大きなツキノワグマが左から右の斜面へ全速力で走り去る姿が見えました。goproの撮影ボタンを咄嗟に押し、撮影を試みました。距離があったので小さく横切る姿が撮影されました。

 繰り返しますが、今まで見た野生の熊で最大でした。同行者も一部始終目撃しており、ただ我々一同は一目散に走り去るクマを見て固まってしまいました。

 こちらへ来るかも知れない!という恐怖と、クマのしなやかな動きとスピードに感動し、胸が熱くなりました。

 クマが遥か下まで駈け下る足音を確認し、熊の登っていた木に近付き見上げると、熊棚が幾つか確認出来ました。どうやら食事中の所へ我々が賑やかに現れたので驚いた様です。3人の熊鈴と、よく喋るメンバーのお陰で、熊が先に気付いてくれたのでしょう。興奮冷めやまぬまま山天の高に到着しました。

山天の高手前にあるピーク
内野集落が見えます。見上げていた場所に来れた感動と熊の巣に入った緊張感で複雑です
山天の高にはかつて山名板があった様ですが朽ちていました
誰かが残したこの目印は暫く消えないでしょう

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?