現役検定員が作る、修了検定攻略の為の記事
はじめに
少しでも生徒さんの力になれるよう一生懸命作ったので参考になれば幸いです。
乗車~発進まで
運転教本や指導では乗車の前に車の前後、左右、車の下など周囲の安全確認をするように書いてありますが、採点の範囲外です。
ただし、した方が安全ですし検定員への印象も良いです。
・半ドア
(確実にドアを閉めてください、閉まっていないと警告灯が付きます)
・ミラー調節
(合っていても必ず調節してください、調節していないと判断されます)
・シートベルト
(忘れず着用しましょう、着用しないと警告灯が付きます)
・ハンドブレーキ
(ハンドブレーキを解除するときは確実に下まで降ろします。降ろしきれていないと警告灯が付き、走ると警告音が鳴ります)
・エンジン始動
(エンジンをかける時はフットブレーキ又はハンドブレーキを使用した状態でエンジンをかけます)
・発進合図を出します
(移動する方向に合図を出します。多くの教習所は右だと思います)
・周囲の安全確認
(発進する直前に左右の後方の確認をして発進します。後続車を待っている場合は状況が変化しているので、再度発進する直前に確認してください)
・後続車への妨害
後続車の進行を妨げないように速やかに発進してください。
・MT車の方
(エンストしないようにクラッチは丁寧に上げ急発進や大きく揺れないよう注意してください。アクセルを踏みすぎによる空ぶかしにも注意です。
そして同じ場所でエンストを4回すると試験は中止となります)
※ハンドブレーキの解除とギアチェンジはどちらが先でも問題ありませんので教習で教わった手順でお願いします。私の教習所ではギアチェンジの後にハンドブレーキの解除の順で統一しています。
外周走行
・速度のメリハリ
直線ではしっかり加速してください。
慎重にゆっくり走ると『もう少し加速してください』と警告されます。
しかしカーブはゆっくり走りましょう。メリハリが大事です。
・ポンピングブレーキの活用
30km/h以上速度が出ている時は必須です。ブレーキを2,3回以上に分けて使用する。ブレーキランプを点滅させるのが目的なので、しっかりブレーキペダル「踏む」「放す」を意識してください。
・速やかな発進
発進できる状況であれば速やかに発進。
しっかり前車に続いて発進。(先の状況によっては待機)
・ふらつき
ハンドルの戻し遅れ等で車体がふらつかないよう
カーブ、交差点では速度を控え、目線は先を見て安定させましょう。
・縁石に接触、脱輪
縁石に乗り上げ、又は落輪した場合はすぐ止まり、下がってやり直しをしてください。後退する時はギアをRに入れ左右の後方を確認した後、後退しましょう。
・横断歩道
横断歩道の上では止まらないように注意しましょう。特に渋滞時は見落とさないようにしましょう。
MT車の方
(発進時はエンストしないようにクラッチは丁寧に上げ急発進や大きく揺れないよう注意してください。アクセルを踏みすぎによる空ぶかしにも注意です。そして同じ場所でエンストを4回すると試験は中止となります。減速時は基本ブレーキを踏んで減速してからクラッチ操作をします。先にクラッチを踏んで惰力走行とならないように注意しましょう。低速走行時は先にクラッチを踏んでエンストしないようにしましょう)
障害物
・進路変更
障害物を避ける時は進路変更が必要となります。
ミラー、合図、目視、ハンドル操作の順で行います。
この時合図をしない、合図が消えたのに継続しない、合図を戻し忘れる、合図のタイミングが早すぎる又は遅すぎないよう注意しましょう。
目視は死角を見るのが目的なので顎を肩に乗せるくらい大きく首を動かします。動きが小さいと目視していないと判断されます。
・通過時の間隔
避ける時の間隔は、障害物と50㎝以上離れて走行します。
ただし離れすぎて車体が中央線を、すべてはみ出すと右側通行となり試験は中止となります。車体の半分以上ははみ出さないように注意しましょう。
・対向車への対応
対向車がいる場合は進行の妨げとなるので待ちましょう。
待っている間に状況は変化していますので、再び発進する時は
目視をしてから発進してください。
指示速度
・課題速度
検定中に『指示速度○○km/h出してください』と指示されます。
言われた速度を一瞬でいいので出してください。あまりにも速度が速い、又は遅くならないよう注意してください。指示された速度の上下5km/h以内に走るのが理想です。
・わき見
速度計ばかり見ないように注意しましょう。ふらつく原因にもなります。
・ポンピングブレーキの活用
30km/h以上速度が出ている時は必須です。ブレーキを2,3回以上に分けて使用する。ブレーキランプを点滅させるのが目的なので、しっかりブレーキペダル「踏む」「放す」を意識してください。
MT車の方
減速時は基本ブレーキを踏んで減速してからクラッチ操作をします。先にクラッチを踏んで惰力走行とならないように注意しましょう。
坂道
坂道では『上り坂の途中で止まり、坂道発進してください』と指示されます。
・ハンドブレーキの活用
車体を止めたらハンドブレーキを引いて下がらないように注意しましょう。もし下がってしまったら、すぐ止まって再度しっかりハンドブレーキを引きましょう。
発進したらハンドブレーキを確実に降ろします。降ろしきれていないと警告音が鳴りますので速やかに降ろしてください。
・逆行
坂道発進ではアクセルを軽く踏んだまま、ハンドブレーキを降ろします。
仮にハンドブレーキを降ろす前に車体が進んでしまったら、すぐにハンドブレーキを降ろせば問題ありません。しかしアクセルを踏む前にハンドブレーキを降ろすと下がってしまいます。下がりすぎ、又は下がることで危険が生じる場合は試験は中止となります。
・徐行
坂の頂上付近、勾配の急な下り坂は徐行場所です。徐行は10km/h以下、すぐ止まれる速度です。
・エンジンブレーキの活用
下り坂ではエンジンブレーキ活用の為、ギアを2に入れます(AT車)
MT車の方
坂道発進ではエンストしないようにクラッチは丁寧に上げ急発進や大きく揺れないよう注意してください。アクセルを踏みすぎによる空ぶかしにも注意です。そして同じ場所でエンストを4回すると試験は中止となります。
下り坂ではエンジンブレーキの活用の為、ギアは1速でクラッチを放して下ってください。
狭路の通行(S字・クランク)
教習所によって縁石がある場合とない場合(縁石の代わりに道路の端が凹んでいます)がありますが、一緒です。
・入る前に注意
狭路に入る際は右左折で入るので進路変更が必要です。
しっかり速度を落として進入します。入る直前でハンドルを逆に回して入らないように注意しましょう。
・脱輪
縁石に車輪を乗り上げ又はコース外に落輪した場合はすぐに止まり、下がってやり直しをしてください。そのまま進むと試験は中止となります。
修正の仕方は下で確認できます。
・接触
クランクのポールに接触してしまうと試験は中止となります。ぶつかる前に止まってやり直してください。
修正の仕方は下で確認できます。
・合図忘れ
出口では合図を忘れないように注意しましょう。
・修正の仕方
①前輪が落ちてしまった又は前がポールにぶつかりそうな場合はタイヤをまっすぐ、もしくは逆になるまでハンドルを回してから下がります。
下がりすぎて後輪が落ちないように注意してください。
②後輪が落ちてしまったらハンドルはそのままにして下がります。ハンドルを回すタイミングが早く内輪差で落ちたのが原因なので、そのまま下がりハンドルを回すタイミングを遅らせれば通過ができます。
※前輪でも後輪でも修正する時は左右の後方の確認を忘れずに修正してください。
MT車の方
エンストしないようにクラッチは丁寧に操作し急発進や大きく揺れないよう注意してください。アクセルを踏みすぎによる空ぶかしにも注意です。
そして同じ場所でエンストを4回すると試験は中止となります
交差点の通行(直進)
・信号のある交差点
停止位置で止まる場合は停止線から2m以上離れないように止まります。
先頭で止まった場合は、発進時に左右の確認をして発進します。この時、目線だけの確認にならないよう大きく首を左右に動かします。動きが小さいと確認していないと判断されます。
交差点内で止まらないように先の状況にも注意しましょう。
・信号のない交差点
基本は直進が優先ですが、道幅が同じなら左方が優先となります。また実線が引いているか、いないかで優先が変わります。
優先車を妨害すると試験は中止になります。
交差点の通行(左折)
左折には進路変更が必要ですが、教習所内は狭いことが多いので『○○交差点はこの辺りから進路変更開始してください』と教習中に指導があると思いますので、その指示に従って進路変更してください。
・進路変更
ミラー、合図、目視、ハンドル操作の順で行います。
この時合図をしない、合図が消えたとき継続しない、合図を戻し忘れる、合図のタイミングが早すぎる又は遅すぎないよう注意しましょう。
目視は死角を見るのが目的なので顎を肩に乗せるくらい大きく首を動かします。動きが小さいと目視していないと判断されます。
・走行位置
左折は側端に沿って曲がるため、後輪が縁石から1m以上離れないように注意しましょう。また曲がる直前にハンドルを右に回さないように注意してください。
・徐行
交差点は徐行で左折します。ポンピングブレーキも活用し、しっかり速度を落としてから左折しましょう。
・ふらつき
ハンドルの戻し遅れなどで走行がふらつかないように注意しましょう。
・脱輪
狭路の脱輪と同じで、縁石に車輪を乗り上げ又はコース外に落輪した場合はすぐに止まり、下がってやり直しをしてください。そのまま進むと試験は中止となります。
脱輪は狭路の時だけと勘違いをしないように注意してください。
交差点の通行(右折)
右折には進路変更が必要ですが、教習所内は狭いことが多いので『○○交差点はこの辺りから進路変更開始してください』又は『○○交差点までは距離が近いので、あらかじめ中央に寄せてください』と教習中に指導があると思いますので、その指示に従って進路変更または走行してください。
・進路変更
ミラー、合図、目視、ハンドル操作の順で行います。
この時合図をしない、合図が消えたとき継続しない、合図を戻し忘れる、合図のタイミングが早すぎる又は遅すぎないよう注意しましょう。
目視は死角を見るのが目的なので顎を肩に乗せるくらい大きく首を動かします。動きが小さいと目視していないと判断されます。
・走行位置
中央線から車体が50cm以上離れないように、道路の右側を走行します。
しかし、タイヤをギリギリ中央線まで寄せてしまうと、ミラーが中央線からはみ出す為、右側通行となり試験は中止となります。
右折は交差点の中心のやや内側を通過します(中心から左前輪が2m以上離れないように走行してください)
・徐行
交差点は徐行で右折します。ポンピングブレーキも活用し、しっかり速度を落としてから右折しましょう。
・ふらつき
ハンドルの戻し遅れなどで走行がふらつかないように注意しましょう。
・対向車への妨害
直進車、左折車が優先です。対向車の速度や距離に注意しましょう。
徐行で右折をした際に対向車にブレーキを踏ませない事が大切です。
対向車への妨害は試験中止となりますので注意しましょう。
交差点の通行(その他)
・信号
青信号は直進、左折、右折ができますが、交差点の先の状況にも注意して交差点内で止まらないようにしましょう。
黄信号は明らかに止まれる場合は止まりましょう。交差点内で止まるおそれがあれば進みます。交差点の先の状況には注意しましょう。
赤信号は必ず停止位置で止まりましょう。停止線を越えると信号無視となり試験は中止となります。しかし停止線から車体が2m以上離れないように止まりましょう。
・標識
交差点に『止まれ』の標識があれば必ず一時停止をしてください。できれば2~3秒程は完全停止しましょう。曖昧な止まり方は止まっていないと判断され、一時不停止となり試験は中止となります。
停止線から2m以上離れて停止をすると検定員から『停止位置が違います』と警告されます。警告されたら再び停止線に合わせて止まってください。
ほとんどの生徒さんは意味が分からず、そのまま停止線を越えてしまい一時不停止となり試験が中止となります。
見通しの悪い交差点
見通しが悪いので徐行、又は一時停止をして左右からの車両に注意しましょう。場合によっては左方優先にもなりますので、優先判断には注意してください。
踏切の通過
・停止線
停止線があれば必ず一時停止をしてください。無ければ踏切の直前で一時停止します。できれば2~3秒程は完全停止しましょう。曖昧な止まり方は止まっていないと判断され、踏切不停止となり試験は中止となります。
また停止線から2m以上離れて停止をすると検定員から『停止位置が違います』と警告されます。警告されたら再び停止線に合わせて止まってください。ほとんどの生徒さんは意味が分からず、そのまま停止線を越えてしまい踏切不停止となり試験が中止となります。
・安全確認
停止をしたら窓を開け、左右の安全確認をします。
窓は少し開ければ問題ありません。また、窓の閉め忘れは採点には含まれません。
左右の安全確認は目線だけでなく、首を大きく左右に振って安全確認してください。動きが小さいと確認していないと判断されます。
・踏切内停止
踏切内で止まってしまうと試験は中止となります。踏切の先で止まる場合は通過しきってから止まるようにしましょう。
MT車の方
踏切内でのエンストは危険行為のため試験は中止となります。
踏切内では変速操作はしないで通過しましょう。
駐車~降車まで
車から降りるまでが採点の範囲なので降りるまで油断しないようにしてください。
・駐車位置
進路変更をして到着点(ポール等)に止まります。
到着点(ポール等)と車の先端が平行になるように
前後30cm以内、左右30cm以内の場所に止まります。
車体が斜めの状態で止まらないように注意しましょう。
・駐車措置
車を止めたらハンドブレーキをかけ、ギアを「P」に入れてからエンジンを切り、フットブレーキを放します。
シートベルトを外し、後方の確認をして安全であれば、素早く車から降りましょう。
MT車の方
・駐車措置
車を止めたらハンドブレーキをかけ、ギアを「N」に入れてからエンジンを切ります。ギアを「1」又は「R」に入れてからフットブレーキを放します。
シートベルトを外し、後方の確認をして安全であれば素早く車から降りましょう。
最後に
検定中は生徒さんが後ろに1人乗ることになっていますが、私たち検定員が不正をしていないかを確認してもらう為に乗っています。生徒さんの運転を見ているわけではありません(見ている人もいるでしょうが)。
検定は緊張すると思いますが、検定まで進んできたという技量がしっかりありますので、落ち着いて運転してみてください。
無事に合格することを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?