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種まきもせず。
リロちゃんが、いつも寝ていた場所に、もうリロちゃんはいませんでした。
リロちゃんは、役割を果たして、お空に帰ったからでした。
それでも、パパは、リロちゃんのいつも寝ていた場所を準備していたり、眺めたり、たまには、撫でるマネをしていました。
リロちゃんは、向日葵の似合う子でした。
だから、パパは、リロちゃんのために、向日葵を飾っていました。
ある日、リロちゃんのいつも寝ていた場所に、向日葵の影が、落ち、揺れていました。
リロちゃんの、向日葵が揺れ、パパは、「パパ、パパー」とリロちゃんが呼ぶ声を聴いたのでした。
「パパー、パパー」とリロちゃんが呼ぶので、パパは泣いてしまいました。
パパは、思い出していました。
リロちゃんが、まだ、お家で暮らしていた時に、パパは、聖書の言葉「種まきもせず」を使って、リロちゃんをからかっていたのでした。
「リロちゃんは、寝てばかりいて、種まきもせず、何にもしないで暮らせていいなー」
そして、リロちゃんが、向日葵の種をまいていったことをパパは知るのでした。
「向日葵のような愛を、僕たちにもたらせてくれたのが、リロちゃんの役割だったんだ」
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