38人目さんと。/藝大卒展
藝大の卒展を見に上野待ち合わせ。
彼は大遅刻。
遅刻してきた彼はどことなく気まずそうだった。
セクハラもなく、手をつなぐこともなく、展示を見始める。これはカッコいいですね、いいね、と。
地下に間違えて行った時、真っ暗だったけどキスもしなかった。セクハラも。
どうしてそういう気が起きなくなっちゃったの?と聞いても、とぼける。
一緒にお昼にカレーを食べてから少しずつ調子が戻ってきた気がする。
空耳アワーの話したりして笑った。
デザイン、工芸、油画、、と高い建物をたくさん登り一日がかりで見た。
途中暗い部屋の展示で艶めかしく彼は私のおしりを触った。感じてしまう。パンツの中がグチョグチョになってるのがわかった。
もっとしてほしい、ハグしたい、キスしたい…
見終わってアメ横で一杯飲む事になった。
私は唐揚げが食べたいと頼み、こんなに付き合いが長いのに、彼とほぼ初めて面と向かってご飯を食べた。
その時は酔ったつもりなかったんだけど、お店を出てからぐにゃぐにゃになってる自分に気づく。
じゃ、ここで、と帰りそうになる彼を引き止めて、神田までは一緒にメトロに乗って!と無理矢理同じ電車に乗せる。
彼は呆れ気味で引いてるようだった。
彼のティンダーには自分の酒量をわきまえていない人が苦手と書いてある。
私はそんなのお構いなしに、酔った勢いで電車の車内で、抱きつき甘えてまわりの客も全員引かせていた。
ハグ、ハグ、ハグ。いつの間にか彼の柔軟剤の匂いがとても好きになっていて、たまらなかった。
どうか私だけを見て、他の女の人の事みないで…
渋谷まで一緒に乗り、彼はタワレコへ、私は自分の家へ行くためにバイバイした。
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