手札がない
2週続けて45さんに会う。2日目。
私が岡本太郎の絵を見ていると
いつの間にか45さんは渋谷に着いていた。
まず会って、ごはんを食べてから
この後どうしようか、、と静かな時間が流れる。
今日彼はご飯を食べながら話す、というよりは
ずっとスマホを忙しそうに動かしていた。
忙しいのだ。
そんな彼を写真に撮ったり、トイレに行くしか
私はする事がなかった。
無理くり時間を作ってもらってるんだから
贅沢は言えない。わがままは言えない。
でも別れる時間まで残り1時間半。
短かった。
何しよっか…と遠くを見つめる彼。
私はイチャイチャしたいです…
(もう何度目)
じゃあいつもの所にいこっか。とラブホ街に来ても
彼の足どりは重い。
いやに蒸し暑い日だった。
それに彼は疲れてるのかもしれない。
彼が動かなくなる。
ラブホを前に長い時間が流れた。
もう、嫌ならいいよ、帰ろう
と言ってしまえば簡単だけど
また遠距離で暫く会えなくなる。
だからと言って体ばかり重ねるのは
飽きられてしまう?
私はもう手札がなかった。
どうしたらいい?
どうしたらもっと楽しんでもらえる?
時計の針があと1時間20分、と告げる。
私は腕を引っ張ってホテルに入った。
2時間〇〇円です。フロントが告げる。
初めてホテル代を私が払った。
いつも払ってもらってるから…と
強がって出したけど泣きそうだった。
部屋に入って私は最初いじけてた。
ベッドに不貞寝する。
彼の方から歩み寄ってくれた。
キスをする。
服を脱がしてくれる。
彼はいつもより汗が混じった男臭い匂いがした。
汗臭い体。フェラをし、騎乗位で入れる。
名前を呼びながら
好きだよ、好きだよ、と耳に話しかけながら騎乗位する。
私は今日は生理だ。
中に出していいよ、と語りかけるも休憩!と彼はドサッとベッドに力尽きる。
お風呂にお湯を張り、体を洗ってると彼が来た。
お風呂にはまだ半分しかお湯が溜まっていない。一緒に入ったらちょうどいいんじゃん?と一緒にお風呂に入る。
お風呂のなかで座位をする。バシャ、バシャとお湯が顔にかかったけど、今までした事がないので新鮮だった。彼も興奮していた。
お風呂から出てから、もうスマホのタイマーが鳴る。リミットの15時だ。
今日まだ出してない!
また今度、今度、と押し問答があり、
渋々服を着てサンダルを履く。
ラブホのエレベーターでべろちゅーをかます。
最初から、、、
素直に甘えておけば良かった。
相手がどう思うかとか顔色伺ってばかりじゃなくて
自分が幸せになりたいと自分本位に貪欲でいれば良かったのだ。
半蔵門線に入る階段まで彼は送ってくれた。
別れ際、私は彼にキスをねだる。
こうしたい、と思ってから強いよね、
と苦笑いしてたけど
いいのだ。
これでいいのだ私の人生。
私が幸せになりたくて生きてるんだから。
麦わら帽子ごしに
軽くチュ、とキスをして
またねと別れた。
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