022 消したいけど消えないんだよね　

別れた旦那のこと、今もおもってるの？

……って聞かれたけどね

ん？
一瞬、何を言われてるのかわからなかった

あんなクズ野郎
私の目の前に二度とあらわれるな！
ホントにそう思ってるの

だけどね、
一生、共にしようって思った相手
命より大切に思っている我が子を授けてくれた人だしね


ともに過ごした時間
楽しかった時もあったけど
そうでない時間のほうがはるかにはるかに長かった　……けど
紛れもない
私の過ごしてきた時間だ
忘れたいけど
記憶から亡くならないのよ

子供を授けて貰えたことに感謝はする
それ以外の事で感謝できること？
………無いなぁ　無い！

物理的にも精神的にも金銭的にも！
私の殆んどを毟り取っていったヤツだ

あまりにも毒が強すぎて
記憶から消えてくれない……亡くならない

それを「おもってるの」と聞かないでほしいよ

そんな過去はあったけど
今を
楽しいと思えるように暮らしているんだからさ

家裁を後にした
四半世紀近くも前のあの日
分厚い真っ黒い雲に少しの隙間ができて
太陽の光が
ほんの少しだけ見えたような気がした

あのときは
足元がやっと見えるだけの光だったけど

今は明るい光の下を歩いていますよ