持続可能な日本と地方の活性化

2050年の日本、現在の居住地域の約2割で人が居なくなり4割超で人口が半減する一方で、三大都市圏への人口集中が進むと予想されている。第3次産業比率の高い日本では大都市へ人口集中するメリットは有るものの、地方の過疎化を含め持続可能とは言い難い。災害時リスクの増大や第1次•第2次産業の衰退も懸念される。地方は若い人が仕事を求めて都会へ出て行くので、人口と仕事が減る悪循環に陥っている。方や、環境に魅力を感じて地方への移住を希望する若い夫婦も多い。
地方での仕事創出は日本の将来に向けた重要なテーマとなろう。
多くの過疎地域では、店舗•病院•学校などが維持困難となり生活基盤が分散しつつある。その対策として行政機関は、地域の中心部に必要な生活基盤を集約させ徒歩圏内に住民を集める構想を進めているが、住民転居や店舗移設が具体化への高いハードルとなっている。
この解決に期待されるのが次世代技術だ。現在、自動運転EVでの移動店舗や、宅配トラックからドローンを飛ばす配送などの実証実験が行われている。これらの技術を活用すれば、買物や通院で人が移動せずに、店舗や病院の機能を人のいる場所へ移動させる事ができる。生活基盤を動かす動的な地域開発が実現すれば、過疎地域でも従来通りの日常生活を維持できる可能性が高くなる。
しかし、自動運転やドローンなどの社会実装にはコスト負担や安全性などで課題も多く、未だ実証実験で一歩ずつ検証をしている段階だ。これに対して多数の地方自治体が実証フィールドを提供している。実証実験に参加する企業や人が集まれば地域の活性化へ繋がるからだ。
但し、実証実験は短期的なので、これを長期的な活動へ進展させる必要がある。動的地域開発のような構想に取組めば、次世代技術は進歩に伴うバージョンアップを常に必要とするので、一度整備した実証フィールドは継続して利用される。そうなれば、周辺地域には技術系企業の他にも関連するサービス系企業も集まるので、恒常的に若い人たちへ仕事を供給できる環境が整うだろう。
次世代技術の社会実装を人口密度の低い地方から始めて、そこで成熟した成果を大都市へ展開するのは、合理性の有るシナリオと思える。このように各地域の特色を活かしてバランス良く成長させるアイデアは、日本の持続可能性を高める結果となるので、出来る事から取組んでいきたい。

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