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帰って来た道真ベテルギウスの夜に続編:帝国

帰って来た道真ベテルギウスの夜に続編:帝国


 マーチン・ブラームスは、連絡船が減速チューブに入る前
呟いた。

 「俺は嫌いだ。自力で減速出来ない連絡船で出掛けるのは
嫌だな。減速チューブのGは半端無い俺は嫌だ」

連絡船

スペースコロニー間を結ぶ連絡船は、エネルギーと推進剤の
消費を抑える為、リング状の電磁加速器で加速し最終段の
リニアアクセラレータを目的のコロニーに筒先を向け発射し
連絡船がコロニーに到着する時、電磁的リニアチューブで
大まかに減速しリング状の減速機で速度を十分に落とし着艦
する機構を使用する。勿論、減速時に発生した電力は到着し
たコロニーで使用される。乗客に取っては、電磁的加速と言
え大型の大砲で撃ち出されたのと同じで乗り心地は頗る悪い
のだ。

 「ディーバ、もう一度抱くぞ。3Gを生身で受けるのは辛
いからな、お前の身体で受け止めてくれ」

 「イヤーン、私が恋しいからと言ってセックスロイドの
身体でも3Gは辛いのよ・・お願い」

面倒な奴だな。でも綺麗だ、本当にアイドルグループ
NKN64樫木愛めぐたんを寸分違わずコピーしたセックス
ロイドだ。

 「好きだ、何時までも抱いていたい。俺のアレを使える様
に大きくしろ」

二人は全裸だ。特別キャビンのベッドの上だ。発進時は、
進行方向を上とする様にGが掛かる仕組みだ。その時は、
二人とも全裸で適度な堅さのクッションに寝そべった。
到着時は、進行方向と逆向きにベッドが向いた。発進時と
同じGが加わる筈なので彼は彼女の身体で楽をしようとした
のだ。
彼女は彼の玉袋を軽く揉む様に愛撫しながら竿を銜えた。
長くしなやかで優しい滑りが亀頭部に巻き付いた。流石に
人間業では無い、彼はそれを最初に受けた時、アッと言う
間も与えられず果ててしまった。本日は二回目のセックスで
ある。即行で勃起したが直ぐに果てる事は無い。
彼女は脚を広げて待っている。入口に竿を刺した時、減速が
始まった。その勢いで奥まで刺さり、彼の顔はバスト75㎝
ながら巨乳と称される柔肉にめり込んだ。彼女は彼の頭を
両手で優しくホールドした。強烈なGが掛かり、彼は彼女の
中に彼女はベッドにめり込んだ。それでも彼には極上の快楽
が与えられた。
柔らかくスベスベで官能的な香りのする肌に守られ、強烈な
慣性重力すら愛の行為のスパイスに成っている。彼女の中は
暴力的なGを無効にする様に彼の肉棒にジャストフィット
しながらも適度な圧力をGが掛かる事で何時もより大量に
血液を送り込まれパンパンに勃起し、その反作用で脳内の
血流量が下がる事で軽い酩酊状態に成り、軽くハイの状態
だ。

 「アッ、堅い・・凄いは堅いのよ・・イーイ・・・」

彼女が呻いた。胸に押し付けられているので彼女の心臓の
鼓動が分かる。何時も依り速い。
彼は、彼女が興奮して鼓動が速く成っていると感じたが、
彼女の構造上の問題で彼女にも強烈なGが掛かり、電子頭脳
に冷却液として流れている血液の流れが滞り、それを補う為
に心拍数が上がったのだ。
ごつく成った肉棒は、強烈なGで動かす事が出来無いが、
蜜壺の肉襞が心地良く絞める纏わり付く絡み付く、絶妙に襞
が動き刺激する。気持ち良い。強烈なGが去り、
ベッドは船着き場のプラットフォームに水平に向いた。
慣性重力は、スペースコロニーのセンターシャフトが船着き
場なので重力0G無重力だ。彼女の胸にめり込んだ彼の顔は
浮かび、眼前のピンクの突起に吸い付き舐めた。腰が軽い
動かせる。そう感じた彼は、ピストン運動を開始した。彼女
の声が大きくなった。

 「凄い、初めて・・初めてヨー・・イーイ・・」

彼は、気を良くした。思いっきり発射した。彼女の乳房の
血液など体液は強烈なGの為、身体中心部へ流れ出してい
た。それが、低重力状態に成った事で体液が戻りパンパンに
膨れ敏感に成っていたのだ。
其処へ彼の唇と舌の愛撫が始まったのだから堪らない。
そして激烈に硬化勃起している男根が激しく動き出したの
だ。彼女の記録に無い感覚だった。恐ろしく強烈な性感が
彼女を襲ったのだ。彼女は正直である。オベッカ等言わない
のだ。彼女は、発射後の男根を綺麗に舐め、余分な体液を
吸い尽くし玉袋や彼の陰部を舐め上げ綺麗にし服を着せるの
を手伝った。

 連絡船を降り、税関へ向かった。スペースコロニー毎に
独立国家なのだ。

 「マーチン・ブラームス侯爵、帝国議会へようこそ、お待
ちしておりました・・一寸、待って下さい。セックスロイド
は持ち込み禁止です。ここで預かります」

 「いやーん、寂しいは、ダーリン」

 「何で彼女がセックスロイドだと分かったのだ」

 「当たり前でしょう。元日本国総理大臣樫木愛のアイドル
時代の姿コピーした最も著名な人工知的思考体TypeS
セックスロイドディーバでしょう。冗談にも行方不明の樫木
愛その人だと言わないでしょう・・・帝国は彼女が設立に
貢献した連邦と敵対する事に成るのですから」

 「あい、分かった。ディーバ、会議は直ぐ済むから待って
居なさい」

ディーバは、ミニのタイトスカートにスーツで決めていた。
出来る秘書その物だが、会議には連れて行けないのだ。
マーチン・ブラームス侯爵は、リニア駆動エレベータに乗っ
た。著名なSF作品宇宙大作戦スタートレックで
『ターボリフト』と呼ばれる乗り物と同じ様な物である。
ロープで吊して無いエレベータと考えて下さい。箱の移動は
リニアモーターで上下左右任意の場所に移動出来る構造物内
の移動に便利な乗り物です。
議場の前室に着いた。既に宇宙貴族達が何人か詰めていた。

 「ブラームス卿、気を付けて下さいよ。セックスロイドを
始め、連邦側のAJ人工知的思考体を搭載した機器を廃棄す
るかリプログラミングする為に信頼の置ける研究者に渡す事
を決めたでしょう・・・まだ日時を決めて無かったけど
ディーバを連れて来るとは大胆ですね・・・それにしても良
く手に入りましたね。五年前から、我々宇宙移民に対して
連邦が武器に使えるパワースーツ・バトルロイド・セックス
ロイド等AJ人工知的思考体を搭載した機器と電子銃等、奴
らの言う非殺傷兵器を禁輸した筈だ・・本当に良く手に入っ
たね」

レイモンド・ランブルト伯爵はエアーチューブを通って来た
税関窓口からの書面を持ちながら言った。ブラームス侯爵の
ディーバが羨ましい見たいだ。
エアーチューブで書類を搬送するのはセキュリティーを考え
ての事だ電子化した情報は外部に漏れ易いと考えて、
かなりレトロな方式に改めたのだ。

 地球連邦が設立して十年、当初は宇宙開拓の為、地球連邦
創設に伴いタックスヘイブン消滅・軍産複合体解体と殺傷能
力の著しい銃火器根絶と火薬類及びロケット兵器の処分を進
める事に所属していた文化圏から来るであろう違和感に反感
を覚える軍需オタク達を宇宙開拓に努める場合、税金等の
免除や十年の期限付きで銃火器や火薬類及びロケット兵器の
所持を認める事に連邦側の行政府はしたのだ。
その御陰で五年も経たない内に巨大なスペースコロニーが
何十基も地上から確認出来る様に成った。静止衛星軌道の
外側を回っているに拘わらず肉眼で十分形が視認出来る
コロニーも存在した。そして地上で戦乱が無くなった御陰で
人口が爆発的に増えたが、余剰人口は宇宙に新天地を求め向
かった。しかしながら銃火器や火薬類及びロケット兵器の
所持を黙認する事は、恒久平和を希求する連邦政府方針と
齟齬が生じる。
五年を経過した時から、徐々に締め付けを強くした。連邦に
とって残念な事に十年の期限付きで危険な武器の所持を認め
る事に成っていたのが最大の失敗だろう連邦政府専用政策
企画策定人工知的思考体ザラが珍しく間違えたのか、彼女が
連邦市民の意思表示直接議会の誘導に失敗したのか十年の
期限付きは連邦に大きく喉元を狙う牙を宇宙移民達の
コロニーにもたらしたのだ。
連邦の締め付けは、パワースーツ・バトルロイド・電子銃等
非殺傷制圧デバイスを購入する時は銃火器等人を殺傷しかね
ない武器を廃棄させる連邦創設時に世界各地で警察・軍隊・
軍事グループ・マフィアに対して行った処置をスペースコロ
ニーに対して行い。その契約を許諾したコロニーを連邦側の
コロニーとして金融・工業用資源の流通を可能にし、契約を
破棄したコロニーを敵対コロニーとして地球からの金融を絞
め、工業用資源の輸出を止めた。

 契約を破棄したコロニーの多くは軍産複合体の元幹部達や
巨万の富を独占していた財閥経営者一族が連邦の税制から
独立した実質的タックスヘイブンを求めて宇宙に進出した
連中で彼らは、連邦との契約破棄を境に宇宙貴族を名乗り始
め、侯爵領・公爵領・伯爵領等とコロニーを称した。
ブラームス侯爵やランブルト伯爵が帝国議会と称する会合に
集まったのは、宇宙貴族達の領地をガリオン帝国として纏め
る事が議題だ。本日、帝国が発足する予定で皇帝候補として
最有力なのは、ブラームス侯爵だったがディーバの件で少し
雲行きが怪しく成った。

編末

続きは、「リプログラミング」に成ります!
目次は、「帰って来た道真ペテルギウスの夜続編」で
小編へのリンクを張っています!

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