【書籍紹介】なぜ働いていると本が読めなくなるのか
こんにちは葵です。
数あるnoteの中から、お読み頂きありがとうございます。
タイトル買いしました
今回は今売れに売れているこちらの書籍を紹介します。
Amazonでベストセラーになってます。
タイトル買いしたあなたはきっと私と同類。
学生時代、無類の読書家だったことでしょう。
……そう、学生時代なら。
大人になるとなんでこんなに読書ができなくなってしまうのか。
実をいうと少し前にネットで購入し、つい数日前にこの本が家に届いていたのですが、なかなか読めませんでした。
なるべく積読はしない派ですし、読みたい気持ちはあるんです!
けれど、現場で一生懸命働いてヘロヘロになって帰宅したら、もう読めない。
目が滑るんです。文章が頭に入ってこない。
これはダメだと思い、在宅でちまちま作業をする間にようやく読破しました。
個人的に仕事もこなして読書もできて今日1日の満足度がすごいです。
読書史と労働史がわかる
全読書オタクの悲痛の声を代弁してくれました。
本当です。本当におかしい。
仕事して家事しながら本読みたいです。
大人だって趣味を謳歌したい。
この本では、国力向上のため、全国に図書館ができてきた大正時代から、スマホが普及しiPadで読書できる令和の現代にいたるまでの読書史および労働史を時系列に沿って読むことができます。
ちなみに江戸時代の読書といえば朗読(!)だったそうで、黙読が流行りだしたのは明治初期だそうです。
句読点がついて劇的に本が読みやすくなったんだとか。
多分、江戸時代にも1人でこっそり読みたい本とかあったんじゃないかと思うのですが、家族で朗読してたんでしょうか…。実際のエピソードとして森鴎外が舞姫を書き上げたとき、家族に朗読したそうなのですが、あの舞姫を……と思ってしまいます。
舞姫がなかなかな話なのは置いといて、朗読が読書というのは、今とはずいぶん違う文化のようです。
そこから徐々に見やすい句読点の出現。国力向上のための図書館の全国普及。それによる『自分のニーズにあった読書文化』ができます。
明治時代にはもう、立身出世のための自己啓発書やビジネス雑誌があったそうですからびっくりです。
しかも明治後期には学費を自力で稼ぐ苦学生の出現や、通信教育による独学ブームが起こったそうですから、リスキリングとかいっている令和は明治時代とさほど変わりないのかもしれません。
そこから高度経済成長からのバブル崩壊、リーマンショック、そしてコロナ禍と、時代とともに流行った書籍と労働環境、社会経済を緻密に紐解いてくれます。
この辺りは読み応えがあるので是非書籍そのものを読んで欲しいです。
働きながら本を読めるような社会に
そもそもこの本のタイトルは「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」。
本著の答えは「全身全霊で何かを為すことを資本主義が求めているから」であり、「全身社会ではなく、半身社会をめざしませんか」と提案しています。
全身全霊で仕事に打ち込むこと、あるいはワークライフバランスといいながら個人で副業や複業を推奨し、それをSNSでつぶやくなど結局のところ、「全身全霊で働きたくなるよう個人が仕向けられている社会構造そのもの」をやめませんかという提案でした。
半身は労働に半身は好きなことに。
鬱病や燃え尽き症候群にならずに長く働けるように。持続可能な自分の人生を歩むために。
そんな素敵な提案をしてくれる書籍です。
是非読んでみてください。
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