祖父母へ
あちらで、2人で仲良く暮らしてますか?
会った事もない、声も聞いたことのない。
おじいちゃん、おばあちゃん。
私の母方の祖父母は、母が若い頃に亡くなっている。
祖母は母が15歳の時。祖父は母が28歳の時に。
祖母は心臓が悪かった、祖父は胃癌。
だから、私は会った事がない。
顔は母が大切に持っている写真で知った。
祖母は亡くなる時に母の手を自分の頬にあて
「あなた達をずーっと守り続ける」と言って息を引き取ったと聞いている。
その話は私が子供の頃聞かされていた。
私が大人になるまでは、、、色々あった。
大変だった。辛かった。沢山、、、
それから、私も大人になり、結婚して子供を授かり、、
子供達が高校を卒業した頃から不思議な事が起こるようになった。
長女が進学し、一人暮らしを始めた頃、夜道が心配だった私。狭い橋を渡って車もスレスレで通るのだと聞いていたから。
長女が私に
「毎日、誰かに見守られてる。私がバランスを崩してふらつきそうになると、私のリュックを引っ張って車に接触しないようにしてくれる」
と、私に話した。
長女は怖いとか思わないのだと、優しい気持ちになるのだと、言っていた。
次女も
運転中居眠りして危うく前車に衝突する所だったが車の中が一瞬眩しくなり目が覚めた、、と。
これは、ほんのごく一部の話。
その後、母が
「おばあさんとおじいさんが夢に出て来て孫達を守ってるから心配するなと言った」と
私に話した。
祖母は母に
私の娘たちが結婚し子供が産まれたら、ある漢字を入れて名づけて欲しいと。
娘の子供として生まれ変わり、みんなを幸せにするから、、そう伝えて欲しいと。
母の夢で祖母が話したのだと言った。
私は毎晩、祖父母に手を合わせる事を欠かさないでいる。
「今日も1日ありがとうございます。娘たち、みんな元気に過ごせました」と。
今年も墓参りに行こう。
会った事もない、会話もしたことのない祖父母。
強く繋がるというのは会う会わないなんて関係ないのだと私は思う。
相手を思う気持ちを大切に。
お互いを思いやる、その気持ちが繋がっていく。
娘たちを優しく守ってくれていた祖父母。
私がいつか向こうに行ったら会って直接お礼が言いたい。
顔を見て抱き合って、これまでの事をたくさん話して
一度も呼べなかった
「おじいちゃん」「おばあちゃん」
って呼んでみたい。