18歳になりました

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盛夏火「ウィッチ・キャスティング」

見た。素晴らしかった。

救いについての物語だった。 ここが現実であるという救い。創作によってもたらされる救い。人が人と出会うことによってもたらされる救い。すべて魔法という超越によってそれは行われた。

「マジックを成功させるには、まず信じること、だ」
ラーメンズの小林賢太郎はこんなようなことを言った。

何、を信じるのか。その主体が示されていないが素晴らしく的を得た言葉だと思う。
同じくこの『ウィッチ・キャスティング』も観客はもちろん、演者さえも魔法、そして奇怪を信じ切ったことで、団地の一室で火は焚き上げられたし、マダム・マルコスは実際に月に飛んでいってしまったのだ。

実際にこれを目撃できた観客を非常に羨ましく思う。

と、同時に映像で演劇を見ることの愉しさも再確認した。
私はすべてにおいて後を追っているかつ、ど田舎に住んでいる演劇ファンだ。
映像配信をしているか、その一点でそのカンパニーの価値を定めていると言っても過言ではない。

よく演劇人が「演劇の映像収録」に対して否定的な意見をただしているのをよく見る。
僕には理解し難い。生でしか体験できないエクスタシーがあるのではれば、収録でしか体験できないエクスタシーも十二分に存在する。

それを体感した出来事がある。

土方巽という舞踏家がいる。
アングラ演劇の最重要人物で、暗黒舞踏のイコン、そのもの。
僕のオールタイムベスト映画『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人形』に出演しており、中学生の時分、強烈なインパクトを喰らった。

そして、彼の手によって、1976年に上演された舞踏作品『ひとがた』の映像上映が早稲田の方であったので見に行ったことがある。

お世辞にもいい映像とは言えなかった。
ノイズはすごいし、カメラワークもぶれぶれ。
舞台上で何が行われているのか、よくわからない。

のだが。
のだが素晴らしい。素晴らしすぎた。
映像からほとばしる熱を感じた。その荒んだノイズからそれが私たちに伝播しているようだった。荒々しいカメラワークも会場の熱狂を端的に表していた。

このようなことは、演劇の収録映像としては「正しくない」のかもしれない。だが、正しいことがほんとうではないのが演劇である。
この体験は演劇の記録映像でしか起こり得ない愉快な体験だった。

この作品の記録映像もそのようなものを感じた。
映画監督の近藤亮太氏がディレクションをとっている。
この映像のひたすら素晴らしいのは、体験であるということに重きを置いている点だ。
映像は近藤監督が祖師ヶ谷大蔵駅の改札を出て、会場の団地に徒歩で向かうところから始まる。
追体験だ。
この時、視聴者は近藤監督になることを余儀なくされる。
近藤監督の徒歩速度。近藤監督の視点。近藤監督の息遣い。
氏が『ウィッチ・キャスティング』を祖師ヶ谷大蔵に見に行くときにだけ起きていた現象がここに切り取られていた。
きちんとカメラワークがあってカットが割られていて、ではない素晴らしさ、ここに「演劇の映像」が存在していた。

この『ウィッチ・キャスティング』は他の演劇よりも意識的に虚構と現実世界の境界を曖昧にしようという試みが多く見られる。
そのことから、僕は一人一人の観客それぞれの帰り道に『ウィッチ・キャスティング』があったのだと思うし、その人々に大小構わず魔法が降りかかったのは自明だ。

そのようなこの作品の素晴らしさを端的に、そして丁寧に収めたこの収録映像はどこかに永久保存されるべきだとさえ思う。

この傑作が起こす魔法は上演の4年後に作品を見た僕をさえも魅了し続ける。
上演を見ていなくとも、僕の手の甲には軟膏が塗られているのだ。

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みたいなことを1ヶ月ぐらい前に書いていた。
のだが、あげていない。
ぼくとはこういう人間だ。怠惰である。
実際二ヶ月前にみた優しい劇団の感想もあげていない。
もう少しで上げたい。

やりたいことは頭からあふれそうなほどある。
その優先順位をつけ、実行に移すのが苦手だ。
複数やり始めてキャパオーバーになるのが常だ。
自分の脳内メモリ容量を増やすことを目標にしたい。

18歳になった。
成人だ。
FANZAになんの臆面もなくアクセスでき、免許が取れ、選挙権を行使できる歳になった。
何か変わるのだろうか。
変わっていきたいなーとか思いつつ、変わること怖っ、とかとも思いつつ。

かなり今、人生のスピードなるものが早くなっている気がする。
知り合いも増えてきたし、受験あるし、なにしろ初めて作演出出演の演劇をやる。
素晴らしくて幸せ者だ。
それは周りの人の支えによるものであると言うことを忘れてはならない。
こんな僕に気にかけてくれているみなさんに驚きと感謝込めて。
ありがとうございます。

とりあえず、演劇やります。
埼玉県秩父市の皆野でやります。
7月7日。七夕の日です。
「おぼろげサナトリウム」という題の劇です。
作・演出・出演です。
コメディです。
今まで僕がぼんやり考えてたこととか、しっかりずっと言ってきたことの集大成的作品になるかと。
絶対面白いので見にきてください。

予約フォーム

18歳の目標としては
・公演の成功
・筋肉をつける
・高田馬場のあいらくていに行く
・映画をちゃんと撮る
・第一志望である日本大学芸術学部演劇学科合格
・11ぴきのねこを全巻揃える
・アルバムを完成させる(3曲できてる)
・大バズ
・野球に詳しくなる
・ナンビアの砂漠をみる
・サブスクデトックス
・服を増やす
・今、仲良い人を減らさない
・友達増やす
・女装
・テルミン習得
・実機シンセ購入
・group_inou imaiさんとなんらかの関係で仲良くなる
・ウンゲツィーファの本橋さんと何らかの関係で仲良くなる
・世界平和
・バイトを辞める
・アトピー改善
・タトゥーシールを買う
・ちょうどいい髪型の発見
・伊達メガネ購入
・ちゃんとポートレートとか撮りてぇよなぁ
・ヤクルト1000生活の持続
・脚本書くのやめない
・舞台出演したい(オファー待ってます)
・猫を触る
・母への鼻毛指摘
・本を今まで以上に読む
・大森時生Pと話したい

とかですか。
なんかうわっーっとやりたいです!
混沌です。
頭の中がこんがらがってます。
言いたいことがたくさんです。
レッツゴーです。
18歳!!!

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