#31

『6月4日 はれ
体育祭翌日と、振替休日のことをまとめる。
翌日の6月2日は、瑠海と電話をした。当日に嘘がかみ合わなかったこともありどうにか合わせようという話になった。その中で、「裕斗が瑠海と3時間電話したことを自慢してたよ」なんて言ったら、「記録更新させよう」ってことになった。結局、振替休日の6月3日も電話していた。寝落ちするまでしていたので、時間を見返したら5時間もあった。会話の内容はほかにも、ただの雑談や趣味の話だ。瑠海の趣味はグロイものを見ることらしく、そういった画像を見て興奮しているらしい。かなり特殊な趣味だ。人の好みというのはそれぞれなので俺には肯定することしかできない。さらには、血を見るということのためだけにリスカしているらしい。それもメンヘラとかの浅い傷跡ではなく、二の腕とかにザックリと刺すような感じらしい。痛みを感じてハイになるとも言っていた。理解はできないが、今まで認めてくれる人がいなかったと聞くと、理解するフリでもするしかなかった。そのうちに、佐藤くんの指を切断したい、とまで言ってきた。俺にそんな趣味はないので、切断されるわけにはいかない。でも、否定することもできなかった。だから、「プールの授業できなくなるから無理かな…?」なんて言ってごまかした。なんどか「大丈夫だよ」と粘られたが、とりあえず「プールが終わってからね。」で通用させた。
―――――――
今日のことだ。ついに裕斗に探りを入れられてしまった。
裕斗「ねね、最近瑠海と話した?」
「話した」
裕斗「LINEで?」
「うん、どういうこと?」
裕斗「なんか最近瑠海と空良なんかたくらんでない?体育祭のときから気になってた」
「たくらんでない」
裕斗「そっか。ごめん、なんでもない気にしないで」
このことを瑠海に伝えると、瑠海も探りを入れられているらしい。一部だけLINEのスクショを見せてもらったけど、「最近空良と仲いいよね。」とか「二人が何考えてるのかわからない」とか遠回しに聞こうとしているメッセージでいっぱいだった。瑠海が「何話してたかとか聞かれたら、普通に世間話とかだよって言って」と言ってきたので合わせることにした。でも、裕斗からはあれから連絡もないのでとりあえずは大丈夫そうだ。
これから裕斗がどんな行動をしてくるのか分からないので警戒していかなければならない。』
#日記 #秘密

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