#25

『5月23日 くもり
悠斗の行動がエスカレートしてきた。これは流石にまずいと思う。瑠海が先に教室から出るとき目で追って、その後教室を出たりしている。無意識なのだろうか。今日は瑠海が部室に寄ってから帰ると言うので、着いていき待っていたら、部活のはずの悠斗がわざわざ目の前を通り手を振ってきた。悠斗は陸上部で部室は3階の端っこにある。どうやったって通ることは無いはずだ。幸い瑠海は奥にいて気づかなかったみたいだ。これはもうストーカー行為に近い。悠斗、そんなやつだったのか……。

帰りに瑠海とまた公園で話した。今日の悠斗の行動を話したときの会話を記す。

「…ということがあって」
瑠海「え?!気づかなかった!佐藤くん、ありがとね」
「まぁ、すぐ去ったから何もしてないけど」
瑠海「うちね、小さい頃色々あってね、男の人が怖いの」
「え、え?!俺といて大丈夫……?」
瑠海「うん、なんか佐藤くんは…空良は大丈夫」
「…そっか、ならよかった」
瑠海「だって、うちのこと認めてくれるんだよ?」
瑠海「あ、それでね?小さいときに前のお父さんがね、すごい殴ってくるの。」
「え…」
瑠海「今のお父さんはね、優しいんだけど、都合の良くないことがあると殴るの。前よりはいいんだけどね」
「……それで男の人が怖いってこと?」
瑠海「そうなの」
「普段どうしてるの?」
瑠海「いつもはね、みんな女の子だと思ってるの」
(だからあんなに距離感バグってるのか…)
瑠海「なんか、殴られるって思っちゃうのかなぁ?だからね、小山くんのことも怖いの。空良から今日のこと聞いてね、余計に怖いと思った。」
「そっか…。俺に出来ることならなんとかするから大丈夫だよ。」
#日記 #公園#怖い 』

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