金木犀

風俗嬢

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【️小説】白いすな

「なんでこの仕事してるの?」 「あたし母親がこないだ死んだんです、そのお墓を立てるためです…」 「そんなの聞いたらお母さんあの世で泣いちゃうよ。あなた親思いなんだね」 「違うんです、あたし嫌いだったんです、母のこと…供養しないと母親があの世から私を苦しめるんじゃないかって…だから安からかに眠って貰わないと困るんです」 というと客のおじさんは、あぁ、そうなの…困った顔をした。 どうしてこの仕事してるの?とは、この仕事をしていると何十回聞かされる。お母さんにお墓を立てる

    • 【️小説】ペンギンタワー

      あたしが描く東京には不思議な魔力がある。あたしが描く東京にはペンギンタワーがある。あたしはそんな東京をぐるぐると深海用の潜水艦で探索するの。東京は深海の中みたいに重く、ペンギンタワーはまるで南極の空の下で凍りついてるみたいに青白く、ドライアイスでも放ってるかのように不気味なかんじで、光ってくれる。夏だからって、ふいにどろどろ溶けだしたりもせず。あたしの為にいつまでも夜の中で絶対に光ってくれる。 「ペンギンタワー?新しくできた施設?それとも、まさか東京タワーのこと?」 「はぁ、

      • 地球

        地球よ回れ ただ私だけのために自転せよ 私だけのために馬鹿みたいに続行せよ

        • ベイビー

          私は水の中でしか生きられないから自分のことをマーメイドだって思った。 ソープっていう、世界の水の中でようやく息ができた。みんなが息できない場所で息ができるんだもん、人間じゃなくてマーメイドだよって思う でも生まれ変わるなら感受性の豊かなだけの普通の女の子になりたい。風俗で働かなくていいような、それでも生きていけるような、普通の女の子になりたい。 私は今回の人生ではこの世界でしか生きていけないから今世ではこれでいいし、今が幸せだからいいんだけど

        【️小説】白いすな

          ベイビー

          書く時に必要なのは病んでくことと自分を失うこと。非現実に自分を投影したくなるほど病んで自分を失うこと。でも私はもう病みたくないし自分を失いたくない。だって今が幸せなんだもん。いつか幸せを失った時に書くから、頑張って書くから、今は幸せでいさせてね神様。ずっと頑張るから。

          ベイビー

          風俗の個室で、待機中に、ベットの上でただ寝ていると、死刑囚になったような気分になったことがある。 だって窓もないんだもん。 死刑囚の部屋にだって窓くらいあるんじゃなかったっけ。