スタインベックをもう一冊
ジョン・スタインベック
『ハツカネズミと人間』『怒りの葡萄』
『エデンの東』等の著書で知られる
アメリカのノーベル文学賞作家である
文壇の重鎮であり流行作家でもあった
彼は五十八歳の時に
愛犬チャーリーとともに
特注キャンピングカーで
アメリカ一周16,000キロの旅に出る
『チャーリーとの旅』
旅文学の傑作とも評される
俺にもその少年の気持ちが痛いほど分かる
きりきりと痛むほどに
スタインベックが言うように
旅への憧憬は確かに不治の病だ
『放浪病を治す手立てはない』
Yes. I think so, too.
本の中でスタインベックは
実際のアメリカに出会い直すため旅へ出る
食い物や飲み物
道や町や街
知らない時代の知らない場所の旅行記は
読んでいて新鮮で本当に楽しい
熱いコーヒーにブランデーを注ぐなんてのも
日本ではちょっとない文化だし面白い
特に印象的だったのは南部
ニューオーリンズについて書かれた箇所だ
黒人差別に対する熱い思いが嬉しかった
しかし考えてみると
俺を放浪病にしたメインオフェンダーは
実はスタインベックではなく
この人なんじゃないかなとも思う
旅よ人生を洗え
道よ俺達に続け
ハイヨー ロシナンテ!