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キャリア採用の魅力

ある日のこと、ボンヤリしながらいつものようにメールを右から左に転送する大切な業務に励んでいると、営業取締役が突然「中途採用するぞ!」と言って僕ともう1人の若手営業くんを別室に呼び寄せました。

な…中途採用?とは?

これまで自社には中途採用という文化がありません。それどころか採用自体あまり積極的にやっていないような中小企業です。

ビクビクオドオドしている僕を尻目に若手くんは「喜んで!」と言って目を輝かせています。取締役は「とりあえず2人採用してね!」と言って出て行きました。

「早速エージェント契約しましょう!2社見繕いましたよ!他にもダイレクトスカウトタイプや合同説明会なんかもあります!」

シゴデキの若手くんはあっという間に採用担当者としてマックススピードで走り出しました。採用が楽しみで仕方ない!という感じです。一方の僕は不安でいっぱい。まずは冷静に面接シートや採用スキーム‪を作り始めました。

この正反対の性格が功を奏し、僕らの中途採用はかなりのスピード感を持って順調に走り出しました。今思えば営業取締役は僕達の性格をよくわかっていたのかもしれません。

実際に面接をした方は半年で30名ほど。そのうち10名ほどが次の面接に進まれ、最終的に採用に至ったのは2名でした。

面接で大切にしたのはとにかく「相手が幸せに働けるかどうか」。これが意外と難しく、当社の規模や雰囲気には勿体無いという理由で重役がNGとした方もいました。また長く働いて欲しいとの思いからスキルよりも「一緒に働きたいか」を重視しました。

そうした厳正なる選考の末入社した2名。これまで中途採用をしてこなかった当社ですが、この2名の方が加わったことで社内の雰囲気が明らかに変わりました。

社員が優しく明るく元気になったように感じるのです。「自分の会社を選んでくれた」という喜びや「先輩として良い振る舞いをしたい」という気持ちが呼び起こされたのかもしれません。

経験豊富で1を言えば10が分かる、その上人間的にもとても感じの良い、まさに「人材」というべき人がこんな小さな会社に来てくれた。そんな喜びをみんなが共有していると感じました。

キャリア採用は宝探しです。

彼らが入社してもうすぐ半年ほどになりますが、僕はいまだに重役面接を終えて彼らの内定が決まった時のことを思い出すと目頭が熱くなります。

後で聞いた話ですが、僕が採用担当に選ばれた理由は10年前の新卒採用時に説明員として駆り出された際僕がリクルートした学生さんが現在研究のエースとして活躍しているからだとか。

完全に運が良かっただけとはいえ、今回のキャリア採用でもいい人が来てくれたのは運が良かったからだと思えば、運も実力のうちというやつなのかもしれません。

そんなわけで現在、僕はそれまでやっていた「メールを右から左に転送する大切なお仕事」をクビになり採用部門へ異動になりました。

中途採用だけでなく新卒採用もやることになり、今はとにかく宝探し!という気持ちでワクワクしています。

1年前はこの会社もう辞めたい…なんて思っていたのに、こうして自分が採用に携わった人が増えて行くと正直辞めるに辞められなくなります。

キャリア入社の方達がこれからもずっとこの会社を好きでいてくれるように、僕がまずはこの会社を好きでいないといけないなと身が引き締まるのでした。

うーん、なんだか会社の思う壺だな。

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