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わかってほしいのは、そこじゃない…私の思いは伝わりませんか?

 仲間や職場の同僚などと会話しているとき、自分の話した内容への相手からの話を聞いて、「わかってほしいのは、そこじゃない…。」と感じたことはありませんか?

昔々のカフェでの会話から


あるカフェで珈琲を飲みながら本を読んでいたときのことです。お店は若干混んでいて、隣のテーブルにもお客さん。60代くらいの女性(便宜上60さんとします)と40代くらいの女性(40さん)のお二人から断片的に聞こえてきた会話があり、それをもとに創作しました。

 40さん:キャンプがお好きですよね。今年もキャンプに行かれましたか?
  60さん:そうなの。この前、孫と息子のお嫁さんと主人とでキャンプに行ってきたの。お嫁さんはキャンプが好きではないみたいだけど、孫が楽しみにしていたのでついてきた感じ。
  40さん:そうなのですか?
  60さん:だから、何もしないの。テントは主人が立てたし、料理の準備や後片付けは、すべて私ひとり。
  40さん:でも、お嫁さんが一緒にくるだけいいですよ。
  60さん:一緒にくるのはいいのだけど、何もしない。お客さんのよう。すべて、私一人で…。
  40さん:お嫁さんの中には、自分はいかないで子どもだけ行かせることもあるから、よいお嫁さんですよ。
  60さん:そうなのね…。
 
 聞こえてきた会話からの私の勝手な解釈です。
 60さんは「キャンプの料理の準備や後片付けを一人で行う私の大変さに共感してほしい。何もしないお嫁さんへの愚痴をわかってほしい。」という思いがあったのかもしれません。
 それに対して、40さんは「好きでもないようなキャンプに一緒に行くだけで、よいお嫁さん。」というお嫁さんの評価を伝えている気がします。40さんは60さんの思いを受け止めたのに、そのことを伝えなかったのかもしれません。
 二人の会話から、60さんの意図が40さんに伝わっていないと感じ、60さんにモヤモヤが残っているようでした。

 40さんの返答が60さんに寄り添うような、例えば、「そうなのですか。一人で準備から後片付けまで本当に大変でしたね。お嫁さんも少しは手伝えばいいのに。」みたいな話があれば、60さんのモヤモヤはなかったかも?と考えます。

あなたにわかってほしいのは、ココ!

 会話をしていると、「わかってほしいのは、そこじゃない…。」と感じることがあります。そう感じたら、話す言葉選びや伝え方を間違えたと諦め会話の流れに乗りますか。伝えたい思いを、言葉を選び、伝え方を工夫して再度話しますか。相手にわかってほしいのなら、例えば、「後片付けに1時間もかかったの。その間、主人やお嫁さん、孫が楽しく話していたようで笑い声が聞こえてきたの。」みたいな話の追加はどうですか。相手の話をいったん受け入れ、そして、相手の感情に訴えかけるように、わかってほしい内容をより具体的に話すことも一つの方法です。

 話す相手により、同じ話でも伝わるモノは異なります。もし、話し相手が60さんと同じような年代、同じような境遇なら、60さんの思いが伝わり、その後、お嫁さんの愚痴大会になったかもしれません。

 聞こえてきた断片的な会話への私の勝手な解釈の連続で、大変に失礼な話です。私には相手を踏まえて伝える大切さを改めて学ぶ機会となりました。感謝です。
 
 最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

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